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グリーンビルディングへの取り組み
グリーンビルディングへの取り組み
住友林業グループは、脱炭素社会の実現に向けて、ネットゼロカーボンを目指す不動産開発を推進しています。
プロジェクトにあたっては、木材の炭素固定効果などによる環境性能に加え、利便性に優れた立地、従業員の健康や働きやすさにも配慮した設計を推進しています。また、環境認証LEED※1や健康配慮型オフィス認証のWELL※2などグリーンビルディングに関する環境認証の取得を目指しており、社会的・環境的な付加価値の高いオフィスを提供していきます。
※1USGBC(US Green Building Council)が開発及び運用を行っている、建物と敷地利用についての環境性能評価システム
※2WELL Building Standard。人々の健康や快適性に着目した建築物の評価システム。ウェルビーイングに影響を与える機能について、10の コンセプトに基づき書類審査と現地審査を行い、獲得スコアにより4段階で認証する
米国での取り組み事例
テキサス州でのESG配慮型オフィス開発事業
住友林業は、2022年12月、飯野海運株式会社と熊谷組と共に、米テキサス州ダラス近郊で木造7階建てESG配慮型オフィスの開発に参画しました。3社は米大手デベロッパーCrow Holdingsと特別目的会社(SPC)を設立し、マスティンバー建築※1の大規模木造オフィスを建設しています。
CO2排出量を見える化するソフトウェア「One Click LCA※2」による試算では、RC造と比べ建てるときのCO2排出量を約2,600トン削減できるほか、建材等に用いる木材が約3,800トンの炭素を固定します※3。マスティンバーの採用により建設現場での作業を効率化し、RC造に比べ工期短縮も見込めます。
また、この建物は、環境認証LEEDやウェルネス認証Fitwel※4の取得を目指しESGを重視するテナントに環境的・社会的な付加価値の高いオフィスを提供していきます。
※1複数の木材を組み合わせて成形した比較的質量の大きいエンジニアードウッドを利用した建築
※2住友林業が日本単独代理店契約を締結したソフトウェア。建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量(建てるときのCO2排出量)を精緻に算定できる
※3建てるときのCO2排出量はオフィスと駐車場棟を対象に試算。工事図面をもとにフレーム、カーテンウォール、基礎など主要な構造部分を評価。炭素固定量はオフィス棟を対象に試算
※4米国連邦政府調達局(GSA)と疾病管理予防センター(CDC)が主導で開発した建物利用者の健康、労働環境等を評価・認証する仕組み
シアトル近郊での環境配慮型集合住宅開発
住友林業は、2023年7月、芙蓉総合リース株式会社、小田急電鉄株式会社と共に、米国の大手デベロッパーTrammell Crow Residentialと 米ワシントン州シアトル近郊ショアライン市で8階建て賃貸用集合住宅の開発に参画しました。
本物件の地下2階~地上3階は鉄筋コンクリート(RC)造、 4~8階は木造でツーバイフォー工法を採用します。環境に配慮し、環境認証LEEDのプラチナの取得を目指します。木造建築は鉄骨(S)造やRC造に比べ「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」が少なく、木材が炭素を長期間固定し続けるため脱炭素化にも寄与します。
コロラド州デンバー近郊での賃貸用集合住宅開発
住友林業は、2023年9月、中央日本土地建物と共に、大手デベロッパーTrammell Crow Residentialと米コロラド州デンバー近郊で5階建て純木造賃貸用集合住宅の開発に参画しました。
内装にも木材を使用し、木質感のある高品質な住居を提供します。また、一般的に木造建築は鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べ「建てるときのCO2排出量(エンボディドカーボン)」が少ないという特徴があります。さらに木は吸収したCO2を炭素として内部に固定し、木を伐採して加工した木材製品(HWP:Harvested Wood Products)は炭素を長期間固定し続けます。本物件でも多くの木材を活用することで、高品質な住居の提供と脱炭素社会への貢献の両立を図ります。
ワシントンD.C.近郊での大型賃貸用集合住宅開発
住友林業は、2023年11月、東京建物株式会社、中央日本土地建物株式会社、米大手デベロッパーFairfield Residential Holdings LLCと共同で、米ワシントンD.C.近郊における8階建て賃貸用集合住宅の開発に参画しました。
本物件は下層3階が鉄筋コンクリート(RC)造、上層5階が木造のハイブリッド構造とし、経済性と環境配慮を両立。戸建住宅と同様の2×4材や2×6材の規格品を用いた木造枠組壁工法を採用し、建物すべてをRC造にした場合と比べ、コストを抑制しました。多くの木材を使う本物件も炭素を長期間固定し続けるため、脱炭素社会の実現に寄与します。
バージニア州での物流施設開発
住友林業の100%子会社Crescent Communities, LLCは、米バージニア州リッチモンド近郊で物流施設を開発することを決定しました。
本物件は、ソフトウェア「One Click LCA」を用いた建物のライフサイクルアセスメントを通じて、建てるときのCO2排出量などの環境への影響を数値化、評価します。建物の環境認証「LEED」の取得も目指し、環境に配慮した開発を推進します。
英国での取り組み事例
ロンドンでの環境配慮型オフィス開発事業
住友林業は、2022年2月、英国の不動産開発業者Bywater Properties Limitedと合弁会社を設立し、ロンドンで木造6階建て環境配慮型オフィス開発事業に参画しました。
本プロジェクトにおける、建設にかかる原材料調達から加工、輸送、建設、改修、廃棄時のCO2排出量(エンボディドカーボン)の試算は単位床面積あたりで約491㎏CO2e/㎡です。当物件では王立英国建築家協会(RIBA※1)が設定する2030年目標値750㎏CO2e/㎡に対して、5年前倒しの2025年に目標比約35%の削減が見込まれており、英国においても先駆的な取り組みです。また、建物を省エネや創エネ仕様にし、再生可能エネルギー利用も組み合わせることで、建物使用時のCO2排出量(オペレーショナルカーボン)の削減にも取り組んでいます。
本プロジェクトでは、環境認証のBREEAM※2、健康配慮型オフィス認証のWELL、スマートビルディング認証のWIRED SCORE※3なども取得する予定です。
住友林業は脱炭素社会の実現に向けて、今後も先進的な環境対応の知見を深め、海外中大規模木造開発に取り組んでいきます。
※1Royal Institute of British Architects。英国の有力建築家によって構成される団体。建築においてサステナビリティを実現するための設定・設計・評価ガイドラインを策定する等の活動を行う
※2BRE Environmental Assessment Method。英国建築研究所BRE(Building Research Establishment)と、エネルギー・環境コンサルタントのECD(Energy and Environment)によって1990年に開発された、建築物の環境性能評価手法
※3不動産におけるデジタル接続性をランク付けする評価システム。36か国で導入されており、インターネット接続の快適さや安定性、利用環境等の指標を元に評価している
豪州での取り組み事例
メルボルンにて最高層の15階建木造オフィス開発事業に参画
住友林業はNTT都市開発株式会社と共に、グローバルに展開する大手ディベロッパーHines社を通して、ネットゼロカーボンビル※1の実現を目指す取り組みを開始し、豪州メルボルン市近郊コリンウッドで大規模木造オフィスを2023年10月に竣工しました。
本物件は、地上15階、地下2階のRC・木造混構造(7-15階が木造)で、木造オフィスでは豪州メルボルンにおいて最高層※2です。
本プロジェクトでは豪州の環境認証Green Starの最高位6 starに加え、豪州基準のCarbon Neutral Standard for Buildingに基づくネットゼロカーボン認定の取得を目指しています。また、構造躯体で約4,000m3の木材を使用し約3,000トン(CO2ベース)の炭素を固定すると試算しています。この固定量を含めると、建物の建築時(建材の原材料調達・製造・建築・解体などの過程)に排出されるCO2(エンボディドカーボン)は、全構造をRC(鉄筋コンクリート)造とする場合と比較して約4割削減したことと同等の効果があります。
本プロジェクトは炭素固定機能がある木材の有効活用と建物の省エネや創エネ、再エネ利用を組み合わせ、WGBC※3が掲げる、2030年までに全ての新築の建物でオペレーショナルカーボンをゼロにする目標を5年前倒して実現する先進的な開発です。
※1建物を省エネや創エネ仕様にし、再生可能エネルギー利用と炭素クレジットによるオフセットも組み合わせ、建築物の使用時に排出されるCO2(オペレーショナルカーボン)を実質ゼロにするもの
※2豪州政府系団体Wood Solutions調査(2024年3月調査調べ)
※3WGBC: World Green Building Council 国連グローバル・コンパクトのメンバーで、世界各地の約70のグリーンビルディング協議会からなるグローバルアクションネットワーク
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