ニュースリリース
（2018年）
2018年12月20日
筑波研究所 新研究棟の建方が完了
「W350計画」・「木を科学する」研究拠点に
住友林業株式会社（社長：市川 晃 本社：東京都千代田区）筑波研究所の新研究棟の建方(構造材を組み上げていく工事)が12月4日、完了しました。本研究棟は2月に発表した「W350計画」の研究拠点となり、「木を科学する」先進技術や木に関する幅広い知見を発信する拠点として3月に着工しました。この建物で使われている技術はW350計画の礎となります。敷地内の整備も含めた総事業費は約25億円 、2019年5月の建物完成をめざします。
新研究棟は木造3階建て延床面積2,532.67㎡で、梁、柱及び壁は大臣認定またはもえしろ設計による木の現し（あらわし）＊にしています。屋上面にソーラーパネルを設置するほか、木質ペレット焚吸収冷温水機の導入でCO2排出量を大幅に削減します。非住宅木造建築物の緑化技術も研究開発するほか、オフィス空間で知的生産性を向上させる緑のレイアウトを検証します。屋上やバルコニー、外壁も緑化の実験場所として活用します。
筑波研究所開設から27年が経過し、研究棟本館の老朽化と所員の増加への対応が課題となっていました。新研究棟は木構造に関する新技術を採用。ゼロエネルギービルディング（ZEB）の実現も視野に入れ省エネや再生エネルギーを利用していきます。
本施設は国土交通省の推進する「平成29年度 サステナブル建築物等先導事業（木造型）」に採択されており、収容人数140名のオフィスと木に関する情報を提供するギャラリー等も備える予定です。
＊現し：木造建築で柱や梁などの構造材が見える状態で仕上げる手法。
■施設概要
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事業者 |
住友林業㈱ 筑波研究所 |
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建築地 |
茨城県つくば市緑ヶ原3-2 |
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建築面積 |
1,120.27㎡ （338.9坪） |
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延床面積 |
2,532.67㎡ (766.1坪）1F:1,001.95㎡ 2F:894.44㎡ 3F:636.28㎡ |
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構造 |
オリジナルポストテンション構造 木造3階建 準耐火構造 |
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用途 |
研究施設 |
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プロジェクトマネジメント |
住友林業株式会社 木化推進部 |
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設計 |
株式会社 le style h Atelier Asami kazuhiro/住友林業株式会社 木化推進部 |
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施工 |
川田工業株式会社 |
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工期 |
着工 2018年3月26日 竣工（予定）2019年5月末日 |
■新研究棟概要
①構造特徴
新研究棟の壁柱は1,200mm四方、厚さ300mmのLVL（単板積層材）を市松状に積み上げ、その中に鋼棒を貫き水平力に抵抗するポストテンション＊１技術のオリジナル構造を採用。構造体の木を現しとすることで温かみのある空間を実現します。
＊１ ポストテンション構法：耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤーロープに引張力を与えることで部材間の固定度を高める構法。
②防耐火検証
大梁は準耐火60分大臣認定を取得した合わせ梁。火災時の避難経路等避難安全性能は、国土交通大臣の認定を取得することで確認しており内装制限等を緩和し設計の自由度を確保した計画です。本研究棟は木造建築物を対象とした全館避難安全検証法＊2の大臣認定を取得した国内初の物件です。
＊2全館避難安全検証法：想定される火災に対し、建物内の全員が地上へ安全に避難できる安全性能を有することを検証する手法。
③環境特徴
屋上面にソーラーパネルを設置し創エネを実現し、木質ペレット焚吸収冷温水空調システムの導入でCO2排出量を削減しゼロエネルギービル（ZEB）を目指します。また、吹き抜け上部に四季を通して太陽光を1階のインナーコートヤードに導くトップライトを設置。吹き抜け内に上昇気流を発生させ自然通風を活用し効果的に換気します。
④緑化計画
木造建築に適応できる屋上・バルコニー・外壁を緑化し、非住宅向けの新たな緑化技術の研究・開発に役立てます。オフィス空間では知的生産性向上に配慮した緑のレイアウト等を検証します。
当社は創業から350周年を迎える2041年を目標に高さ350mの木造超高層建築物の建築をめざす研究技術開構想「W350計画」をスタートさせました。新研究棟を拠点として木の価値を高めるさらなる研究技術開発につとめてまいります。
以上
《本件に関するお問い合わせ先》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション部 佐藤・真鍋
TEL：03-3214-2270