水資源の有効利用

水資源の有効利用

基本的な考え方

世界では今、水不足に対する危機感が増しています。今後、人口増加や途上国の経済成長によって水需要が高まることにより、この問題はますます深刻化することが予想されます。

住友林業グループの主要事業は、木材建材流通事業、住宅事業などであり、水の使用量は少ないビジネスモデルです。しかしながら、水を重要な資源とする事業も展開しており、そうした事業を中心に、水使用量を削減し、リスクアセスメントの実施や問題が発生した場合の対応策の検討を行う方針としています。

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事業における水使用の管理

住友林業グループでは、国内外の製造会社に加え、所有する建物など、水使用量の実数測定が可能な拠点で水の使用量や水源を把握しています。2016年度のグループ会社全体の水使用量の分析では、連結売上高の7.2%に当たる8社のグループ会社で水使用量の91.8%を占めていることが分かりました。この8社を水の重点管理会社と位置づけ、国内の5社で水使用に関するリスクアセスメントと水不足になった場合の具体的な対応策をまとめました。また、水使用量が多い海外3社に関しても、水使用の実態を把握しています。

中期経営計画サステナビリティ編ではグループ全体の水使用量を目標化し、進捗管理を行っています。2025年度、グループ全体の水使用量は2,895千m3でした。2024年度に対して44千m3の減少となりました。主な要因として、クタイ・ティンバー・インドネシアにおいて、2024年末より配水方式の変更や流量計設置による漏水の早期検知により水の使用量の減少やキャニオン・クリーク・キャビネットにおけるスプリンクラーの使用頻度が減ったことなどがあげられます。今後、2027年度目標数値2,990千m3以内を目指し取り組んでいきます。

また、住友林業では、サプライチェーンにおける水使用量を把握するために、2015年度に住宅施工現場で協力会社が使用する水使用量のサンプリング調査を実施し、施工時の水使用量は床面積1m2当たり約0.0887m3であることを把握しています。

水使用量(取水量)の推移

水使用量(取水量)の推移

部門別取水量推移

オフィス部門ほか
(単位:千m3)
国内工場・発電事業部門ほか
(単位:千m3)
海外工場
(単位:千m3)
合計
(単位:千m3)
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2025
年度
2025
年度
上水 80 102 116 104 1,341 1,337 1,354 1,371 364 350 358 394 1,869
地下水 54 52 54 56 8 13 10 8 305 318 299 222 286
工業用水 124 113 126 129 416 418 428 421 246 214 196 190 740
合計 258 266 295 289 1,765 1,768 1,792 1,799 912 882 852 807 2,895

対象は住友林業グループが所有する建物など、水使用量の把握が可能な拠点

製造事業における取り組み

合成樹脂接着剤などを製造している住友林業クレストの伊万里工場では、工業用水を製造設備の冷却に使用したあと、工場排水の希釈に再利用するなどの節水施策に取り組んでいます。加えて、2018年度からは、廃水(凝縮沈殿処理済み水)をさらに生物処理することで、工場排水の水質管理に必要な希釈水を抑制するなど、新たな節水施策を開始しました。これらの節水施策により、2025年度の工業用水使用量は54,750㎥となり、2018年度比で63%削減できました。

生物処理設備(曝気ブロワー)

生物処理設備(曝気ブロワー)

生物処理設備(曝気槽)

生物処理設備(曝気槽)

排水のCOD測定

排水のCOD測定

住友林業クレスト伊万里工場の節水施策

  • 廃水(凝縮沈殿処理済み水)をさらに生物処理※1することで、水質管理に必要な希釈水を抑制(削減効果は約350m3/日)する。
  • COD※2自動測定装置による水質管理を実施し、必要最低限の希釈水で排水処理を行う。
  • 製造設備の冷却に使用したあとの水を工場排水の希釈に利用する。
  • 雨水回収用ポンプの増強などで雨水の利用率を向上させる。

※1好気性微生物に空気(酸素)を供給し、有機物を吸収・分解させることで、COD値を下げる

※2化学的酸素要求量のこと。水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量を示したもので、代表的な水質の指標の一つ

また、水資源消費量がもっとも多いインドネシアのKTIでは、2025年に現状把握のために流量計を設置したことで、原木土場に埋設されていた配管の水漏れを発見、修繕を行ったほか、消費量の把握が節水に対する意識づけにつながっています。

住宅事業における取り組み

住友林業では、新築戸建注文住宅において水資源の有効利用が可能な商品を取り扱っています。具体的には、節水型のトイレやシャワー、水栓などを標準搭載メニューとしてお客様にご提案しているほか、2016年からは一部の商品で雨水タンクの設置も導入しています。これらの取り組みにより、顧客の節水意識向上を図るとともに、それに応える商品ラインナップの拡充に努めています。
さらに日本では、住宅の各戸に水道メーターが設置されていますが、住友林業ではお住まいのお客様が、リモコン画面などを通じてお湯の使用量を把握することができる機能を有する給湯器を取り扱っています。
これら給湯器の搭載率※1は、2024年度の50.0%に対し、2025年度は26.9ポイント上昇し76.9%となりました。
「中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年~2027年)」では、新築住宅における節水トイレ※2の導入率100%維持を掲げ、取り組みを進めています。

※1竣工棟数をベースに算出。対象は戸建注文住宅

※2JIS区分Ⅱ形(洗浄水量6.5L)以下

水ストレス地域からの取水量

2025年度
水ストレスのある地域からの取水量 471,669m3

TNFD・LEAP分析のLocateフェーズでSensitive拠点とされた拠点の取水量データ(インドネシア:クタイ・ティンバー・インドネシア、アスト・インドネシア、ベトナム:ヴィナ・エコ・ボード)

関連イニシアティブへの参画

2017年度より、住友林業グループは、「CDP水セキュリティ」の質問書に回答し、より詳しい水関連リスクへの取組内容等を開示しています。

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