気候変動への対応

気候変動の緩和

SBT(Science Based Targets)の策定

気候変動による影響が世界で深刻化する中、企業には地球温暖化対策として、温室効果ガスの排出削減が求められています。住友林業グループは、SBTイニシアティブに対し、2017年6月SBTを策定することを宣言し、グループ全体での新たな温室効果ガス削減目標を策定しました。2018年7月には、SBTとして認定されました。また、2018年10月に温暖化に関する最新の科学的知見を報告するIPCC(気候変動に関する政府間パネル)「1.5℃特別報告書」が公表され、今世紀後半に産業革命以前からの地球の平均気温の上昇を2℃に抑えるのと1.5℃に抑えるのでは、地球環境への影響に大きな差があることが明らかになりました。SBTイニシアティブは、「1.5℃特別報告書」などの流れを受け、2019年4月SBT認定基準を、産業革命以前と比べ世界の平均気温上昇を2℃より十分低い1.5℃のレベルに向けた2種類の温室効果ガス排出量の削減目標に変更しました(2019年10月から適用)。住友林業グループは取り組みを加速させるために、2030年を目標年としたスコープ1・2温室効果ガス削減目標値を従来の21%削減から54.6%削減に引き上げ、2021年9月SBT事務局へ1.5℃目標の申請を行いました。住友林業グループのSBTは、次のとおりです。

日本においては、環境省がSBTを「企業版2℃目標」と和訳し、企業での取り組みを推進

2℃目標(SBT認定済)

  • スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比21%減とする
  • スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

1.5℃目標(SBT申請済)

  • スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比54.6%減とする
  • スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

住友林業グループは、SBTに基づき、徹底した省エネ活動、再生可能エネルギー活用の推進など、温室効果ガス排出削減、気候変動緩和対策に向け積極的に活動しています。

SBT認定目標の進捗状況

2021年度、スコープ1・2排出量は2020年度に新型コロナウイルス感染症拡大の影響により停止していた工場が稼働を開始したこと、ベトナム国内の平均電力排出係数が大幅に増加したことなどにより、2020年度より0.1%増となりました。スコープ3排出量は、海外住宅・不動産事業における販売引渡し戸数の増加、コーナン建設が住友林業グループに加わったことなどによって、2020年度より3%増となりました。

SBT進捗推移:スコープ1・2

SBT認定目標推移:スコープ1・2

SBT進捗推移:スコープ3(カテゴリー1+11)

カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年比16%減とする

SBT認定目標推移:スコープ3(カテゴリー1+11)

※1 2019年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を適用したため、スコープ3のカテゴリー1の算定方法を見直し

※2 2020年度以降の総排出量の集計期間は各年1月~12月、2019年度以前の排出量の集計期間は各年4月から翌年3月

再エネ利用100%を目指し、RE100へ加盟

住友林業グループでは「事業活動における環境負荷低減の推進」を重要課題の一つに位置付け、省エネ活動、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の活用に取り組んでいます。その取り組みの一環として、2020年3月、使用する電力の100%再エネ化を目指した国際的なイニシアティブRE100に加盟し、温室効果ガス削減の取り組みを加速しています。

2040年までに自社グループの事業活動で使用する電力と発電事業における発電燃料を100%再生可能エネルギーにすることを目指す

※ 国際的な環境NGOである「The Climate Group」と「CDP」が連携して運営する国際イニシアティブ。加盟企業数は2022年1月時点、世界290社、そのうち日本企業は50社

RE100目標に対する進捗状況

2021年度、住友林業グループの事業活動で使⽤する電⼒における再生可能エネルギー導入量は、住宅展示場に搭載した太陽光発電パネルやバイオマス発電所の発電電力の自家使用分(隣接する燃料用木質チップ製造工場含む)などで、グループ全体の使用電力量の17.2%です。また、発電事業の燃料使用量に占めるバイオマス由来燃料の割合は88.5%です(発熱量換算)。

2022年2月に発表した中期経営計画サステナビリティ編2024では、2030年までに自社努力で達成可能な部分のRE100達成に向け、2024年度にグループの事業活動での使用電力における再生可能エネルギー導入率35.1%に到達させる目標を掲げています。

※ バイオマス発電事業からの自家消費分及び2035年に国全体でRE100を目指すニュージーランドに所在する事業所は除く(2021年度実績 2.6%)

グループ全体の使用電力における
再生可能エネルギー導入率
(2021年度)

17.2%

再エネ100%の利用に向けたアプローチ

住友林業グループは、事業活動において使用する電力を100%再生可能エネルギーにするために、2019年より開始した「スミリンでんき」の活用や国内外の工場で太陽光発電システム導入などを検討しています。また、将来的には各国の制度を活用した多様な調達方法を検討しながら、再エネ100%を目指します。

国内使用電力に太陽光発電「スミリンでんき」を活用

住友林業は、2019年11月から住友林業及び住友林業グループの住友林業ホームテックの住宅のオーナーを対象に、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)による買取期間が満了する住宅用太陽光発電の余剰電力買取と電力供給の代理販売サービスを行う「スミリンでんき」のサービスを開始しました。

この「スミリンでんき」を住友林業グループの国内電力使用全量に充当できるように取り組んでいます。「スミリンでんき」によりオーナーから購入した太陽光発電余剰電力を当社の事務所や展示場等で活用することで、RE100の取り組みを進めています。2021年12月時点における契約件数は1,539件となり、近畿エリアの34展示場にオーナーから購入した電力の供給を開始しました。今後、オーナーへの普及を加速させ、2022年中にすべてのエリアにおいて再生可能エネルギーの供給を目指します。

製造工場で太陽光発電などの再エネの利用を拡大

住友林業グループでは、製造工場から排出された温室効果ガスがグループ全体の排出量の約30%を占めています。 RE100達成に向けて、製造工場における省エネ活動の徹底、再生可能エネルギーの利用拡大が不可欠です。

住宅の内装部材の製造を行う住友林業クレスト鹿島工場は、2020年9月PPA(Power Purchase Agreement)モデルで太陽光発電を導入しました。また、2021年4月より再エネメニューの電力を調達し、全ての電力を再生可能エネルギーに替え、RE100を達成しています。これに続き、同静岡工場においても、2021年4月より再エネメニュー電力を調達し、RE50を達成する見込みです。2024年までの中期経営計画サステナビリティ編2024にて、静岡工場および伊万里工場において、再エネメニュー電力の調達を拡大しRE100の達成を計画しています。住友林業グループの海外工場においても、太陽光発電の導入を推進し、2024年までに、国内・海外工場を合わせ、約20%の再生可能エネルギーを調達することを計画し、2017年度比約26,000tCO2の温室効果ガスの削減を目指します。

これからも、国内外の住友林業グループ製造工場で太陽光発電パネルの導入・拡大などを検討し、再生可能エネルギー比率を高めていきます。

※ PPAモデルは、太陽光発電パネルの設置場所として、工場棟の屋根を発電事業者に貸し、発電した電力を買い取り自社消費するモデル

鹿島工場外観

鹿島工場外観

海外拠点におけるRE100達成に向けたアプローチ

住友林業グループで最も電力使用量が多い会社はニュージーランドのMDF(中密度繊維板)・単板・LVL(単板積層材)の製造・販売を行うネルソン・パイン・インダストリーズ(NPIL)社です。ニュージーランドは水力発電や地熱発電など再生可能エネルギーが大きな電源構成を占めており、2016年では約8割になっています。2035年に再生可能エネルギー100%にすると政府が公表しており、その時点でRE100達成を見込んでいます。

その他の製造工場があるインドネシアやベトナムでは、東南アジア諸国で再生可能エネルギーの導入の機運が高まってきている他、 自社工場に太陽光発電設備の導入を検討しています。住宅事業を中心に展開する米国、豪州では、低コストで再生可能エネルギーの調達が可能になっていることに加え、十分な量の再エネ電力証書等が発行されているため、順次電力の切り替えなどを行っていく予定です。

再生可能エネルギー事業の推進

住友林業グループでは、建築廃材、林地未利用木材などをチップ化して燃料に利用するバイオマス発電、太陽光発電といった、再生可能エネルギー発電事業を進めています。2021年の発電実績は、合計491,432 MWhです。

2021年度
発電量による
CO2排出抑制効果

52,784t-CO2e

※ 電力会社から電力を購入した場合と比較したCO2排出抑制量。また、主に北海道電力、東北電力のCO2排出係数を用いて計算

再生可能エネルギーによる発電量推移

再生可能エネルギーによる発電量推移

※1 木質バイオマス発電による発電量は住友林業連結子会社のみを対象とし、スムーズな運転とメンテナンスのため補助燃料として用いている石炭による発電量を含む

※2 2020年度以降の集計期間は各年1月から12月、2019年度以前の排出量の集計期間は各年4月から翌年3月

木質バイオマス発電事業

住友林業グループは、主に建築廃材に含まれる木材を原料とするリサイクルチップや、製材に適さない材、森林に放置されてきた間伐材などの林地未利用木材を燃料用木質チップとして利用する木質バイオマス発電事業を展開しています。

木材を燃焼することで放出されるCO2は、木の成長過程で光合成により吸収された大気中のCO2であるため、木のライフサイクルの中では大気中のCO2を増加させません(カーボンニュートラルという考え方)。このため住友林業グループでは、木材の有効活用とCO2の増加抑制、さらには地域の森林環境整備など林業の振興に大きく貢献する事業として木質バイオマス発電事業に取り組んでいます。

住友林業グループは、2011年2月に建築廃材等を主燃料とした都市型の川崎バイオマス発電所(発電規模33MW)を稼働させ、この分野に参入しました。また、2016年12月には国内の林地未利用木材を主燃料とした発電規模50MWの紋別バイオマス発電所、2017年4月には6.2MWの苫小牧バイオマス発電所、2018年4月には12.4MWの八戸バイオマス発電所、2021年6月には75MWの苅田バイオマス発電所の営業運転を開始しました。

2023年11月には75MWの杜の都バイオマスエナジー発電所が稼働すれば、住友林業グループでの発電規模は合計で約251.6MWとなり、約555千世帯分の電力を供給することになります。

今後は、これまでの木質バイオマス発電事業の経験を活かし、地域の特性や条件に適した再生可能エネルギー事業の展開を図ります。

紋別バイオマス発電所

紋別バイオマス発電所

紋別バイオマス発電所

八戸バイオマス発電所

住友林業グループの木質バイオマス発電事業

事業名 事業地 発電規模 営業運転
開始時期
主な特徴
川崎バイオマス発電事業
(住友共同電力株式会社、フルハシEPO株式会社との共同出資)
神奈川県
川崎市
33MW 2011年2月
  • 建築廃材を主燃料とするバイオマス発電設備としては国内最大規模
  • 首都圏近郊の建築廃材や廃パレットなどから生産されるリサイクルチップ、剪定枝などを利用
  • 都市型バイオマス発電所として、排煙脱硫装置、排煙脱硝装置、バグフィルターなどの環境設備を備え、川崎市の厳しい環境基準をクリア
紋別バイオマス発電事業
(住友共同電力株式会社との共同出資)
北海道
紋別市
50MW 2016年12月
  • 主に発電所の半径75km圏内から調達する林地未利用木材などを隣接する工場等でチップ化し、燃料として利用
  • 一部にパームヤシ殻や補助燃料として石炭を利用
苫小牧バイオマス発電事業
(三井物産株式会社、株式会社イワクラ、北海道ガス株式会社との共同出資)
北海道
苫小牧市
6.2MW 2017年4月
  • 燃料は全量北海道の林地未利用木材をチップ化し利用
八戸バイオマス発電事業
(住友大阪セメント株式会社、東日本旅客鉄道株式会社との共同出資)
青森県
八戸市
12.4MW 2018年4月
  • 主に青森県三八・上北・下北地域の林地未利用木材、製材端材、周辺鉄道沿線の鉄道林の間伐材などをチップ化し、燃料として利用
  • 一部にパームヤシ殻も利用
苅田バイオマス発電事業
株式会社レノバ、九電みらいエナジー株式会社、三原グループ株式会社との共同出資
福岡県
京都郡
75MW 2021年6月
  • 燃料は北米産のペレットとインドネシア産のパームヤシ殻を使用する他、九州北部の間伐材や林地未利用木材を利用
杜の都バイオマスエナジー発電事業
株式会社レノバ、ユナイテッド計画株式会社、みずほリース株式会社、RenoDaパートナーズ合同会社による共同出資
宮城県
仙台市
75MW 2023年11月
  • 燃料は北米産を中心としたペレットとインドネシア産、マレーシア産のパームヤシ殻

※ 住友林業の連結子会社

太陽光発電事業

住友林業は、茨城県鹿嶋市に発電規模3.4MWの太陽光発電施設を保有しています。

一部の太陽光パネル架台には、主に国産のスギ材を用いたオリジナル木製架台を採用し、発電施設の環境負荷低減と木材の利用用途拡大に配慮しています。

2021年度の発電実績は、4,440MWhです。

太陽光パネルと環境にも配慮した木製架台

太陽光パネルと環境にも配慮した木製架台

再生可能エネルギー事業の発電所所在地

林地未利用木材の活用推進

林地未利用木材は、森林における立木の伐採または、間伐により発生する未利用の木質バイオマスです。FIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)の導入に伴い、各地で木質バイオマス発電所が稼働しており、木質バイオマスの需要が増加しています。林地未利用木材を活用することで、再生可能エネルギーを推進するとともに、森林の価値を高める効果も期待できます。2021年は、371千トンの林地未利用木材を活用しました。引き続き、林地未利用木材の効率的かつ安定的な集荷システムの構築に努めていきます。

国産材における
林地未利用木材の
利用量
(2021年)

371千トン

林地未利用木材

林地未利用木材

高性能林業機械の導入

林地未利用木材の効率的な搬出

紋別山林事業所では、2015年に小回りの利く北欧製のハーベスタ、フォワーダを導入し、これまで伐採・搬出が困難であった切捨間伐材(林地未利用木材)を紋別バイオマス発電所向けの燃料材として納入する取り組みを開始しました。

また、狭い林内における走行性能が高い林業機械を選定することにより、オペレーターは伐採・搬出作業を全て機械に乗ったまま可能となり、安全性の向上、林業労働災害の撲滅にも役立つ取り組みであると考えています。

※1 従来チェーンソーで行っていた立木の伐倒、枝払い、測尺玉切り※3の各作業を一貫して行う自走式の高性能林業機械

※2 玉切りされた木材を荷台に積んで運搬する自走式の高性能林業機械

※3 原木を一定の長さにカットすること

北欧製ハーベスタ

北欧製ハーベスタ※1

北欧製フォワーダ

北欧製フォワーダ※2

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進

日本における家庭部門のCO2排出量は増加傾向に歯止めはかかったものの、依然高い水準にあります。国は、2021年10月に閣議決定された「地球温暖化対策計画」や「第6次エネルギー基本計画」等において、「2030年度以降新築される住宅・建築物について、ZEHZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保※1を目指し、整合的な誘導基準・住宅トップランナー基準の引上げや、省エネルギー基準の段階的な水準の引上げを遅くとも2030年度までに実施する」や「2050年に住宅・建築物のストック平均でZEHZEB基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指す」政策目標を打ち出しました。

ZEHとは、高い断熱性能、省エネ設備機器、そして太陽光発電システム等の「創エネルギー」設備を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ以下となる住宅です。

「持続可能な開発目標(SDGs)」の目標7「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」や目標13「気候変動に具体的な対策を」だけでなく、目標3「すべての人に健康と福祉を」や目標12「つくる責任 つかう責任」等にも対応しており、ZEH普及は持続可能な社会の実現に貢献するものです。

住友林業は以前より、再生可能な自然資源であり、成長の過程でCO2を吸収・固定する「木」を主要構造材に使用するとともに、風や太陽など自然の恵みを活かす独自の設計手法「涼温房(りょうおんぼう)」を取り入れ、一年を通して快適に暮らせる住まいを提供してきました。こうした「木の特性・自然の恵み」を活かすノウハウと、断熱性能の向上や省エネ設備の導入など「エネルギー消費を減らす」技術、創エネ・蓄エネ機器やHEMS※2など「エネルギーを賢く活かす」技術を融合し、家庭内のエネルギー効率を高めることで、居住時のCO2排出量の削減を図っています。

中期経営計画サステナビリティ編では、新築戸建注文住宅におけるZEH受注比率の目標を掲げており、2021年度67.4%となりました。
新築住宅において、建物や開口部のさらなる断熱性能の強化、太陽光発電システムの搭載を基本仕様とし、ZEHの普及を推進します。

※1 強化外皮基準への適合及び再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量を現行の省エネルギー基準値から20%削減。

※2 Home Energy Management Systemの略。発電量や電気使用量を“見える化”する家庭用エネルギー管理システム

※3 Nearly ZEH、狭小ZEH Oriented、多雪ZEH Orientedを含む

新築戸建注文住宅における
ZEH受注比率実績※3
(2021年度)

67.4%

断熱性に優れた木の家

木の熱伝導率を「1」とすると、コンクリートは約13倍、鉄は約440倍もあります。木は熱を伝えにくい断熱性に優れた素材です。さらに、住友林業では独自の基準による、高い性能の断熱材「グラスウール(高性能品)24K」を使用しています。

素材の熱伝導率比較

素材の熱伝導率比較

住友林業独自基準の断熱材

住友林業独自基準の断熱材

「360゜TRIPLE(トリプル)断熱」の標準採用

住友林業では、戸建注文住宅(耐火仕様を除く)の断熱性能を強化した「360゜TRIPLE断熱」を標準採用しています。高性能な「断熱材」に加え、断熱性の高い「構造材」と「窓」で建物全体を包み360°しっかり断熱し、経済的で快適な暮らしを実現します。

「360゜TRIPLE断熱」は夏涼しく、冬暖かく、省エネルギー性能を高めた住まいです。国が進めるBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の最高ランクである5つ星に標準で対応しています。

住友林業では戸建注文住宅についてBELSを全棟で申請しています。BELSは新築・既存の建築物の省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度で、建物の省エネ性能、資産価値を示す指標となります。BELSの全棟申請は大手ハウスメーカーでは初めての取り組みです。2021年度において、BELS認証率(本体着工時)は99.5%となりました。断熱性能を強化した住友林業の住宅は、BELSの評価書に裏付けされた確かな安心と快適さをお届けします。

※ 国土交通省が定めた「建築物の省エネ性能表示ガイドライン(建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針)」に基づく第三者認証制度の一つ。制度運営主体は一般社団法人 住宅性能評価・表示協会。省エネルギー性能を客観的に評価し、5段階の星マークで表示する。「Building-Housing Energy-efficiency Labeling System」の略称

断熱性の高いガラスで、エネルギーロスを抑制

住まいの中で、一番熱損失が大きいのは窓です。夏は窓から入る熱を遮断し、冬は室内の暖気が窓から逃げないよう断熱することが大切です。住友林業では、もっとも熱のロスが大きい窓には、「アルゴンガス入りLow-E複層ガラス」を採用しています。これは複層ガラスの間に、空気より熱を伝えにくい「アルゴンガス」を封入し、さらに特殊金属膜をガラスにコーティングしたものです。優れた断熱・遮熱性で、夏は窓から入る熱を遮断し、冬は室内の暖気が窓から逃げないようにしています。

Low-Eガラスによる断熱イメージ

Low-Eガラスによる断熱イメージ

関連情報はこちら

W発電

住友林業では、太陽光発電システムとともに、家庭用燃料電池「エネファーム」の設置も推奨しています。このW発電により、毎日の生活に必要な電気を自宅でつくることができます。さらにHEMSで住まいのエネルギー消費量を上手に管理することで、ゼロ・エネルギーの家(ZEH仕様)を実現します。

環境配慮機器の搭載率推移(受注棟数ベース)※1 ※2

2018年度 2019年度 2020年度 2021年度
太陽光発電システム 51% 56% 57% 68.9%
エネファーム 35% 36% 27% 25.5%
エコワン※3 16% 17% 15% 19.4%
環境配慮機器搭載率 72% 75% 70% 78.2%

※1 2020年度の集計期間は2020年4月から2020年12月

※2 2019年度以前の集計期間は各年4月から翌年3月

※3 電気・ガスのハイブリッド給湯・暖房システム

リフォームによる性能向上

住友林業ホームテックでは、省エネリフォームを推進しています。断熱性能の向上と合わせて、省エネ効率の高い設備機器の設置を提案し、暮らしの中で消費するエネルギーを減らし、環境負荷低減を実現するとともに、生涯光熱費を減らす新しい暮らし方を提案しています。

断熱改修を行うことで、ヒートショックによる健康面でのリスクを低減させることもできます。

また「耐震改修」提案も引き続き注力しております。特に新型コロナウイルス感染症の影響により、テレワーク環境の整備をはじめ「我が家時間」を充実させるための快適で安全な住まいづくりのニーズが高まる中、昨今、断続的に発生する地震への対応を踏まえた耐震・構造補強工事を積極的に進めております。

「断熱」「省エネ」「耐震」各性能を向上させることで、「既存住宅の長期優良住宅化」や「長期優良増改築認定基準」適合に積極的に取り組んでいます。

住友林業ホームテックでは、2021年度を目標年度とした中期経営計画サステナビリティ編2021において、「環境配慮型リフォーム受注率向上」を目標に掲げました。

2021年度は、一般物件(住友林業の家のオーナー以外)における耐震工事・構造補強工事・断熱改修工事・スマート商材設置工事の4つの合計受注割合60%を目標とし、実績は58.9%となりました。

蓄電池においては、太陽光発電システムを搭載されている「住友林業の家」のオーナーを対象として、「太陽光+蓄電池(iedenchi-NX)」のレジリエンスリフォームのメリットをお伝えするセミナーやキャンペーンを展開しています。キャンペーンは非対面見積可能、セミナーはオンラインも実施するなど、新型コロナウイルス感染拡大防止策も充実させています。

環境配慮型リフォームは、自然災害時の備えにもなり、今後ますますニーズが高まると考えています。

住宅・建築事業におけるカーボンストック

木は製品となってもCO2を炭素として保持し続けるため、木造住宅を建てることは、都市に森をつくることだと言われています。2021年度の住宅建設や木化事業に使用された木材によるカーボンストック※1は国内で19.3万t-CO2になりました。住友林業グループは、山林や都市のカーボンストックを増やし、脱炭素社会に貢献しています。

※1 新築戸建住宅・賃貸住宅・木化事業で使用した実際の木材使用量を樹種別に分け、各々の比重を基に炭素含有量を算出し、CO2固定量を計算

2021年度の国内の住宅建設や木化事業に使用された木材によるカーボンストック

2021年度の国内の住宅建設や木化事業に使用された木材によるカーボンストック

海外における環境配慮型住宅の販売

豪州のヘンリー社は、省エネ性能基準のエナジー・レイティング※15スターを他社に先駆けて自社標準仕様とするなど、同国住宅業界の省エネ性能向上の取り組みをけん引してきました。住友林業グループに加わった後は環境への取り組みをさらに加速させ、同国における大手ビルダーとして初の一般顧客向けゼロ・エミッション・ハウス※2の開発を実現させるなど、環境負荷低減のための様々な取り組みを行っています。

また、豪州ではコスト等の理由から、日本の住宅では一般的な複層ガラスの普及が進んでおらず、新築住宅でも8割以上は単板ガラスが用いられています。このような中、同社は2018年以降、ビクトリア州の住宅ビルダーとして初めて複層ガラスを標準仕様としており、住宅のエネルギー効率性能を高めています※3

さらに、気密性能向上の取り組みにおいても業界をリードしてきました。2019年に実施した検査では、同社が建築した住宅は豪州の住宅の平均よりも約3倍の高い気密性能を持つという結果が得られました※4。これは、平均的な住宅の冷暖房に必要となるエネルギー量の約25%分を節約することができる水準です。

ヘンリー社は環境性能の向上だけでなく、居住者の健康に配慮した住宅の開発においても先進的な取り組みを行っています。同社は住宅内部の空気質改善のために、建設コストや光熱費を抑えつつ換気を行うシステムを開発。さらに、オーストラリア国立喘息評議会の助言のもと主な建材や仕上げ材の見直しを行い、超低VOC※5の内装塗料を採用。コストの上昇を抑え高い品質を保ちつつ、住む人の健康を守る住宅の提供を実現しています。

※1 豪州における建物内の冷暖房に対するエネルギー負荷を評価する指標で、断熱材や窓、建物の種類や大きさ、向き、立地する気候帯が評価項目。現在は6スターが標準仕様

※2 従来の住宅より70%以上の省エネ効果が期待できる環境配慮型住宅

※3 複層ガラスは単板ガラスと比較して熱還流率が35%程度低く、住宅の断熱性能を向上させる効果がある

※4 ヘンリー社の住宅の平均値が5.9ACHであるのに対し、豪州の住宅の平均は15.4ACH(ACHは内外気圧差が50Paのときの1時間あたりの漏気量を表す指標で、数値が低いほど気密性が高いことを表す)

※5 VOC(揮発性有機化合物)は常温常圧で大気中に揮発する有機化学物質。多くの建築塗料や接着剤にも含まれており、飛散量が多い場合はシックハウス症候群等、人への健康被害をもたらす恐れがある

換気システム開発の様子

換気システム開発の様子

VOC含有率の低い塗料

VOC含有率の低い塗料

CO2見える化に係る研究開発

住友林業は、木造建築や木質材料のもたらす「公益的価値」を明らかにし、その木の価値を高めて脱炭素社会の実現に寄与していくため、原材料の調達から加工、輸送、建築、解体、廃棄に至るCO2排出量(エンボディード・カーボン)、建物運用時のCO2排出量(オペレーショナル・カーボン)、そしてその両者を合わせたライフサイクルCO2(LCCO2の見える化や計算方法、またCO2固定量の評価方法などの研究を推進しています。

CO2の見える化については、建築計画の段階において簡便に評価することができ、構造種別のCO2排出量の比較検討や木材の炭素固定量の評価もできるよう、データの整備・計算手法の確立に向けて研究開発に取り組んでいます。

また、2019年に竣工した「筑波研究所 新研究棟」において、屋上の太陽光パネルによる創エネと再生可能エネルギー燃料である木質ペレットを利用した空調システム、昼光利用・自然換気などの自然エネルギー利用により、運用時のCO2排出量の削減を実現しており、効果検証を引き続き実施することでさらなる削減を目指します。今後、研究所内での様々な取り組みを通じ、さらなるCO2排出量の削減を目指します。