資源環境事業
事業概要
住友林業グループは、木を植え、育て、伐って活用し、そして再び木を植えるという「保続林業」の考え方に基づき、国内では約4.8万ha(国土面積の約800分の1)の社有林において、SGECの森林認証を取得するなど計画的な森林経営を展開しています。
海外では、インドネシア、パプアニューギニア及びニュージーランドにおいて、FSC®などの第三者による森林認証を取得した森林を含む約23.8万haの植林地を保有・管理し、生物多様性の保全や地域社会の発展に貢献しています。
また、2023年6月に米国で第1号森林ファンド「Eastwood Climate Smart Forestry Fund I」を組成、運用を開始し、2024年12月末時点における森林ファンド管理面積は約8.0万haです。
その他、木質資源などを有効活用する再生可能エネルギー事業では、国内において主に木質バイオマス発電事業を展開しています。




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森林管理・保有等面積
国内 約
4.8 万ha海外 約
23.8 万ha森林ファンド管理面積 約
8.0 万ha -
木質バイオマス発電 発電規模(案件確定ベース)
約
252 MW
森林事業における主な活動
苗木栽培・植栽
- 独自に研究開発したコンテナ苗の生産技術を活用し、適切に環境管理された施設栽培型の生産施設の運営等を通じて、森林資源の持続性と積極的な資源生産に寄与
- 土壌条件、方位、地形などを考慮した「適地適木」の植栽を実施
育林
- 国内で総面積約4.8万haの社有林を、海外では面積約23.8万haの植林地を管理・保有
- 森林の公益的機能の維持・向上のため、これらの森林で下刈り、枝打ち、間伐など、育林のための適正な管理を実施
伐採・搬出
- 所有または管理する森林について長期的な伐採計画のもと、伐採を実施
- 伐採された木材は、取引先や工場へ搬出
地ごしらえ
- 伐採が終わった人工林では、再び植栽できるよう環境を整えるための作業(地ごしらえ)を実施
再生可能エネルギー事業における
主な活動
調達
- 木質バイオマス発電所の燃料として、住宅の建築・改築・解体に伴い発生する廃材や、森林における林地未利用木材の活用を推進
生産
- 林地未利用木材、木材の製材過程で発生する端材、建築現場で出た木くず、住宅の解体現場から出た廃木材などをチップ化し、木質バイオマス発電所などの燃料として供給
発電・卸売
- 木質バイオマス発電事業6ヵ所で地域の特性や条件を活かしたエネルギー事業を展開
資源環境事業における
「ESGへの取り組み一体化推進」
森林は、水源涵養、地球温暖化防止、生物多様性保全、林産物供給などの多面的機能を有します。森林経営には、木を植え、育て、伐って活用し、再び木を植えるというサイクルを管理するための持続可能性の視点が欠かせません。
現在国内では、人工林が収穫期を迎えており、木材の利用促進による林業の成長産業化に向けた改革が進んでいます。国産材の利用増加とともに、皆伐の増加が見込まれるため、再造林用の苗木の安定供給が課題となっています。国内森林事業では、先進的な林業機械の導入によって生産性の向上を図ると同時に、苗木生産体制の整備・強化に取り組んでいます。
また、海外森林事業では世界的な森林減少や天然林の伐採制限強化により、天然木の供給量が一段と減少すると想定されます。そのような状況下で、大規模な植林事業の展開や、出材した原木を製造事業の原材料として活用するなど、地域社会・環境と調和した持続可能な森林経営と産業用資材の生産を実践しています。2022年12月には、マングローブの森林を保有・管理するビナ・オヴィヴィパリ・セメスタ(BIOS)の株式を100%取得しました。マングローブの森林を「保護林」として保全・管理することにより、質の高いブルーカーボン・クレジットの創出を目指しています。
再生可能エネルギー事業では、持続可能なエネルギーサービスの供給不足という課題に対して、建築廃材や林地未利用木材などをチップ化して燃料に利用する木質バイオマス発電を主に推進しています。再生可能エネルギーの供給のみならず、森林資源の有効活用、地域の森林環境整備など林業の振興にも寄与します。