住まい方、生活スタイルをヒアリングし、
最適で、快適な生活をつくる。
インテリアコーディネーター(以下、コーディネーター)は、照明、カーテン、壁紙を中心に、お客様の要望に応じて、住空間のインテリアすべてに関わります。家具もその一つになりますが、住友林業は、ハウスメーカーの中で、家具の販売実績が抜群に高いという特徴があります。一般的に家具は、お客様自身が選ぶケースが多く、コーディネーターが家具にタッチすることはさほど多くありません。そうした中で販売実績が高いのは、コーディネーターが、お客様が納得する適切な提案を行っている証であり、それだけコーディネーターへの信頼が厚いことを示しています。コーディネーターの仕事の基本は、お客様の要望に沿って商品についてアドバイスすること。その際に大切にしているのは、従来の生活から新生活をより快適にするために、住まい方、生活スタイルをヒアリングしてお客様を理解することです。お客様の多くは商品のみに注視して、実際の住まい方まで考えが及ばないことが多々あります。そこをフォローすることが大切な役割だと思っています。
照明の選択によって空間は劇的に変わる。
お客様の「灯り」のイメージを
いかにつくり上げるか。
あるお客様は家づくりに強いこだわりがあり、そのご要望を実現するため、私もコーディネーターとして早い時期から打ち合わせに参加しました。インテリアの中でも、照明は最重要アイテムで、その選択によって空間は劇的に変わります。家づくりにはお客様ごとに様々なご要望がありますが、多くのお客様は予算に限りがあり、今回のお客様に対しても予算に見合った照明プランを提案する必要がありました。「灯り」のイメージをヒアリングすることから始まりましたが、「灯り」というのは抽象的であり、求める「灯り」を一般の人が言葉にすることは容易ではありません。お客様の照明に対する要望をそのまま示すと「かっこいいけど決まりすぎない照明」。そこで私が着目したのが、最近の照明は「一室一灯」ではなく、必要なところを照らすというトレンドです。お客様が抱いているイメージを自分の中で再構築した結果、提案したのはダウンライトと間接照明を組み合わせ、強弱をつけた光のデザインで空間を演出するというものでした。お客様にはその提案を受け入れていただきましたが、果たして、本当にお客様のご要望にかなうものだったのかどうか。そして引き渡し後、夜のパーティに招かれた際、「イメージ通り、期待以上の照明でした」と、お客様に大変喜ばれました。自分のイメージとお客様のイメージには常にズレがあります。そのズレを修正し、いかにお客様のイメージをつくり上げることができるか。それが難しいところでもあり、コーディネーターという仕事の醍醐味、面白さであるとも感じています。
お客様のイメージに無垢な気持ちで向き合い、
お客様の求めていることを「傾聴」し共感する。
住友林業では、契約後必ずコーディネーターがお客様との打ち合わせに参加し、お客様のご要望に応じたインテリアプランを提案します。実感するのは、お客様のご要望レベルやコーディネーターへの期待値が非常に高いこと。そうした中、お客様との打ち合わせから、部材の発注、建築現場での打ち合わせ、完成確認まで、初めから最後まで責任を持って携わり、お客様の要望に完璧に応えたオンリーワンの仕事ができたとき、大きなやりがいを感じます。最近はインテリアブームもあり、お客様から事前に「こんなインテリアイメージです」と画像をいただくことが多くなってきました。意識的に気を付けていることは、私自身が「好きなインテリアイメージをつくらない」こと。お客様のインテリアイメージに素直で無垢な気持ちで向かい合えるよう、先入観を持たないようにしたいからです。そしてお客様が求めていることを「傾聴」し共感する姿勢を大切にしています。今後も、プランを捻り出すだけでなく、技術的なスキルアップに取り組み、自由な発想でお客様の要望にフィットしたインテリアを提案していきたいと考えています。
住友林業では、一つの物件に関し、メンバーで反省会を行うことが多々あります。反省会では、メンバーから、私のプランや私自身の考え、行動に厳しい指摘を受けることもあります。その指摘やアドバイスを受け、自分なりに反省し、改善を積み重ね、少しずつ成長してきました。この「反省」によって、それまで以上の「本気」が生まれ、より良い提案につながっていくと思っています。