ガバナンス

事業継続マネジメント

事業継続マネジメント体制

住友林業グループでは、自然災害や新型インフルエンザなど、企業の努力では発生の防止が極めて困難かつ本社機能へ重大な影響を及ぼしかねない事業中断リスクに対応するため、「BCM小委員会」を設置し、事業継続マネジメント体制(BCM体制)の周知や強化及び事業継続計画(BCP)の策定、見直し・改善、計画に基づく訓練などを実施しています。2021年度は、「BCM小委員会」2回開催し、BCPの重要性を整理・理解する機会を設け、グループ全体での連携した対応がBCPの実効性に大きく影響することを説明することで、各組織の自律的かつ積極的な対応推進を促しました。

なお、2020年3月以降の新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大に対して、住友林業グループでは社長を本部長とする対策本部を設置して対応を進めてきましたが、2021年3月31日に全都道府県で緊急事態宣言が解除されたことを踏まえ、同日付で対策本部は解散し、通常のオペレーションの中で新型コロナウイルス感染症対策を継続しています。具体的には、社員が感染拡大防止のための特別措置や勤怠管理に関する不明点などを相談できるワンストップ窓口を設置している他、飛沫防止アクリルパーテーションの設置、不織布マスクや手指消毒液などの衛生用品を備蓄するなどの取り組みを実施しています。その他、2021年夏には、役職員及びその家族、関係工事店従業員等まで対象を広げた、新型コロナウイルス感染症ワクチンの職域接種を東京・名古屋・大阪の三会場で実施しました。

レジリエンス認証

住友林業は2021年7月31日、事業継続及び社会貢献に積極的に取り組んでいる事業者に与えられる「国土強靭化貢献団体認証(以下、レジリエンス認証)」を取得しました。

住友林業は「中期経営計画サステナビリティ編」に定める定性目標「リスク管理・コンプライアンス体制の強化」の達成状況評価指標の一つに「レジリエンス認証」取得を掲げ、2019年度よりBCM体制の見直しと改善に取り組んできました。また、東日本大震災以降、所属する一般社団法人日本木造住宅産業協会を通じて日本各地の自治体と防災・減災等に関する協定を結び、安心・安全なまちづくりに加えて、地域活性化、社会課題解決に取り組んでいます。これらのことが評価され、この度の認証取得に至りました。今後も、大規模災害やパンデミックによる事業の中断・復旧に伴う影響を最小化するため、レジリエンスを高める取り組みを加速させていきます。

社員の安全確保

住友林業グループでは、緊急事態発生時の対応原則として、社員及びその家族の安全確保を最優先事項に掲げています。このため、各組織における緊急連絡体制を整備するとともに、災害発生後の通信の集中や断絶が生じる前に、より多くの安否情報を得られるよう、災害に連動して自動発信される安否確認システムを国内グループ各社に導入しています。こうした複数ルートによる安否確認体制を整備している他、日頃から社員一人ひとりが備えるべき事項を「安否確認マニュアル」として分かりやすくまとめ定期的に周知しています。毎年、国内グループ各社において安否確認訓練も実施しており、2021年の訓練には、計15,332名が参加しました。

また、海外駐在員の安全確保のため、2019年から海外駐在員向けの安否確認システムを導入し、駐在国で地震、テロ、火山噴火等の緊急事態が発生した際には迅速に安否が確認できる体制も整備しています。

加えて、災害発生後の会社からの情報発信ツールとして、社外ネットワークからもアクセス可能な危機管理ポータルサイトを運用し、有事の際にも社員やその家族が様々な情報を得られる体制を構築することで、情報が行き届かないことによる二次災害等の防止に取り組んでいます。

安否確認マニュアル要約版

安否確認マニュアル要約版

重要業務の継続に向けた取り組み

住友林業グループでは、2019年10月に「BCM規程」を制定し、「本社機能が停止する可能性がある危機事象」と「多数の住宅等において居住安全性を損なうような被害が同時に発生する可能性がある危機事象」を想定し、事業継続計画(BCP)を策定しています。当該BCPの中では、社員の安否確認、支払など具体的な重要業務を定め、東京・大阪の二拠点において重要業務を継続できる体制の構築、緊急用のIT機器の準備など影響の最小化に取り組んでいる他、緊急時の業務遂行にも必要となる各種システムやデータの遠隔バックアップを行うなどの対策も講じています。

各被災現場においては、本社本部との指揮命令系統が断絶している状況においても、責任者による臨機応変な判断・迅速な初動対応がなされる必要があるため、その対応力を高めるための「初動対応模擬訓練」を実施しています。この訓練は2011年から継続して実施しており、2020年は新型コロナウイルス感染症対策等の観点により実施を見送りましたが、2021年は研修形式をオンライン形式に変更し、計81名の拠点責任者・実務責任者を対象に訓練を実施しました。

また、巨大地震の発生による帰宅困難者の事務所滞在及び長距離の徒歩帰宅に備え、職場ごとに最低限配備すべき共通の標準防災備蓄品を定め、グループの全拠点に配備しています。特に、大量の帰宅困難者が発生すると想定されている大都市圏(首都圏・大阪市・名古屋市)の拠点では、3日間の職場滞在を想定した備蓄を行っています。

この他、新たなオフィスなどの選定時には、コストや利便性だけでなく、防災・減災の観点から、本社防災責任者が関与するとともに、事務機器の転倒防止やキャスターつき複合機の移動防止対策など、オフィス内の防災・減災対策に取り組んでいます。

サプライチェーンにおける事業継続強化の取り組み

住宅・建築事業においては、大災害によるサプライチェーンの寸断に備え、部材メーカーや工務店などの取引業者と施工物件の仕様や工程、現場の進捗状況などの情報を共有し、先行的な原材料の調達や製造を可能にすることで、事業中断リスクの低減に取り組んでいます。しかしながら、2020年に世界中に拡大した新型コロナウイルス感染症により、部材調達や施工物件の遅延の事態などに至りました。

こうした事態に鑑み、サプライヤーにおいて地震等の天災や火災等の事故が発生した場合に、サプライヤーから住友林業へ災害状況を報告する方法と履歴管理についてのシステム化を検討しています。また、そうした不測の事態に備える意味でも同一部材の原則2社以上購買体制(同一部材の生産拠点の2ヵ所以上を含む)の構築にも取り組んでいます。

なお、新型コロナウイルス感染症感染拡大による調達部材の遅延の対策については、短期的な備えとして遅延の発生した資材の各サプライヤーでの在庫の積み増し、中長期的には、単一国から他国にも生産拠点を設置する等、生産拠点の分散化によるリスク低減を図るべく、サプライヤーと協議していく予定です。

建材資材などの調達先については、取引継続の判断のために毎年実施しているサプライヤー評価に、被災時の代替供給ルートの確保体制など、事業継続性の項目を加えて審査しています。これらにより、今後も事業中断リスクのさらなる低減に取り組んでいきます。

お客様へのサービスの維持

東京・沖縄にコールセンターを設置し、24時間アフターサービスを受け付けしています。

また、災害で一方のセンターが被災した場合、もう一方のセンターが機能をバックアップするしくみを構築しています。災害対策システムにより各拠点の情報を一元管理することで、全国のオーナーの被災状況を共有し、災害や補修などの依頼に迅速に対応できるように取り組んでいます。