気候変動への対応

気候変動の緩和

ZEH・LCCM住宅の販売とBELS認証の取得

ZEH

日本のCO2排出量の14.9%※1は家庭部門が占めており、その削減に向けて、新築住宅におけるZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)普及の取り組みが国全体で進められています。

住友林業グループの「中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年~2027年)」では、 新築戸建注文住宅におけるZEH受注比率を2027年度に85.0%にする目標を掲げ、構造材として断熱性に優れた木を用いるとともに、風や太陽など自然の恵みを活かす独自の設計手法「涼温房(りょうおんぼう)」を取り入れ、一年を通して快適に暮らせる住まいを提供してきました。こうした「木の特性・自然の恵み」を活かすノウハウと、断熱性能の向上や省エネ設備の導入など「エネルギー消費量を減らす」技術、創エネ・蓄エネ機器やHEMS※2など「エネルギーを賢く活かす」技術を融合し、家庭内のエネルギー効率を高めることで、居住時のCO2排出量を削減する住まいを提供しています。なお、2025年度のZEH受注比率は前年度比2.0ポイント増の81.3%※3となりました。

※1環境省「2023年度の温室効果ガス排出・吸収量(詳細)」より

※2Home Energy Management Systemの略。発電量や電気使用量を“見える化”する家庭用エネルギー管理システム

※3Nearly ZEH、狭小ZEH Oriented、多雪ZEH Orientedを含む

LCCM住宅

2022年4月には、「LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス) 住宅」を発売しました。 LCCM住宅とは、建設時、居住時、解体時の省CO2に取り組み、さらに太陽光発電などを利用した再生可能エネルギーの創出により住宅のライフサイクル全体でCO2収支をマイナスにする住宅です。「住友林業の家」の構造材である木は、成長過程で光合成によりCO2を吸収し、伐採された後も炭素として固定します。加えて、当社独自のビッグフレーム(BF)構法は、間取り変更のリフォームが容易な可変性の高さが特長であり、建物の長寿命化による炭素の長期間固定化につながります。住友林業のLCCM住宅はこうした木の利点を活かし、建設、改修、 解体時のトータルでCO2排出を抑えたうえで、太陽光発電システムなど再生可能エネルギーの活用や、省エネ設備、設計の工夫により、LCCMを実現しています。

このLCCM住宅を普及していくために、2022年からは森を育てる家「環境貢献度プレゼンシート」による提案を開始。設計段階の「炭素固定量」と「再植林相当面積」を別邸に簡易算出できるようにすることで、環境貢献度の見える化を図っています。この取り組みを推奨するために、展示場ごとに「環境貢献度」の掲示を行っています。

住友林業グループは、LCCM 住宅をはじめとした住まいの提供を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していきます。

BELS認証の取得

住友林業では戸建注文住宅についてBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)を全棟で申請しています。BELSは新築・既存の建築物の省エネ性能を第三者評価機関が評価し認定する制度で、建物の省エネ性能、資産価値を示す指標となります。BELSの全棟申請は大手ハウスメーカーでは初めての取り組みです。2025年度において、BELS認証率(本体着工時)は99.3%となりました。断熱性能を強化した住友林業の住宅は、BELSの評価書に裏づけされた確かな安心と快適さを住まい手に提供しています。

国⼟交通省が定めた「建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン」に基づく第三者認証制度の⼀つ。制度運営主体は⼀般社団法⼈住宅性能評価・表⽰協会。省エネルギー性能を客観的に評価し、星マーク等で表⽰する。「Building-Housing Energy-efficiencyLabeling System」の略称

新築戸建注文住宅における
ZEH受注比率実績
(2025年度)

81.3%

「中期経営計画サステナビリティ編Phase1(2022年~2024年)」の評価指標(集計期間:2025年1月~12月)

LCCM住宅モデルハウス「米子(木の家Lab.)展示場」

LCCM住宅モデルハウス「米子(木の家Lab.)展示場」

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス ZEH

住友林業のZEH・LCCM住宅の特長

断熱性に優れた木の家

木の熱伝導率を「1」とすると、コンクリートは約13倍、鉄は約440倍もあります。木は熱を伝えにくい断熱性に優れた素材です。さらに、住友林業では独自の基準による、高い性能の断熱材「グラスウール(高性能品)24K」を使用しています。

素材の熱伝導率比較

素材の熱伝導率比較

住友林業独自基準の断熱材

住友林業独自基準の断熱材

「360゜TRIPLE(トリプル)断熱」の標準採用

住友林業では、戸建注文住宅(耐火仕様を除く)の断熱性能を強化した「360゜TRIPLE断熱」を標準採用しています。高性能な「断熱材」に加え、断熱性の高い「構造材」と「窓」で建物全体を包み360°しっかり断熱し、経済的で快適な暮らしを実現します。

「360゜TRIPLE断熱」は夏涼しく、冬暖かく、省エネルギー性能を高めた住まいです。国が進めるBELSのZEH水準に対応する仕様にしています。

断熱性に優れたガラスを採用

住まいの中で、一番熱損失が大きいのは窓です。夏は窓から入る熱を遮断し、冬は室内の暖気が窓から逃げないよう断熱することが大切です。住友林業では、もっとも熱損失が大きい窓には、「アルゴンガス入りLow-E複層ガラス」を採用しています。これは複層ガラスの間に、空気より熱を伝えにくい「アルゴンガス」を封入し、さらに特殊金属膜をガラスにコーティングしたものです。優れた断熱・遮熱性で、夏は窓から入る熱を遮断し、冬は室内の暖気が窓から逃げないようにしています。

Low-Eガラスによる断熱イメージ

Low-Eガラスによる断熱イメージ

関連情報はこちら

環境配慮機器の搭載率推移(受注棟数ベース)

2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
太陽光発電システム 78.1% 78.9% 77.7% 78.4%
エネファーム 20.5%
ハイブリット給湯器 24.4%
エネファーム・ハイブリット給湯器 44.9% 43.0% 57.0%
環境配慮機器搭載率 84.6% 86.3% 84.9% 84.7%

2023年度よりそれぞれ合算した搭載率を記載

賃貸集合住宅のZEH化と木造マンションの販売開始

住友林業は、賃貸集合住宅「Forest Maison(フォレスト メゾン)」全棟でZEH-M(ゼッチマンション)※1化を推進し、快適な室内環境と大幅な省エネ性能を実現しています。国が進めるBELSのZEH水準に対する仕様を標準とし、省エネ性を高めたZEH-Mを全棟で取得します。また、太陽光発電の搭載も推進し、生活時に排出するCO2を削減します。

賃貸集合住宅「Forest Maison」は、2023年5月より戸建住宅商品と同様の360°トリプル断熱を採用しました。住まいの断熱性能を大幅に高め、高効率な設備機器を導入して快適な室内環境を保ち、共用部を含む建物全体の一次エネルギー消費量の20%以上を削減※2する、ZEH-M Orientedの基準以上の性能を実現しています。さらに、2023年11月には、住戸ごとのゼロエネルギー化を推進する賃貸用木造マンション「Forest Maison GRANDE」を発売。木造マンションはRC造や鉄骨造マンションと比べて部材製造時や建設時のCO2排出量(エンボディドカーボン)が少なく、木の炭素固定の効果もあるため環境への負荷が低いことが特徴です。

※1Net Zero Energy House Mansion(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス・マンション)の略。住まいの断熱性・省エネ性能を上げ、太陽光発電などでエネルギーをつくり、年間の一次消費エネルギー量(空調・給湯・照明・換気)の収支をプラスマイナス「ゼロ」にする集合住宅。国が定める集合住宅のZEH基準で、一次エネルギー消費量の削減率に応じて、「ZEH-M」、「NearlyZEH-M」、「ZEH-M Ready」、「ZEH-M Oriented」の4区分に分類される

※22016年省エネ基準による「暖房」「冷房」「換気」「照明」「給湯」の基準一次エネルギー消費量との比較

「Forest Maison GRANDE」外観イメージ

「Forest Maison GRANDE」外観イメージ

事業用建築ブランド「The Forest Barque(ザ・フォレスト バーク)」発売

住友林業の木造事業用建築ブランド「The Forest Barque(ザ・フォレストバーク)」は「住友林業の家」として年間8,000棟規模を供給するサプライチェーンを活かし、設計のシステム化にも対応した当社独自のビッグフレーム構法を採用。耐震性に優れ自由度の高い設計が可能で事務所や診療所、店舗、福祉施設など、様々な事業用建築に対応しています。構造躯体を現し(木材がみえるように仕上げること)にするなど木質感溢れた質の高い空間を提案。高断熱仕様でZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)に対応し、建物使用時のCO2排出量(オペレーショナルカーボン)の削減や事業運営に係る光熱費削減に貢献します。

快適な室内環境を保ちながら、省エネと創エネで「建物で消費する年間の一次エネルギーの消費量を正味(ネット)でゼロにする建物」

「The Forest Barque」外観イメージ

「The Forest Barque」外観イメージ

まちづくりにおける環境配慮

住友林業のまちづくり事業では、良質な戸建分譲住宅を年間約350棟規模で提供しています。「持続可能で豊かな社会の実現」を目指し、長期優良住宅認定制度や低炭素建築物認定制度など、省エネルギー性能に優れた住宅を普及させるまちづくりを行っています。

リフォームによる性能向上

住友林業ホームテックでは、1999年以前の省エネ基準、及び2000年以前の耐震基準で建てられた住宅に対して省エネリフォームと耐震・制震リフォーム(性能向上リフォーム)を推進しています。省エネリフォームについては、2023年12月に既存住宅の省エネ性能向上のためにAIを活用した「断熱改修工事提案システム」の開発について公表し2025年12月に特許を取得しました(特許第7794788号:改修工事提案装置、改修工事提案方法及び改修工事提案プログラム)。断熱改修工事を推進し、より少ない一次エネルギーで快適な状態をより長く維持できるなど住環境を改善し住まい手のQOL※1の向上、ウェルビーイングの実現を目指します。

「住友林業の家」のオーナー向けに屋根リフォームにおいてカバー工法をおすすめしています。真夏の直射日光を拡散反射させ屋根表面の温度を室内に伝えにくくする屋根材を採用しており、下階の室温上昇を抑制することで、省エネに寄与します。

また昨今、継続的に発生する地震への不安から安心・安全な住まいづくりのニーズが高まっています。オリジナル制震ダンパーを用いた「耐震・制震ダブル工法」※2を中心に耐震・制震リフォームを積極的に進め安心・安全な住まいを提供します。

さらに、解体をあまり伴わず既存をできるだけ活かしたリフォーム提案を推進し、廃材の削減と住宅の長寿命化による炭素固定の長期化に取り組みます。

省エネ・耐震・制震を組みあわせた性能向上リフォームの推進により、住まいの快適性と一次エネルギー消費量の削減、建物の長寿命化を図り、脱炭素社会の実現に貢献します。

※1Quality Of Lifeの略。生活の質、生きがいや満足度

※2高層ビルにも採用されている油圧ダンパー式の制震装置を、在来軸組構法の2階建て住宅用として開発した「制震ダンパーS型」を用いた工法。制振ダンパーは、地震の揺れを吸収・低減して建物の変形を防ぎ、繰り返し起こる余震の振動に対しても性能を発揮

環境配慮型リフォーム

近年では、異常気象や巨大地震等が問題になっています。耐震性能や断熱性能向上リフォームを推進することで、建物の長寿命化による炭素の長期間固定化につながります。
住友林業ホームテックでは、2024年度を目標年度とした「中期経営計画サステナビリティ編Phase1(2022年~2024年)」において、「環境配慮型リフォーム受注率向上」を目標に掲げました。

リフォーム提案の「商品」化に取り組んでおり、リフォームプランには「空間提案」「性能提案」「安心サポート」の3つのサービスを盛り込んでいます。2025年度は、一般の住宅(「住友林業の家」のオーナー以外)における耐震工事・構造補強工事・断熱改修工事・スマート商材※3設置工事の4つの工事提案の受注額は総受注額の77.6%となり、2024年度の79.1%から1.5ポイント減少しました。この比率の減少は、各住戸では耐震工事が不要であるマンションリフォームの受注が好調に推移したことによるものです。

一方、「住友林業の家」における耐震工事・外装工事・断熱改修工事・スマート商材設置工事の4つの合計受注額は総受注額の68.8%となり、2024年度の64.1%から4.7ポイント上昇しました。

2027年度を目標年度とし「中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年~2027年)」においても環境配慮型リフォーム受注率向上を目標に掲げており、環境に配慮したリフォーム提案を進めていきます 。

※3太陽光発電システムや蓄電池、エネファームなど

海外における環境配慮型住宅の開発

アメリカ

アメリカでは、環境負荷の低減に向けて、高い省エネ性能や断熱性、気密性を備えた住宅の提供を推進しています。

また、断熱性の高い窓や高効率な空調設備、気密性を高める施工など、地域の特性やニーズに配慮した設備・工法の工夫を通じて、各ビルダーが住宅のライフサイクル全体でのCO₂排出削減にも取り組んでいます。

一部のビルダーでは、ENERGY STAR認証※1を含むエネルギー効率に優れた設計基準にも対応し、快適性と環境性能の両立を実現しています。

ワシントン州で事業展開するメインビューでは、2024年に引き渡した住宅のほぼ全戸(95%)が同認証を取得しました。また、ケント市に位置するアルダーグローブ分譲地において、同社では初となる太陽光パネルも搭載した、オール電化住宅の販売を2025年より開始しています。

※1ENERGY STAR認証は、米国環境保護庁(EPA)が推進する省エネ性能評価プログラムで、断熱性、冷暖房、気密性、給湯、照明・家電などに関して、気候帯ごとの基準が設けられている。

メインビューの住宅 メインビューの住宅

メインビューの住宅

オーストラリア

オーストラリアでは、環境指標の開示義務化などサステナビリティに関する制度整備が進む中、ビルダー各社で住宅の脱炭素化とエネルギー効率の向上に向けた取り組みを推進しています。

オーストラリアの東南部の主要州で事業展開するヘンリーは、同国における大手ビルダーとして初の一般顧客向けゼロ・エミッション・ハウス※1の開発を実現させるなど、環境負荷低減のための様々な取り組みを行ってきました。また、ヘンリーが販売を推進している太陽光パネルを搭載したオール電化住宅では、光熱費を最大75%節約でき、居住時のCO2排出量が最大100%削減可能となります。2025年には高価格帯商品「Reserve」を対象として、期間限定で蓄電池を贈呈するキャンペーンを実施し、太陽光パネルを搭載したオール電化住宅のさらなる販売促進に取り組みました。

ヘンリーは他社に先駆けて省エネ性能基準であるエナジー・レイティング※2の7スターに対応した注文住宅商品「MainVue」の販売を2023年に開始し、現在は分譲住宅にも同商品の設計手法やデザインを導入。「MainVue」は断熱性の性能の向上や間取りの変更によるエネルギー効率の向上により、7スターを実現しています。ヘンリーは、今後も、同国住宅業界の省エネ性能向上の取り組みをけん引していきます。

※1従来の住宅より70%以上の省エネ効果が期待できる環境配慮型住宅

※2豪州における建物内の冷暖房に対するエネルギー負荷を評価する指標で、断熱材や窓、建物の種類や大きさ、向き、立地する気候帯が評価項目

アジア

住友林業は、インドネシアをはじめとしたアジア各国で「脱炭素設計のスタンダード化」に取り組んでいます。戸建住宅事業では環境に配慮した住宅の開発を進め、建築の環境性能を評価する「EDGE認証※1」の取得に取り組んでいます。

インドネシア

インドネシアの戸建分譲住宅事業においては、住友林業が国内外で培った設計・施工技術を活かし、災害等にも強い快適で安全性の高い住まいを提供します。また、一部プロジェクトでは太陽光パネルを標準搭載するなど、環境に配慮した開発を進めています。

2021年に開始した同国スラウェシ島マカッサル市における戸建分譲住宅事業では、EDGE認証を取得しています。

また2023年、同国ボゴール市、デポック市において太陽光パネル標準搭載の戸建分譲住宅事業を開始しました。さらに製造過程で大量のCO2を排出するレンガの代わりに環境負荷の少ないオートクレーブ気泡コンクリートブロック※2を採用し、エンボディドカーボンも抑制します。ボゴール市の戸建分譲住宅事業では、日本の住宅事業での知見を活かした「涼温房※3」の設計手法に基づき、深い庇・軒による日射遮蔽、自然通風や植栽を活用した室内や敷地内の温度調整などによる快適な住環境の創出に加え、太陽光パネルによる創エネにより、居住時のCO2排出量(オペレーショナルカーボン)を抑制します。これらの取り組みにより、デポック市及びボゴール市での両事業においてEDGE Advanced認証を取得しました。

2025年には、インドネシア・ボゴール県で、約4,100戸の戸建住宅及び商業施設を含む複合都市開発事業に参画しました。本プロジェクトでも環境に配慮した開発を進め、EDGE認証の取得を目指します。さらに、エンボディードカーボン抑制を見込み、開発地内の一部施設を木造で建設する計画を進めております。今後も同国をはじめアジア各国で「脱炭素設計のスタンダード化」を加速します。

※1IFC(国際金融公社)が開発した主に新興国で運用される建築環境認証。建てるときに使用するエネルギー量、暮らすときに使用するエネルギー量・水使用量を現地の一般仕様における建物と比べ、それぞれ20%以上削減する必要がある。同条件でエネルギー量を40%以上削減した場合、EDGE Advanced認証が付与される

※2高温高圧多湿養生を意味するオートクレーブ処理で製造管理された軽量気泡コンクリート

※3風、太陽、緑という自然の恵みを活かして、夏のそよ風や冬の陽だまりのような心地よさを生み出す住友林業の設計手法。敷地ごとに周辺環境を考えながら、風の流れ、日差し、緑の特性を活かした設計で冷暖房機器に頼り切らない快適な住まいを実現

デポック市における開発イメージ

デポック市における開発イメージ

ボゴール県における開発イメージ

ボゴール県における開発イメージ

ベトナム

住友林業は2024年より株式会社熊谷組、NTT都市開発株式会社と現地不動産開発会社Kim Oanh Group(以下KOG)との協業で、ビンズン省において大規模タウンシップ開発プロジェクトに参画しています。
KOGはベトナム南部にて分譲住宅の幅広い開発実績を有し、脱炭素技術や木造にも高い関心を示しています。住友林業が国内外の住宅事業で培った設計力や環境負荷が低い建材の知見、熊谷組の大規模建築・土木のノウハウ、NTT都市開発の国内外での多様な不動産開発経験及びNTTグループとしての情報通信分野でのノウハウを組みあわせ、サステナブルな街づくりを目指し、ベトナムにおけるカーボンニュートラルな社会の実現に貢献します。

ビンズン省における開発イメージ

ビンズン省における開発イメージ

CO2の見える化

研究開発

住友林業は、木造建築や木質材料のもつ価値を明らかにし、さらにその価値を高めて脱炭素社会の実現に寄与していくために、エンボディドカーボン削減効果をはじめとする木造木質化による環境貢献の見える化に取り組んでいます。

また、森林の公益的価値、特にCO2の蓄積・排出に関するライフサイクルを科学的に解明することで、住友林業グループが所有・管理する森林の資産価値向上や脱炭素化の推進、サーキュラーバイオエコノミーの確立を目指しており、樹種別、地位別、施業別の森林の炭素固定量を推定する研究に取り組んでいます。

木造建築物の現存炭素貯蔵量を推定

東京農工大学は、2022年10月、過去およそ50年間に民間企業が建設した木造建築物の炭素貯蔵量の推定方法に関する研究成果をオープンアクセスジャーナル「Scientific Reports」で発表しました。

2011年に開催された第17回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP17)で、炭素量変化を各国の温室効果ガスの吸収量または排出量として計上することが合意された、「伐採木材製品」(Harvested Wood Products、以下HWP)は、森林から伐採された後も炭素貯蔵機能を持つため、その有効活用は気候変動緩和へ重要な施策となります。

HWPを有効活用するためには、まずその炭素貯蔵量を正確に把握する必要があり、本研究ではHWPの用途の中でももっとも多くの炭素を貯蔵する木造建築物を対象とし、建設した建築物におけるHWPの炭素貯蔵量の推定方法を検討しました。

建築物のデータを住友林業が提供し、東京農工大学と共同で推定手法の検証を実施。本研究の成果により、より高い精度で木造建築物の炭素貯蔵量を把握、推測することができるようになりました。
研究対象の建築物は住友林業が1969年から現在までに建築した木造住宅とし、築年数ごとの住宅現存数とそれぞれの年で建設した住宅数を用いて住宅残存率を求め、これにもっとも適合するモデルを作成しました。
このモデルを用いて、住宅事業開始時から2025年度までに建築された木造建築から、解体された分を差し引いた、現存する木造住宅の炭素貯蔵量は802万トンCO2と推計されました。これは、住友林業の国内社有林約4.8万ヘクタールの炭素貯蔵量1,405万トンCO2の半分強の炭素貯蔵量となり、住友林業の木造住宅は長期にわたり都市の森としてCO2を貯蔵する機能を持つと考えられます。

京都議定書第二約束期間においては、HWPの炭素量の変化を評価し計上するルールが認められている(炭素貯蔵効果)。HWPの算定ルールが適用されるのは、国内の森林のうち「森林経営」を行っている育成林から生産された「製材」、「木質パネル」、「紙」

サプライチェーン全体でのCO2排出量の見える化

エンボディドカーボンを見える化

全世界の温室効果ガス排出量に占める建設部門の割合は約37%といわれています。そのうちの約70%がオペレーショナルカーボンで、残り30%がエンボディドカーボンです。オペレーショナルカーボンは、ZEHやZEBの普及により削減が進んでおり、今後はエンボディドカーボンの削減が喫緊の課題です。エンボディドカーボンのCO2算定は、建物の全ライフサイクルを網羅して環境負荷を算定する必要があります。

住友林業は、建物のCO2排出量等を見える化するソフトウェア「One Click LCA」の日本単独代理店として2022年8月に日本版の販売を開始しました。

「One Click LCA」は欧州を中心に170ヵ国で利用され、国際規格ISOや世界のグリーンビルディング認証など、80以上の認証に対応したソフトウェアです。建物に使用する建築資材の調達から、輸送、施工・建設、修繕、廃棄・リサイクルのCO2排出量(エンボディドカーボン)を精緻に算定できます。

EPD取得サポート

建築資材の調達段階にあたる製品のCO2排出量は、建物のCO2排出量にもっとも大きな影響を与えます。製品のCO2排出量を見える化する仕組みとして、環境ラベルEPD(環境製品宣言)があります。EPDは Environmental Product Declarationの略で、原材料調達から廃棄に至るまでの製品の全ライフサイクルの環境影響を算定し、CO2排出量をはじめとする製品の環境負荷を定量的に示したもので、ISO準拠の環境ラベルです。

住友林業は、2023年2月に、木材・建材メーカー向けに環境ラベルEPD取得サポート事業を開始しました。One Click LCAが提供する「EPDジェネレータ」を活用いただくことで、建築に関するあらゆる製品のEPDをスムーズに取得できます。2025年12月末時点で、当社のサポートにより60製品以上のEPDの取得が完了しています。

また、住友林業は、テナント・デベロッパー・建設関連事業者向けに「One Click LCA」による建物のCO2算定サービスを実施しています。建築業界でLCAの需要が高まる中、住友林業のLCA専門家の知見を活かして算定を行い、プロジェクトごとの算定結果をレポートします。2025年12月末時点で、当社によるLCA算定が200棟以上完了しています。

住友林業は、「One Click LCA」、「EPDジェネレータ」の普及促進を通じて、日本の建設業界の脱炭素設計を推進していきます。

出典 global alliance for building and construction(2021)

世界の産業別CO2排出率

世界の産業別CO2排出率

「One Click LCA」での算定事例

「One Click LCA」での算定事例

建物の各ライフステージにおけるCO2排出量を算出できる

建物に使用される各資材のCO2排出量を正確に把握することができる

出典:上記グラフは、平成28年3月林野庁公表の「平成27年度 木材利用推進・省エネ省CO2実証業務報告書」の公表データを元に「One Click LCA」を使って当社が独自に算定した結果

再生可能エネルギー事業の推進

住友林業グループでは、建築廃材、林地未利用木材などをチップ化して燃料に利用する木質バイオマス発電や太陽光発電といった、再生可能エネルギー発電事業を進めています。2025年の発電実績は、合計49,144万kWh(石炭分含む)で、2024年度1.7%減少となりました。

2025年度
発電量による
CO2排出抑制効果

209,614t-CO2e

電力会社から電力を購入した場合と比較したCO2排出抑制量。また、主に北海道電力、東北電力のCO2排出係数を用いて計算。前年度比で増加している理由は、バイオマス排出係数を変更したため

再生可能エネルギーによる発電量推移※1※2

再生可能エネルギーによる発電量推移

※1木質バイオマス発電による発電量は住友林業連結子会社のみを対象とする

※22021年度以降の集計期間は各年1月~12月

木質バイオマス発電事業

住友林業グループは、主に建築廃材に含まれる木材を原料とするリサイクルチップや、製材に適さない材、森林に放置されてきた間伐材などの林地未利用木材を燃料用木質チップとして利用する木質バイオマス発電事業を展開しています。

木材を燃焼することで放出されるCO2は、木の成長過程で光合成により吸収された大気中のCO2であるため、木のライフサイクルの中では大気中のCO2を増加させません(カーボンニュートラルという考え方)。このため住友林業グループでは、木材の有効活用とCO2の増加抑制、さらには地域の森林環境整備など林業の振興に大きく貢献する事業として木質バイオマス発電事業に取り組んでいます。

住友林業グループは、2011年2月に建築廃材等を主燃料とした都市型の川崎バイオマス発電所に34%出資し、この分野に参入しました。その後、国内の林地未利用木材を主燃料とした紋別バイオマス発電所(発電規模50MW)、苫小牧バイオマス発電所、八戸バイオマス発電所、苅田バイオマス発電所、杜の都バイオマス発電所、2025年4月にはBPSいこま発電所(発電規模10MW)が稼働し、住友林業グループが出資参画する木質バイオマス発電所の発電規模は合計で約261.5MWとなり、約578千世帯分の電力を供給することになりました。

今後は、これまでの木質バイオマス発電事業の経験を活かし、地域の特性や条件に適した再生可能エネルギー事業の展開を図ります。

紋別バイオマス発電所

紋別バイオマス発電所

八戸バイオマス発電所

八戸バイオマス発電所

住友林業グループが参画する木質バイオマス発電事業

名称 事業地 発電規模 営業運転
開始時期
主な特徴
川崎バイオマス発電所
(住友共同電力株式会社、フルハシEPO株式会社との共同出資)
神奈川県
川崎市
33MW 2011年2月
  • 建築廃材を主燃料とするバイオマス発電設備としては国内最大規模
  • 首都圏近郊の建築廃材や廃パレットなどから生産されるリサイクルチップ、剪定枝などを利用
  • 都市型バイオマス発電所として、排煙脱硫装置、排煙脱硝装置、バグフィルターなどの環境設備を備え、川崎市の厳しい環境基準をクリア
紋別バイオマス発電所
(住友共同電力株式会社との共同出資)
北海道
紋別市
50MW 2016年12月
  • 主に発電所の半径75km圏内から調達する林地未利用木材などを隣接する工場等でチップ化し、燃料として利用
  • 一部にパームヤシ殻や補助燃料として石炭を利用
苫小牧バイオマス発電所
(三井物産株式会社、株式会社イワクラ、北海道ガス株式会社との共同出資)
北海道
苫小牧市
6.2MW 2017年4月
  • 燃料は全量北海道の林地未利用木材をチップ化し利用
八戸バイオマス発電所
(住友大阪セメント株式会社、東日本旅客鉄道株式会社との共同出資)
青森県
八戸市
12.4MW 2018年4月
  • 主に青森県三八・上北・下北地域の林地未利用木材、製材端材、周辺鉄道沿線の鉄道林の間伐材などをチップ化し、燃料として利用
苅田バイオマス発電所
(株式会社レノバ、九電みらいエナジー株式会社、三原グループ株式会社との共同出資)
福岡県
京都郡
75MW 2021年6月
  • 燃料はペレットとパームヤシ殻を使用するほか、九州北部の間伐材や林地未利用木材を利用
杜の都バイオマス発電所
(株式会社レノバ、ユナイテッド計画株式会社との共同出資)
宮城県
仙台市
75MW 2023年11月
  • 燃料はペレットとパームヤシ殻
BPSいこま発電所
(株式出資:TJグループホールディングス株式会社、匿名組合出資:NTTアノードエナジー株式会社、株式会社長谷工コーポレーション、東京センチュリー株式会社、フォレストエナジー株式会社株式会社モリショウ、大成ロテック株式会社、株式会社生駒)
奈良県
生駒市
10MW 2025年4月
  • 燃料は建築廃材、林地未利用材

住友林業の連結子会社

太陽光発電事業

住友林業は、茨城県鹿嶋市に発電規模3.4MWの太陽光発電施設を保有しています。

一部の太陽光パネル架台には、主に国産のスギ材を用いたオリジナル木製架台を採用し、発電施設の環境負荷低減と木材の利用用途拡大に配慮しています。

2025年度の発電実績は、443万kWhです。

太陽光パネルと環境にも配慮した木製架台

太陽光パネルと環境にも配慮した木製架台

インターナルカーボンプライシングの導入

今世紀後半のカーボンニュートラル達成に向けて世界が脱炭素化の取り組みを進める中、温室効果ガス(以下、GHG)排出量の削減を一層促進しSBT目標(2030年までにScope1+2で42%削減、2050年までに90%削減)を達成すること、および炭素税や排出量取引制度の導入などに起因する将来の事業コスト増大のリスクに備えることを目的として、インターナルカーボンプライシング(以下、ICP)を導入しました。
現在進めている再生可能エネルギーへの切り替え・証書取得によるGHG排出量削減に留まらず、ICPを活用してGHG排出量に紐づくコストを事業部別に顕在化・見える化し、目標と実態のギャップや、潜在的財務インパクトを継続的にフォローできる仕組みとしています。

脱炭素化支援機構に出資

住友林業は、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき2022年10月に設立された株式会社脱炭素化支援機構(JICN)に出資しています。

JICNは国の財政投融資と民間からの出資を資本金としてファンド事業を展開し、脱炭素に資する事業への投融資を通じて民間企業の脱炭素投資を促しています。住友林業グループはJICNの活動趣旨に賛同するとともに、脱炭素関連市場の成長が当社グループの事業機会拡大につながるものと考え、JICNに出資しています。当社グループの将来的な事業機会の創出に向け、JICNが支援する脱炭素分野の先進事例に関する情報・知見の蓄積も図っていきます。

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