住友林業グループ
中期経営計画
サステナビリティ編

重要課題2 
「森」と「木」を活かした
カーボンニュートラルの実現

重要課題2

重要課題2 
「森」と「木」を活かした
カーボンニュートラルの実現

自らの二酸化炭素の排出を削減するとともに、炭素を吸収・固定した「木」を届けること、また低炭素・脱炭素商品・サービスを提供することによって、社会の脱炭素化に貢献する

関連するSDGs

7.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに 13.気候変動に具体的な対策を

基本的な考え方

気候変動は、すでに多くの環境問題や人々の生活への悪影響を引き起こしています。例えば、熱波、豪雨、洪水、台風、干ばつなど自然災害や、海面の上昇、生物種の絶滅、食物供給への影響などです。これらは人類にとって重大な脅威をもたらしています。この気候変動の影響を緩和させるためには、温室効果ガス排出量を削減することが重要であり、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることが求められています。

木は成長の過程でCO2を吸収・固定し、生産におけるCO2排出が少ないことから、木を積極的に活用することが脱炭素社会に大きく貢献します。

住友林業グループは創業以来、木を軸に事業を展開しており、「森林」「木材」「建築」の分野で、今後さらに木の利活用を提案していきます。森林においては、二酸化炭素を吸収する保護林を拡大し、炭素固定を促す経済林の伐採・再植林を加速させるゾーニング森林経営を推進。カーボンオフセットで他社と社会の脱炭素化にも貢献し、持続可能なビジネスを実現します。木材においては、木材が持つ長期的な炭素固定の価値を訴求しながら、国産材の競争力を高めつつ、建築の木造化・木質化を推進していきます。建築においては、国内外で LCCM住宅やネットゼロカーボンビルを推進するなど、脱炭素設計手法の確立・スタンダード化による脱炭素建築の推進により、社会全体の脱炭素化に貢献します。

こうした、木の価値を提供する住友林業グループの社内やサプライチェーンにおいては、RE100の達成を含め、SBTに基づく温室効果ガス排出削減目標に着実に取り組んでいきます。

社会・環境へのインパクト

重要課題2 インパクト(機会) インパクト(リスク)
「森」と「木」を活かしたカーボンニュートラルの実現

自らの二酸化炭素の排出を削減するとともに、炭素を吸収・固定した「木」を届けること、また低炭素・脱炭素商品・サービスを提供することによって、社会の脱炭素化に貢献する
  1. 生活の中で特にエネルギー消費量/時間が多い、「居住」に関するエネルギー量削減による、社会全体のエネルギー消費量(温室効果ガス排出量)削減
  2. 生活者(居住者)の環境意識の向上
  3. SBTやRE100達成による環境負荷低減、気候変動問題解決への貢献
  4. 持続可能な建築物提供を通じた持続可能な社会の実現
  5. 新たな森林価値創造ビジネスの構築
  1. 温室効果ガス排出に対する企業が負担する費用の増加
  2. 住宅等商品の価格上昇による購入者のコスト上昇と需要減

重要課題2のマネジメント(2024年度)

中期経営計画サステナビリティ編2024において、重要課題2は19の評価指標に分け、管理部署の年度活動方針や施策に落とし込みマネジメントを行っています。また、重要課題が社会・環境に及ぼすインパクトについても検証を行っています。

脱炭素化推進

温室効果ガス排出量(スコープ1、2)については、2024年度計画193,779t-CO2e(2021年度比▲20.8%)に対し実績155,031t-CO2e(同▲36.6%)と、計画を大幅に達成することができました。紋別バイオマス発電における石炭混焼率を3年間(2022年〜2024年)で14.3%から5.2%まで9.1ポイント低減できた他、事業活動で使用する電力の再エネ化を計画以上に進めることができたことが主要因となります。2025年からの中期経営計画では、紋別バイオマス発電所における石炭混焼比率5.2%を維持するとともに、RE100達成に向け、事業活動で使用する電力の再エネ化をさらに進めることで、最終年度にあたる2027年度162,415t-CO2e(2021年3月期比▲33.7%)を目指します。

温室効果ガス排出量(スコープ3)の中で、特に排出量の割合の高いカテゴリー11(販売した製品の使用)について、住友林業グループでは、削減に向け、ZEH受注率を目標に掲げています。新築戸建注文住宅におけるZEH受注比率は、2021年度67.4%に対し、2024年度79.3%と11.9ポイント伸長し、2024年度計画80%に対してはほぼ達成できました。一方2023年度79.7%からは0.4ポイント下がる結果となりました。

子育て世帯・若者夫婦世帯による住宅の省エネ改修等に対して補助金を交付する「子育てエコホーム支援事業」の内容を周知し積極活用することや、光熱費高騰による追い風の他、社内においては従業員への業績評価への組み入れなどもあり、一定の成果を上げることができました。引き続きお客様に対してライフサイクルコスト(LCC)を訴求、提案することや、フラット35の金利優遇施策(子育てプラス)などファイナンスの要素も含めZEHの普及を目指します。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
国内社有林のCO2固定量(t-CO2) 資源環境事業本部 13,758千 14,045千
海外植林会社の生産林による炭素固定量(t-CO2) 10,133千 9,537千 10,133千

脱炭素化推進(スコープ1・2)

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
温室効果ガス排出量(t-CO2e) 2021年度比増減率(%) 全社 193,779
▲20.8
155,031
▲36.6
170,484
▲30.4
スミリンでんき加入率(%) 卒FIT売電 住宅事業本部 45.0 48.2 54.0
新築オーナー買電 50.0 3.0 20.0
再エネ導入率[RE100達成に向けた取り組み](%) 全社 35.1 36.4 45.1

当社が購入した電力のうち、再生可能エネルギーによる調達割合。2035年に国全体でRE100を目指すニュージーランドに所在する事業所などは除く

脱炭素化推進(スコープ3)

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
新築戸建注文住宅におけるZEH受注比率(%) 住宅事業本部 80.0 79.3 83.0
環境配慮型リフォーム受注率 / カスタマーズ(%) 75.0 79.1 77.0
環境配慮商品※1受注率(%) 62.0 59.3
【戸建】BELS取得率※2(%) 98.5 99.4
【分譲】環境機器(PV/FC)搭載率(グリーンスマート率)(%) 30.0 87.6
環境配慮型リフォーム受注率 / オーナーズ(%) 70.0 64.0 64.0
環境配慮型リフォーム受注率 / カスタマー+オーナー(%) 72.2 70.7
【木化】基本計画からの提案件数(件) 28 12
再生可能エネルギー事業における電力供給量※3(MWh) 資源環境事業本部 856,022 830,540 826,469
環境認証Edge対象プロジェクト数(アジア)(件) 建築・不動産事業本部 1 1

※1①地域性種苗②浸透舗装材③壁面緑化④屋上緑化⑤ビオトープ⑥再生材利用

※2本体着工時

※3集計対象は紋別バイオマス発電、八戸バイオマス発電、川崎バイオマス発電、苫小牧バイオマス発電、苅田バイオマスエナジー、鹿島太陽光発電所であり、持分法適用会社については出資比率に応じた電力供給量にて算出

持続可能な森林資源の活用

結果

以下表組における達成度評価について
⽬標達成:◯ ⽬標未達前期⽐改善:△ ⽬標未達前期⽐悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
きこりんプライウッド販売数量(月)(m3 木材建材事業本部 35,000 25,973 27,000

中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025~2027年度)

重要課題2のマネジメント

中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年~2027年)において、重要課題2は以下2つのカテゴリーに分けて、管理部署の年度活動⽅針や施策に落とし込みマネジメントを⾏っています。

脱炭素化推進(スコープ1・2)

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
実績
2025年度
計画
2026年度
計画
2027年度
計画
【スコープ1、2】温室効果ガス排出量(総量)
2021年度比増減率(t-CO2・%)
全社 170,484 165,488 162,415
▲30.4 ▲32.4 ▲33.7
スミリンでんき
加入率(%)
卒FIT売電 住宅事業本部 48.2 54.0 57.0 60.0
新築オーナー買電 3.0 20.0 25.0 30.0
再エネ導入率[RE100達成に向けた取り組み](%) 全社 36.4 45.1 55.4 66.3
FLAG※1【スコープ1】 社有林のCO2固定量合算値(千t-CO2 資源環境事業本部 13,837 13,837 13,837
国内森林:社有林のCO2固定量算出のための成長モデル更新 方法見直し 評価 更新
海外植林会社の生産林によるCO2固定量合算値(千t-CO2) 

BIOSを除く

10,133 10,133 10,133

※1FLAG:森林・土地及び農業

BIOS:ビナ・オヴィヴィパリ・セメスタ

脱炭素化推進(スコープ3)

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
実績
2025年度
計画
2026年度
計画
2027年度
計画
ZEH比率(%) 新築戸建注文住宅におけるZEH受注比率(棟数) 住宅事業本部 79.3 83.0
(6,880)
84.0
(7,056)
85.0
(7,140)
分譲住宅におけるZEH受注率(%)(Nearly・Oriented含む) 50.0 60.0 70.0
新築戸建注文住宅におけるZEH率向上に伴うCO2(スコープ3)削減貢献量(千t-CO2e) 1440.0 1408.0 1376.0
環境配慮型リフォーム受注率(%) オーナーズ 64.0 64.0 64.5 65.0
カスタマーズ 77.0 78.0 79.0
再生可能エネルギー事業における電力供給量(MWh) 資源環境事業本部 830,540 826,469 843,001 840,072
環境認証の取得戸数(米国合算) (戸) 建築・不動産事業本部 3,800 4,100 4,600
【スコープ3 カテゴリ11】 販売した住宅の延べ床面積あたりのCO2排出量2021年度比削減率 住宅事業本部 ▲5.4 ▲7.5 ▲9.6
建築・不動産事業本部 ▲13.0 ▲14.0 ▲16.0
FLAG【スコープ3 カテゴリ1】 購入した製品・サービスにおけるCO2排出量について 全社 ・カテゴリ1排出量の算定方法を確立するためのデータ整備
・カテゴリ1排出量が大きい製品・サービスの特定
・カテゴリ1排出量の削減方法の検討
FLAG【スコープ3】 購入した木材製品(住宅資材)の調査・データ収集 建築・不動産事業本部 方法確認 方法確認 データ収集
木材建材事業本部 排出量のデータ整備 取扱数量の把握 数値改善策の検討 / ヒアリング方法の検討
サステナビリティレポート
2025サイトマップ