ガバナンス

コンプライアンス

基本的な考え方

住友林業グループでは、経営理念と行動指針を踏まえた上で、方針や規程の具体的な礎として「住友林業グループ倫理規範」を策定しました。これにより、住友林業グループは、グループ会社だけでなく住友林業のサプライヤーに対してもコンプライアンス、贈収賄などの腐敗防止、公正な取引、情報の機密性、健全な政治との関係性、人権の尊重などを求めていきます。

コンプライアンスの推進

住友林業グループでは、グループ横断的なコンプライアンスリスクに対応するため、「リスク管理委員会」の下部組織として、総務部長が委員長を務め、グループ会社の主管部門も含むリスク管理担当者で構成される「コンプライアンス小委員会」を設置しています。委員会では、建設業法をはじめ住友林業グループにとって重要な法令遵守のための管理体制やツールなどのグループ標準を定め、コンプライアンスリスクに効率的に対応しています。

2021年度は同委員会を2回開催し、次のような点検・周知活動を通じてコンプライアンス体制の継続的改善に取り組みました。こうした取り組みにより、グループ全体のコンプライアンス担当者のボトムアップ、目線合わせを図り、併せて危機意識を共有する機会としています。

  • 建設業法、建築士法、宅建業法の順守状況に関する一斉点検
  • 安全運転管理体制に関する一斉点検
  • 下請法遵守状況に関する一斉点検
  • 筑波研究所及びグループ各社特有の行政手続きや法令要求事項への対応状況の一斉点検
  • 不正競争防止法・独占禁止法に関する解説と情報共有
  • 改正予定の法令に関する解説と情報共有
    (公益通報者保護法、個人情報保護法、道路交通法など)

これらの活動は、四半期に一度、取締役会に報告・答申し、業務執行に反映させるしくみを整備しています。また、監査役や内部監査部門にも、毎月活動報告をしている他、特に重要なグループ共通の取り組みやリスク情報については、グループ監査役会を通じて各社監査役と共有しており、業務執行ラインの内外からのアプローチによるコンプライアンス推進体制を整備しています。

さらに、サプライヤーと協力して、「住友林業グループ調達方針」に基づき木材の合法性確認や人権、労働慣行及び生物多様性保全や地域社会への配慮を含む持続可能な木材調達活動を行うことを通してサプライチェーンにおけるコンプライアンスリスクに対応しています。木材建材事業本部、住宅・建築事業本部、各関連の木材及び木材製品調達部門の調達責任者を委員とする「木材調達委員会」(委員長:サステナビリティ推進担当取締役)は、2021年度は4回開催しています。サプライヤーのコンプライアンス意識の状況把握を含む「サステナビリティ調達調査」の回答結果や現地ヒアリング結果も同委員会で報告され、課題のあるサプライヤーに対しては是正要請等を実施しています。

コンプライアンス教育

住友林業グループでは、社員一人ひとりのコンプライアンス意識を高めるために、入社時に「守るべき」こととして、コンプライアンス全般や交通安全、情報セキュリティへの理解を図る研修を行っています。2021年度は新卒採用者258名、中途採用者(住友林業)82名に研修を実施しました。さらに、「新任主管者研修」など階層別の集合研修でもコンプライアンス教育を実施しています。

また、e-ラーニングに「リスク管理とコンプライアンス」、「情報セキュリティ」、ハラスメントなどに関する内容を含む「仕事と人権」といった講座を必修講座に定め、イントラネットを通じ派遣社員・アルバイトを含むグループ社員全員が毎年受講することを義務付けています。受講効果を測るテスト合格が修了の条件となっています。

コンプライアンス・カウンター

住友林業グループでは、日常の業務に潜んでいる不正の芽を早期に摘みとるための自浄機能を備えた職場環境づくりに取り組んでおり、「住友林業グループ倫理規範」で定められている贈収賄等汚職を含むコンプライアンス違反を報告する機能として2002年からコンプライアンス・カウンター(相談窓口)を設置しています。

窓口は、社内(総務部長)・社外(顧問弁護士)の2つを設け、電話や専用のメールアドレスにて相談・通報を受け付けています。相談・通報者の権利保護を関連規程や利用マニュアルに明記し社内WEBサイトにて公開するとともに、通報窓口連絡先(社内・社外)を記載したカードを、グループ会社を含む全社員や、協力工事店の社員など継続的に労務を提供する立場にある方々へ配布するなど、窓口を利用しやすい環境づくりに努めています。

2021年度は、不正行為が疑われる事案やハラスメントなど11件の相談が寄せられました。通報が寄せられた際には慎重に調査を実施し、コンプライアンス違反等の事実が確認された場合は必要な是正措置を講じています。また、当該是正措置の内容(懲戒事例を含む)及び通報内容は、モデルケース化して必要に応じて研修等で用いることで再発防止策につなげています。

住友林業グループがグローバルに事業展開している現状に鑑み、海外におけるコンプライアンス強化のため、総務部主導にて2019年10月から海外の主要グループ会社に対して共通の内部通報窓口を設置しました。なお、受付窓口には多言語対応が可能な外部業者を利用しており、英語・中国語・インドネシア語・ベトナム語・タイ語での通報が可能となっています。

コンプライアンス・カウンターの仕組み

コンプライアンス・カウンターの仕組み
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コンプライアンスに関する監査

住友林業グループでは、内部監査において各事業所のコンプライアンスに係る事項を監査し、問題がある場合は是正または改善を指導してフォローアップを行っています。

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贈収賄の防止

住友林業グループでは、国内外を問わず法令違反となる贈収賄行為を未然に防止することを目的に、贈収賄防止規程の制定を進めています。同規程においては、ファシリテーション・ペイメント(通常の行政サービスの円滑化のための少額支払)への注意や政治献金などの寄付についての条件・事前決裁を基本原則としたうえで、公務員等に対する金品その他の利益の供与の申し出、約束、実施、またはそれらの承認をしない旨を定めています。また、海外連結子会社においては、贈収賄防止に資するよう、「コミッション(販売手数料)チェックリスト」などの共通ツールの導入を進めています。2020年3月以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、海外グループ会社への訪問が困難となる等の状況も生じましたが、オンラインで贈収賄防止の取り組み状況に関するヒアリングや研修を実施し、引き続きリスクの把握とグループ社員への教育に取り組んでいます。

上記の他、委託業者や代理店等の新規起用、契約更新に際しては、当該委託先等が贈収賄行為をするおそれのないことを適切に確認するとともに、他社との合弁にあたっては、汚職状況を含むデュー・ディリジェンスを適切に実施しています。

なお、2021年度は、贈収賄に関する違反は0件でした。

公正な競争及び適正な下請取引の推進

住友林業グループは、公正な競争を推進するため、「独占禁止法ガイドブック」を発行し、社内WEBサイト掲載やe-ラーニングなどを通じて、独占禁止法の趣旨・概要、競合他社との接触によるカルテルリスク、心構えなどを周知しています。なお、2021年度において独占禁止法に係る違反や問題発生はありませんでした。

また、住友林業グループの事業は、多くの取引先によって支えられていることを踏まえ、毎年、下請取引の適正化推進のため、下請法や建設業法における遵守状況の一斉点検を行っています。

政治献金に関する考え方

住友林業グループでは、健全な政治との関係を維持するため、住友林業グループ倫理規範において、「法令に基づき、健全で透明性のある政治との関係を維持します」と定めています。また、国内外グループ会社の社員一人ひとりに配布している「住友林業グループ倫理規範ガイドブック」において、政治献金については、「原則、担当部門のみが関係法令や社内規則に則って行う」こと、「やむを得ず行う場合は、十分な事前協議を担当部門と行う」ことを明記しています。

インサイダー取引の防止

住友林業グループでは、インサイダー取引を未然に防止するために、金融商品取引法その他関連法規を遵守しています。また、インサイダー取引防止規程により、役職員によるインサイダー取引の未然防止手続き、情報の管理・開示方法の明確化等を図り、証券市場における住友林業の社会的信用の維持・向上を図っています。さらに、日常的にインサイダー情報に触れる可能性のある役職員が住友林業の株式の売買等を行う場合、住友林業総務部長への事前確認を必須とする制度を設け、適切に運用しています。加えて、原則として年2回、インサイダー取引防止に関する注意喚起を役職員向けに通知している他、「インサイダー取引防止マニュアル」を発行し、社内WEBサイトを通じて周知徹底を図っています。

なお、2021年度のインサイダー取引に関わる違反や問題発生はありませんでした。

反社会的勢力の排除

住友林業グループは、反社会的勢力に対しては、妥協を許さず、毅然とした態度で対応することをグループの基本方針として倫理規範に定めています。総務部を対応統括部署として、警察、弁護士などの外部専門機関と連携して組織的に対応することとし、反社会的勢力に関する情報を収集し、必要に応じて注意喚起の指導を行っています。また、各都道府県の暴力団排除条例施行に伴い、住友林業グループ各社が第三者と締結する契約書に、反社会的勢力排除に関する条項を盛り込むことを定型化するなど、適切な対応を行っています。

また、すでに契約書を締結している取引先も含め、全ての取引先との間で、当該取引先だけでなく、その親会社・子会社・下請先などについても反社会的勢力でないことの表明保証の取りつけを行っています。

交通事故・違反の防止

住友林業グループでは、国内で業務に使用する車両が約5,000台に及ぶことから、交通事故・違反のリスクに対応するため、安全運転管理体制のグループ標準化を推進しています。

具体的には、関連規程の整備、事故報告書式の統一、運転記録証明書※の取得などに加え、運転者及び車両に関する基本情報(免許・違反歴・車検・保険など)を一元管理する「安全運転管理システム」を主要なグループ会社にも展開し、法定業務の履行や運転者の指導を適時適切に行うための体制を整備しています。

また、住友林業グループでは、毎月の交通事故発生状況の分析結果を各組織に共有し、事故発生防止対策の立案、啓発活動につなげています。

さらに、運転技術や経験の不足などにより事故リスクの高い新入社員に対しては、自身の性格と運転行動について理解する運転適性診断や、日常点検・基本走行・スラローム走行といった実車学習など、安全運転への意識をより高める研修を実施しています。

※ 自動車安全運転センターが発行する違反や行政処分などの運転経歴に関する証明書