気候変動への対応

事業活動に伴う
温室効果ガス排出

GHGプロトコルに基づく
温室効果ガス排出量

住友林業グループは、国際的に広く用いられている温室効果ガス算定基準「GHGプロトコル」に準拠したスコープ別の数値を算出しています。
住友林業グループでは、近年の再生可能エネルギー需要増加に鑑み、2011年に木質バイオマス発電事業に参⼊しました。連結子会社である紋別バイオマス発電所は、スムーズな運転とメンテナンス負荷低減のために補助燃料として石炭を利用しているため、営業運転を開始した2016年度から当社グループのスコープ1・2排出量は⼤幅に増加しましたが、石炭使用量の削減に加え、海外製造工場で再生可能エネルギーを導入したことで、2025年度のスコープ1・2排出量は、2024年度比6%減となりました。事業別でみると、国内工場・発電事業が30.6%、海外工場が37.6%を占めています。

スコープ3については、2013年度に算定を開始しました。その分析から特にカテゴリー11「販売した戸建住宅の居住時の排出」の与えるインパクトが大きいことが分かっており、住宅事業ではZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及に努め、居住時のCO2排出量の削減を図っています。さらに、2022年度からは、スコープ3の算定範囲を拡大しました。2021年度における住友林業グループの事業に関してほぼ100%のカバー率で試算したうえで、排出量が小さく、全体に影響を及ぼす可能性が低い項目を除いて、新たな算定範囲としています。この結果、従来の算定範囲のカバー率は、2021年度の試算において約85.9%でしたが、2025年度は約97%になりました。

今後も、SBT(Science Based Targets)の目標達成に向け、一層の温室効果ガスの削減に努めていきます。

GHGプロトコルでは、以下の分類で温室効果ガス排出量を開示することを求める
スコープ1:自社での燃料使用などによる温室効果ガスの直接排出。 例)社有車のガソリン使用に伴う排出量
スコープ2:購入した電力・熱による温室効果ガスの間接排出。 例)オフィスの電力使用に伴う排出量
スコープ3:サプライチェーンの温室効果ガス排出量。 例)販売した製品の使用時の排出量

スコープ1・2排出量の推移

更新前の地球温暖化対策推進法に規定された温室効果ガス排出係数・持分法適用会社(RPI社)を含む、スコープ1・2排出量の推移

スコープ1・2の事業別内訳
(2025年度)

スコープ1・2の事業別内訳(2025年度)

スコープ3のカテゴリー別排出量
(2025年度)

スコープ3のカテゴリー別排出量(2025年度)

スコープ3のカテゴリー別排出量(3ヵ年)※1

(万t-CO2e)

カテゴリー 当社算定対象 2023年度 2024年度 2025年度
1 購入した製品・サービス 自社が購入した製品・サービスの上流の排出 272.7 288.9 291.8
2 資本財 購入した設備等の上流の排出 5.7 6.9 9.4
3 スコープ1・2に含まれない燃料及びエネルギー関連活動 購入した燃料・電力・熱・水の上流の排出 3.0 3.0 2.5
4 輸送、配送(上流) ① 購入した製品・サービスのサプライヤーから自社への物流に伴う排出及び、自社が費用負担している①以外の物流サービスに伴う排出 39.3 44.7 45.8
5 事業から出る廃棄物 廃棄物の処理とその輸送時の排出 0.6 0.6 0.6
6 出張 社員の出張(交通機関での移動・宿泊)に伴う排出 0.3 0.4 0.4
7 雇用者の通勤 社員の通勤に伴う排出 0.7 0.8 0.8
8 リース資産(上流) (上流のリース資産(オフィスビル、重機、車両、設備等)の使用時の排出はスコープ1及び2に計上) - - -
9 輸送、配送(下流) 販売した製品の輸送時の排出 8.0 8.8 8.5
10 販売した製品の加工 販売した原木の合板への加工時及び販売した製材品のプレカット加工時の排出 8.3 8.1 8.3
11 販売した製品の使用 販売した戸建住宅の居住時の排出 669.5 689.8※2 730.3
12 販売した製品の廃棄 販売した戸建住宅の解体・廃棄時の排出 6.5 6.3 7.2
13 リース資産(下流) 賃貸物件の稼働時の排出及び介護施設の一般居室居住時の排出 0.8 0.8 0.7
14 フランチャイズ (対象外) - - -
15 投資 投資先の排出(当社持株比率分) 11.4 14.4 15.7
合計 1,026.9 1,073.5 1,122.0

2024年度より販売した住宅の空調の冷媒の漏洩量を加算

2025年度企業活動に伴う温室効果ガスの排出

2025年度企業活動に伴う温室効果ガスの排出

事業活動に伴うエネルギー使用と再生可能エネルギー導入

住友林業グループにおける2025年度のエネルギー消費量は2,725,378MWhで、前年並みの消費量となりました。また、2025年度の再生可能エネルギーの導入率は81.4%に達しています。発電事業では、事業そのものである発電においてエネルギーを消費しているため、削減の対象外としています。再生可能エネルギーの導入に加え、エネルギー消費量の推移をモニタリングするとともに、エネルギー消費量の割合が大きい製造工場との定期的なミーティングや設備の導入など、今後様々な省エネ活動を行うことでエネルギー消費量の削減に取り組んでいきます。

マテリアルバランスにおけるエネルギー投入量は環境省「環境報告ガイドライン」に基づきTJの単位で算出。いずれも同じエネルギー使用量から算出

エネルギー消費量及び再生可能エネルギーの導入推移

過去4年間のエネルギー消費量及び再生可能エネルギーの導入推移

事業所での温室効果ガス排出量の削減

国内グループ会社全事業所では、2019年度よりガソリン車の標準設定を廃止し、低燃費車の導入を進めています。2025年に導入した社有車342台のうち、322台を低燃費車としました。低燃費車の導入比率は前年度から1.6ポイント減少し、94.2%になりました。

また、電気自動車・PHEV車、及び電気自動車用充電設備促進に向けた取り組みも開始しました。

業務で使用する私有車についても、2013年より低燃費車を選択した社員に対して補助金の増額を実施し、その利用促進を図っています。

直行直帰による移動距離短縮は移動時間の短縮にもつながり、長時間労働の抑制効果があります。社員の意識向上を図り、温室効果ガス排出量の削減を進めていきます。

輸送に伴う温室効果ガス排出量の削減

改正省エネ法では貨物の輸送に関して、荷主※1は「エネルギー消費原単位を中長期的にみて年平均1%以上低減する」ことが求められています。住友林業と住友林業クレスト、住友林業フォレストサービスは国への報告が義務づけられている「特定荷主(年間の貨物輸送量が3,000万トンキロ※2以上)」に該当しています。
住友林業は輸送に伴うエネルギー消費原単位※3を前年度比1%以上削減するように年度単位で目標設定しています。また、住友林業クレスト、住友林業フォレストサービスでも前年度比でエネルギー消費原単位を減らすように目標設定しています。

2024年度のエネルギー消費原単位は前年度比で、住友林業は97.6%、住友林業クレストは93.6%、住友林業フォレストサービスは111.5%となりました。住友林業での減少理由は原木輸送における、取扱い量の減少と同時に、中間土場での積替えをした結果によるものです。今後は、積載効率向上やトラックから鉄道や船舶輸送へのモーダルシフト、建築資材の配送の帰り便を利用した廃棄物輸送など、輸送業者と協力してCO2排出量削減に取り組んでいきます。

一方、住友林業フォレストサービスは、2022年度のウッドショックに伴う原木不足による仕入元から供給先への輸送距離の長距離化に伴い、運送距離が増加したことでエネルギー消費原単位が増加しました。

住友林業クレストは、積載効率に配慮した配送便手配による配送回数の削減、木くずの自家焼却熱利用による産廃排出量の削減、製品梱包方法の見直しによる削減の3つの取り組みを行い、エネルギー消費原単位が減少しました。

※1省エネ法上の「荷主」とは、自らの事業に伴う貨物を継続して輸送業者に輸送させる者のこと

※2貨物輸送量(トンキロ)=貨物重量(トン)×輸送距離(km)

※3住友林業、住友林業フォレストサービスは取扱量、住友林業クレストは売上高による原単位で実績を管理

輸送に伴うエネルギー使用量等(2024年度)

エネルギー使用量(原油換算) CO2排出量 エネルギー消費原単位
住友林業 1,252kL 3,351t-CO2 0.002106kL/m3
(前年度比97.6%)
住友林業クレスト 1,678kL 4,481t-CO2 0.05471kL/百万円
(前年度比93.6%)
住友林業フォレストサービス 2.112kL 5,715t-CO2 0.0008744kL/m3
(前年度比111.5%)

算定期間は、省エネ法で定められている「年度(4月~3月)」/2024年4月~2025年3月を対象

効率的な配送システムの構築

「住友林業の家」では、複数メーカーからの資材を、全国約30ヵ所にある中継センターに集め、混載して配送するシステムにより、輸送過程で排出されるCO2排出量の削減を図っています。

物流事業のホームエコ・ロジスティクスでは、住友林業グループの住宅事業を中心に物流業務を受託していますが、資材メーカーや住宅メーカー、ビルダー、建材流通店に対しても積極的に効率的な物流業務の提案を行い、2025年12月末現在、住友林業グループを除く物流業務の受託先は約115社となっています。また、WEB上で荷主とドライバーや運送会社を直接つなぐ配送マッチングシステムによる物流サポートにも取り組み、配送依頼業務の効率化や緊急時の配送に対応しています。2025年12月末現在、約80社(拠点ベースでは約325件)が本サービスを利用しています。

今後は住宅着工棟数減少による荷量不足が予想されるため、複数の企業による共同配送にも積極的に取り組んでいきます。

樹木輸送のモーダルシフト

住友林業緑化は、日本貨物鉄道株式会社、川崎近海汽船株式会社、日本通運株式会社と連携し、2022年3月に「緑配便®」の本格運用を開始しました。「緑配便®」とは、幹線輸送をトラックから鉄道や船舶へモーダルシフトすることで低炭素化を目指す樹木配送サービスです。2025年度は船舶による輸送は93回(複数の航路、船舶会社を含む)実施、九州南部から首都圏への鉄道による樹木輸送を1回実施しています。今後もモーダルシフトを推進し、CO2排出量低減とともに配送ドライバーの不足がもたらす物流停滞リスク対策としても実施していきます。

船舶による「緑配便®」輸送

船舶による「緑配便®」輸送

樹木の搬入風景

樹木の搬入風景

鉄道による「緑配便®」輸送

鉄道による「緑配便®」輸送

気候変動に関連するリスクとその戦略

住友林業グループは、気候変動や生態系の損失など環境の変化が事業活動に影響を与えるリスクについて認識し、関連する情報を収集、必要に応じてこれらの情報を分析し、事業リスク評価を行っています。

リスクの度合いに応じ、日常業務で発生しうるリスクについては、各部署で具体的な対応策や評価指標を取り決めて進捗を四半期ごとに「リスク管理委員会」に報告し、中長期的に発生しうるリスクについては「ESG推進委員会」で対策の立案を行っています。これらのリスクのうち事業への影響度が大きいものについては、取締役会に報告し、対応策を協議しています。

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エネルギー供給不足や排出量削減義務化に関連するリスク

東京電力管内では、2022年6月、4日連続となる電力需給逼迫注意報が発令されるなど、日本の電力危機が顕在化しています。異常気象などを要因とし、送電が途絶することで、住友林業グループの展示場や工場の操業が停止するリスクがあります。

また、国際的に温室効果ガス排出削減が進められる中、住友林業グループが拠点を置く国で企業に削減義務が課される可能性があります。グループ会社が削減義務を果たせなかった場合は、排出権を購入する必要が生じるなどして、事業コスト増加のリスクがあります。

日本においても、2012年10月の地球温暖化対策のための税の施行によりカーボンプライシングが導入され、さらに、2026年4月より排出量取引制度が開始されました。パリ協定の目標達成に向けて今後、税率上昇や新たな賦課金・排出権取引の導入などが予想され、事業活動やコストに影響が及ぶ可能性があります。

当社グループは、日本で2026年度から開始する予定の排出量取引制度の対象となる「年間CO2排出量が10万トン以上の企業」には当たりませんが、これらの対策として、住友林業グループ内の各社・各部門で温室効果ガス削減目標を設定し、年度ごとに策定する数値目標に従って削減を進めています。また、展示場や工場の屋根に太陽光発電を導入するなど電力使用量の削減も推進しています。さらに温室効果ガス排出量削減を促進し、持続的な成長を継続していくことを目的として、2026年4月に、インターナルカーボンプライシングを導入しました。

企業イメージの低下に関連するリスク

気候変動関連のリスクへの対応を誤った場合は、企業イメージを損ね、売上高など業績に直接的なダメージを受ける可能性があります。

住友林業グループは、「リスク管理委員会」や「ESG推進委員会」を通じて、環境・社会・ガバナンス面のリスクについて、短期から中長期的なものまで包括的に分析・対応しています。また、投資家を含めたステークホルダーとのダイアログを適宜開催し、第三者から住友林業グループへのご意見を伺うなどの活動を行っています。

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サステナビリティレポート
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