気候変動への対応

気候変動イニシアティブへの参加・賛同

TCFD・TNFDへの賛同表明

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SBT(Science Based Targets)の策定

気候変動による影響が世界で深刻化する中、企業には温室効果ガスの排出削減が求められています。住友林業グループは、グループ全体での温室効果ガス削減目標(スコープ1・2・3)を策定し、2018年7月にSBTとして認定されました。その後、脱炭素への取り組みを加速させるため、2050年ネットゼロを視野に、2030年を目標年とした温室効果ガス削減目標値(スコープ1・2)を従来の21%削減から1.5℃目標に整合する54.6%削減に引き上げ、2022年から始まる中期経営計画における目標値としました。その際、その取り組みを確実なものとするため、2030年目標達成と2050年カーボンニュートラル社会の実現に向け、2030年までの移行計画を策定しました。
住友林業グループは、SBT達成に向け、徹底した省エネ活動、再生可能エネルギー活用の推進など、温室効果ガス排出削減、気候変動緩和対策に向け積極的に取り組んでいます。また、2024年1月には最新のSBTガイダンスに則り、短期・長期削減目標の再設定、およびFLAG(森林・土地および農業)目標も新たに申請しました。今年度中に認定される見込みです。

日本においては、環境省がSBTを「企業版2℃目標」と和訳し、企業での取り組みを推進

住友林業グループのSBT

2℃目標(SBT認定済)

  • スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比21%減とする
  • スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

1.5℃目標(中期経営計画)

  • スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比54.6%減とする
  • スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

2030年目標達成(スコープ1・2/2030年2017年比▲54.6%)とカーボンニュートラルへの道筋※1(概要版)

項目名 施策(温室効果ガス削減アイテム) 温室効果ガス排出量削減率 損益への影響※2
(百万円/年)
備考
2017年比
▲54.6%
へ向けた
施策
電力の再生可能エネルギー化(RE100) :ニュージーランドを除く ▲26.9% ▲95 損益影響は、全てを再エネ証書で調達した場合(時期や必要数量等により、価格は変動)
優先順位① 太陽光発電設備の導入 PPAモデルを含め、自社施設への設置
優先順位② RE100適合電力の購入 日本国内は、スミリンでんきの調達
優先順位③ 再エネ証書の購入
紋別バイオマス発電石炭混焼率削減(10%~0%) ▲10.2% ~▲25.8% +20~ ▲181
社有車(国内)への電気自動車導入(RE100対応電力による) ▲2.8% 258 損益影響は、電力消費量増加とガソリン・軽油削減の差のみ。車両価格上昇、充電設備の設置費用は除く。
営業持込車両(国内)への電気自動車導入(RE100対応電力による) ▲0.3% 22 日本政府目標「2035年までに新車販売で電動車100%を実現する」のため、2030年の導入割合を30%と仮定。
小  計 ▲40.0% ~▲55.6% +4~+205 紋別バイオマス発電石炭混焼率10%の場合→▲40.0%(追加▲14.6%必要)0%の場合→▲55.6%(目標達成:1.0%超過)
2030年目標
達成に向けた
あるいは
カーボンニュートラルに向けた
追加施策
紋別バイオマス発電石炭混焼率削減(10%~0%):追加削減 ▲15.6% ~▲0%
電力以外のエネルギーの電化(RE100対応電力)など ▲9.2%
製造工場等 設備・重機・船舶・ボイラー・バックアップ電源など ▲4.4%
営業持込車両への電気自動車導入100% ▲1.7%
オフィス・展示場の暖房、研究所の実験など ▲0.9%
社有車(海外)への電気自動車導入 ▲0.8%
介護施設での都市ガスの使用 ▲0.7%
森林事業 重機、モーターボート、発電用燃料など ▲0.5%
バイオマス発電/バイオマス発電起動時 ▲0.2%
バイオマス発電/木質燃料(一酸化二窒素・メタン) ▲31.6% BECCS※3を使った新規クレジット創出、森林等によるオフセット等を検討
製造部/バイオマスボイラー等(一酸化二窒素・メタン) ▲1.2% 同上
ニュージーランド(国)の電力RE100化 ▲2.4% 目標:2035年達成
業績・事業拡大分 事業内容(排出内容)、規模(排出量)等、諸条件不明のため、原則、事業本部単位で増加分は吸収する。
社内排出権取引 事業本部単位のSBTラインの達成状況による排出権取引を必要に応じて、検討。
小  計 ▲60.0% ~▲44.4%
合  計 ▲100%

※1中期経営計画で定めた2030年度の目標値達成に向け、住友林業で策定した移行計画

※2損益への影響は、人件費やその他の間接的経費を除く

※3Bioenergy with Carbon Capture and Storage。バイオマス燃料の使用時に排出されたCO2を回収して地中に貯留する技術

SBT目標の進捗状況

2023年度、スコープ1・2排出量は紋別バイオマス発電の石炭使用量の削減により、2022年度より5.7%減となりました。スコープ3排出量は、建築・不動産事業(豪州)における販売引渡戸数の増加により 2022年度より1.3%増となりました。

SBT進捗推移:スコープ1・2※1※2

SBT認定目標推移:スコープ1・2

SBT進捗推移:スコープ3(カテゴリー1+11)※1※2

カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年比16%減とする

SBT認定目標推移:スコープ3(カテゴリー1+11)

※1 2019年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)を適用したため、スコープ3のカテゴリー1の算定方法を見直し

※2 2020年度以降の総排出量の集計期間は各年1月~12月

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Race to Zeroへの参加

Race to Zeroは、世界中の企業や自治体、投資家、大学などの非政府アクターに、2030年までに排出を半減し、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指すことを約束し、その達成に向けた行動をすぐに起こすことを呼びかける国際キャンペーンです。

住友林業は、英国グラスゴーで開かれた第26回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP26)を前に、2021年9月、Business Ambition for 1.5℃を通じてRace to Zeroへ参加しました。
Business Ambition for 1.5℃に署名することで2050年までのネットゼロを宣言することとなり、Race to Zeroへの参加表明は2021年10~11月に開催されたCOP26の場で公表されました。

再エネ利用100%を目指し、RE100へ加盟

住友林業グループでは「『森』と『木』を活かしたカーボンニュートラルの実現」を重要課題の一つに位置付け、省エネ活動、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の活用に取り組んでいます。その取り組みの一環として、2020年3月、使用する電力の100%再エネ化を目指した国際的なイニシアティブRE100に加盟し、温室効果ガス削減の取り組みを加速しています。

2040年までに自社グループの事業活動で使用する電力と発電事業における発電燃料を100%再生可能エネルギーにすることを目指す

国際的な環境NGOである「The Climate Group」と「CDP」が連携して運営する国際イニシアティブ。

RE100目標に対する進捗状況

2023年度、住友林業グループの事業活動で使⽤する電⼒における再生可能エネルギー導入量は、住宅展示場に搭載した太陽光パネルやバイオマス発電所の発電電力の自家使用分(隣接する燃料用木質チップ製造工場含む)などで、グループ全体の使用電力量の19.6%となり、2022年度2.1ポイント上昇しました。また、発電事業の燃料使用量に占めるバイオマス由来燃料の割合は94.0%です(発熱量換算)。

2022年2月に発表した中期経営計画サステナビリティ編2024では、2030年までに自社努力で達成可能な部分のRE100達成に向け、2024年度にグループの事業活動での使用電力における再生可能エネルギー導入率を35.1%とする目標を掲げています。

2035年に国全体でRE100を目指すニュージーランドに所在する事業所などは除く(2023年度実績 5.4%)

グループ全体の使用電力における
再生可能エネルギー導入率
(2023年度)

19.6%

GXリーグへの参画

日本が2050年カーボンニュートラルを実現し、さらに世界全体のカーボンニュートラルにも貢献しながら、産業競争力を高めていくために、企業などが自社以外のステークホルダーも含めた経済社会システム全体の変革(GX:グリーントランスフォーメーション)を牽引していくことが重要です。

経済産業省は、2022年2月に「GXリーグ基本構想」を公表しました。GXリーグとは、GXへの挑戦を行い、現在及び未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取り組みを行う企業群や官・学と共に協働する場です。排出量取引制度(GX-ETS)においては、参画企業は自ら排出削減目標を設定し、進捗を開示し目標達成に向けて取り組んでいます。
住友林業は、この「GXリーグ」に2023年から参画し、排出削減に向けた取り組みを進めています。

サステナビリティレポート
2024サイトマップ