住友林業グループ中期経営計画
サステナビリティ編2024

重要課題1 
森林経営による
「森」と「木」の価値向上

重要課題1

重要課題1 
森林経営による「森」と「木」の価値向上

「森」を育てることで、「木」をはじめとする森林資源の価値を高め、引き出す

関連するSDGs

基本的な考え方

気候変動や資源の枯渇、生物多様性の損失など、地球環境問題が深刻化する中、それらを解決するため木材や自然資源、生物資源を生み出す森林への期待が高まっています。また森林は、CO2の吸収・固定や、生物多様性保全、木質建材や燃料材などを生産する機能だけでなく、水源涵養、土壌保全、土砂災害防止など、様々な公益的機能を有しています。森林を適切に管理することにより、地球温暖化の防止、生物多様性の保全の他、人々の生活に必要不可欠な資源を供給するというメリットを得ることができますが、過度な伐採や、再植林を怠るなど、適切な管理を行わないと、森林の持続可能性を脅かし、地球環境や人々の生活に悪影響を及ぼす恐れがでてきます。

住友林業グループは、木を軸に森林事業から木材建材流通・製造事業、住宅事業、建築・不動産事業、再生可能エネルギー事業など、様々な事業を展開してきました。『住友林業グループは、公正、信用を重視し社会を利するという「住友の事業精神」に基づき、人と地球環境に優しい「木」を活かし、人びとの生活に関するあらゆるサービスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。』という経営理念の実現に向けて、事業とESGのさらなる一体化を推進し、持続可能な森林経営や木材の利用を行うことで、森林資源の価値を高めていきたいと考えています。

社会・環境へのインパクト

重要課題1 インパクト(機会) インパクト(リスク)
森林経営による「森」と「木」の価値向上

「森」を育てることで、「木」をはじめとする森林資源の価値を高め、引き出す
  1. CO2固定による温暖化対策への貢献
  2. 希少種の保護等、生物多様性保全への貢献
  3. 森林の持続可能性の高まりによる林業及び地方活性化への貢献
  4. 再造林用の苗木を確保し、伐採から再造林による森林資源の循環利用を促進
  5. 国内のバイオマス発電量(再生可能エネルギー供給)の増加に貢献
  6. 国産材の活用による林業及び地域の活性化への貢献
  7. 持続可能な木材や商品、認証材の普及、認知や付加価値向上
  1. 「森」・「木」を活用する産業への異業種参入による競争激化
  2. 過度な伐採、再植林率の低下などによる森林の持続可能性の低下。土壌侵食、水源汚染、生物多様性の劣化

重要課題1のマネジメント(2023年度)

中期経営計画サステナビリティ編2024において、重要課題1は9つの評価指標に分け、管理部署の年度活動方針や施策に落とし込みマネジメントを行っています。また、重要課題が社会・環境に及ぼすインパクトについても検証を行っています。

持続可能な森林資源の活用

住友林業グループでは、国内における主伐(皆伐)後の再造林のために必要な苗の生産を行っています。2023年度は、計画223万本に対して実績209万本と、計画には届きませんでした。春の雪解け遅れの影響などに伴い、苗木の植栽時期が後ろ倒しになったことなどが主な要因となりますが、少花粉杉など、新規エリアでの顧客ニーズを的確に掴んだ苗木の提案や、造林などを行う子会社への苗木供給を増やしたことで、2022年度からは供給量を伸ばすことができました。
また、燃料用チップ・ペレット等取扱量につきましては、計画2,074千tに対し、実績1,738千tと▲336千t計画には届きませんでした。
チップ製造子会社では、バイオマス発電に必要な燃料用チップの製造・販売を行っております。2023年度は一部のバイオマス発電所の緊急停止の影響に伴い、需要の調整が発生したことで取扱量が減少しました。
2024年度も引き続き、林地未利用材のバイオマス用途への利用を通じた国産材の利活用の促進、苗木の提供、再造林化を積極的に進めることで、持続可能な森林経営に貢献していきます。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2023年度
計画
2023年度
実績
2023年度
評価
2024年度
計画
国内外の森林認証面積(ha) 資源環境事業本部 242,493 231,773 242,493
自社生産苗木の植林面積
国内森林(ha)
892 836 1,012
苗木供給本数
国内森林(万本)
223 209 253
燃料用チップ・ペレット等
取扱量(t)※1
資源環境事業本部
木材建材事業本部
2,073,948 1,737,749 2,482,964
主要構造材における持
続可能木材使用率※2(%)
住宅事業本部 100 100 100
SGEC認証面積の維持(%)※3 資源環境事業本部 100 100 100

※1ジャパンバイオエナジー、オホーツクバイオエナジー、フォレストサービス、住友林業木材建材事業で取り扱っている、FIT燃料材及び、FIT以外の燃料材が対象。フォレストサービスについては、KPIをFIT燃料材のみとするよう変更し、2022年度より、FIT以外の燃料材を除き、原木由来のFIT燃料材を追加して集計

※2森林認証材・認証過程材、植林木材、天然林材でその森林の施業・流通が持続可能であると認められるもの(転換林由来材を除く)、リサイクル材を「持続可能な木材」と定義

※3SGECとは(Sustainable Green Ecosystem Council:緑の循環認証会議)のこと

生物多様性保全

自生種の販売については、主に当社戸建住宅事業向け、公園・オフィスビル・工場などの都市空間における緑化事業向け、造園業者・植木問屋など一般販売先向けに販売しています。
2023年度の自生種販売本数は、計画480千本に対して、実績629千本と計画を大幅に達成しました。e-コマースによる新規販売先の増加の他、主に都心部におけるオフィスビル、公園など緑化工事の受注増など、お客様のニーズを的確に掴んだことが自生種の販売増につながりました。2024年度は、さらに企業緑地の有効活用など、周辺環境や景観とのバランス、地域全般の生態系保全まで視野に入れた、企業価値を高めるコンサルティングを行うなかで自生種の販売増を図っていきます。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2023年度
計画
2023年度
実績
2023年度
評価
2024年度
計画
自生種の販売本数(本) 住宅事業本部 480,000 629,373 500,000
社有林における環境林割合の確保(%) 資源環境事業本部 30以上 30以上 30以上
生物多様性保全に関する評価手法の確立 評価基準
検討
情報収集 評価手法
の確立
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