住友林業グループ
中期経営計画
サステナビリティ編

重要課題3 
「森」と「木」を活かした
サーキュラーバイオエコノミーの実現

重要課題3

重要課題3 
「森」と「木」を活かした
サーキュラーバイオエコノミーの実現

自然のエコシステムで再生可能な「木」という「森林」由来の素材の強みを活かしながら、あらゆる資源が循環する社会を実現する

関連するSDGs

11.住み続けられるまちづくりを 12.つくる責任、つかう責任 15.陸の豊かさも守ろう

基本的な考え方

資源の枯渇、生物多様性の損失、有害物質や海洋プラスチックなどによる環境汚染への懸念を背景に、徹底した資源循環と資源の有効利用を行うサーキュラーエコノミー構築の必要性が叫ばれています。サーキュラーエコノミーは、廃棄や汚染など環境負荷を抑える製品・サービスの設計を行い、その原材料や製品を高度に循環させ続けることを目指す経済モデルです。

住友林業グループは、戸建住宅事業を中心に、住宅建設資材の製造・販売、森林経営、リフォーム、緑化事業、不動産開発、バイオマス発電事業など国内外に幅広く事業を展開しています。それぞれの事業活動において、木を中心に様々な資源、資材を使用することから、資源、資材を有効に活用すること、廃棄物を減らすこと、リサイクルを図ることが求められています。再生可能で持続可能な自然資源である木を、「森林」「木材」「建築」、さらにバイオマス発電などエネルギーの分野でカスケード利用するウッドサイクルを回し、木材資源の価値を向上させることで、国内においては、木を中心としたサーキュラーバイオエコノミーを実現していきます。木以外の資源に関しても、廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルに努めていきます。また、資源の持続可能な利用のため、サプライチェーンの持続可能性も継続的に調査していきます。

社会・環境へのインパクト

重要課題3 インパクト(機会) インパクト(リスク)
「森」と「木」を活かしたサーキュラーバイオエコノミーの実現

自然のエコシステムで再生可能な「木」という「森林」由来の素材の強みを活かしながら、あらゆる資源が循環する社会を実現する
  1. リサイクルやゼロエミッションの促進による資源保護などの環境負荷低減
  2. 代替品として木の活用による温室効果ガスの削減
  3. サプライチェーンの環境意識の改善
  4. 新規市場の創出
  1. 持続不可能な資源の利用・廃棄による資源の枯渇、劣化、汚染、生態系の喪失
  2. 永久的なマテリアルリサイクルが難しい木質資源

重要課題3のマネジメント(2024年度)

中期経営計画サステナビリティ編2024において、重要課題3は18の評価指標に分け、管理部署の年度活動方針や施策に落とし込みマネジメントを行っています。また、重要課題が社会・環境に及ぼすインパクトについても検証を行っています。

産業廃棄物の削減・リサイクル

住友林業グループの産業廃棄物最終処分量は、2024年度21,787t(2021年度比+3.5%)と2024年度計画19,905t(同▲5.4%)からは1,882t増加し、2023年度からは2,098t減少しました。連結子会社が新たに加わったことが主な増加要因となります。

新築戸建現場における1棟当たりの産業廃棄物排出量は2,479kgと、2023年度2,467kgと比べ12kg増加しましたが、2024年度計画の2,511kgに対しては排出量を抑えることができました。きづれパネル、屋根スレートのプレカット化が浸透し、排出量の減少幅が緩やかになっている一方で、新たな施策としてサイディングのプレカット化や、リユース養生材使用への切替えが進んだことが排出量削減に寄与しました。2025年度以降も引き続き、サイディングのプレカット化の対象エリア範囲拡大を進めることで、さらなる廃棄物削減に取り組みます。

新築現場におけるリサイクル率は95.6%と、2024年度計画の98.0%には届きませんでしたが、2023年度からは0.3ポイント向上しました。主な要因としては、リサイクル率の低いサイディングのプレカット化が進んだことに伴い、リサイクル率が向上したこと、また、建築現場での分別の徹底が図れたことにより混合廃棄物が4.3%から3.9%に減少したことがあげられます。ならびに広域認定の処理フローにおけるリサイクル可能な委託先への変更を行ったことも改善した要因となります。

中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年〜2027年)においても、現場ごとの分別徹底に伴う混廃率の低減を継続的に行うことで、リサイクル率のさらなる向上を図ります。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
産業廃棄物最終処分量(t)
2021年度比削減率(%)
サステナビリティ推進部 19,905
▲5.4
21,787
(21.12期比▲3.5%)
21,213
(23.12期比▲7%)
新築現場におけるリサイクル率※1(%) 住宅事業本部 98.0 95.1 96.3
住宅解体現場におけるリサイクル率※2(%) 100 100
リフォーム現場におけるリサイクル率※3(%) 85.5 84.8
発電事業におけるリサイクル率(%) 資源環境事業本部 98.0 96.8 97.0
海外製造工場におけるリサイクル率(%) 木材建材事業本部 99.0 98.7 99.0
国内製造工場におけるリサイクル率(%) 99.0 99.1 99.6
その他リサイクル率(%) 木材建材事業本部 / 生活サービス本部 / 筑波研究所 86.0 83.8
持続可能な木材使用比率(製造全体)(%) 木材建材事業本部 100 99 100
全支店産業廃棄物総排出量(kg/棟)※4 住宅事業本部 2,511 2,479
新築系産業廃棄物排出量(kg/m2) 19.8 19.7 19.2

※1住宅・建築事業本部、住友林業緑化、住友林業ホームエンジニアリングにおける新築現場を対象

※2建設リサイクル法による特定建設資材(コンクリート、アスコン、木くず)を対象

※3住友林業ホームテックのリフォーム現場を対象とし、リサイクルが困難ながれき・アスベストは除く

※4建築事業部除く

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水使用量の削減

住友林業グループの2024年度⽔使⽤量は2,939千m3と、計画2,777千m3から162千m3超過となり、2023年度2,916千m3からも23千m3超過となりました。2024年度は海外製造工場における労働環境改善のための散水装置の設置や、国内で管理運営しているゴルフ場での夏季降雨量が少なかったことに伴うスプリンクラーでの散水量の増加、ならびに受託管理先の公園施設での園内植物への灌水量増加などが主な増加理由となります。水使用量の削減については、中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年〜2027年)においても引き続き目標管理するとともに、原単位の目標についても新たに設けることで、削減に向けた取り組みを進めていきます。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
水使用量(m3 全社 2,777,269 2,939,316 2,971,001
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サプライチェーン管理

2019年度に開始した、国内戸建住宅部門における「サプライチェーンにおけるサステナビリティ調達調査実施率」については、資材仕入額の9割超の仕入先に対し調査を実施しており、2024年度もその状態を維持しています。調査結果については改善されており、ESG調査の内容の理解が進んだこと、過去の結果のフィードバックをもとに、サプライヤー側も改善を行ったことが主な要因です。同じく⽊材建材事業本部 国内流通部⾨においても、2022年度より仕入先に対し同調査を実施しており、2024年度実施率は計画90%に対し、87.0%の結果となりました。

仕入先に対するEPD取得提案社数は、仕入先に対し積極的に提案を行ったことで計画 65社(仕入高比71.0%)に対して、実績146社(70.4%)の結果となりました。

住友林業は、建物のCO2排出量等を見える化するソフトウェア「One Click LCA」日本版を販売、提供しています。引き続き同ソフトウェアを積極的に活用し、EPD取得に関する研修や申請作業のサポートを提供することで、EPD製品のマーケティング活動、普及を図ります。

木材建材メーカー等接触済み先への再提案を継続することに加え、ゼネコン等からの紹介や要望をもとに新規メーカーへの提案や、ウェブ検索などでの新規開拓を図ります。また、国土交通省が実施するEPD取得に関する補助金制度なども活用し、EPD取得提案を幅広く行っていく方針です。

Environmental Product Declarationの略。原材料調達から廃棄までの製品の全ライフサイクルにわたるCO2排出量などの様々な環境影響を可視化した、ISOに準拠した環境認証ラベル

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
サプライチェーンにおけるサステナビリティ調達調査実施率(%) 住宅事業本部 97.0 98.0
入荷するPKSの認証取得率(%) 資源環境事業本部 100 100 100
ESG調査の「サプライヤー(自社)」平均得点率 住宅事業本部 前年より
改善
前年より
改善
仕入先へのEPD取得提案数(社)比率(%) 木材建材事業本部 65
71.0
146
70.4

仕入先へのサステナビリティ調査回答率(売上比)(%) 90 87

未利用資源の活用

バイオマス燃料等に使用する林地未利用資源の取扱量について、2024年度実績は5,547m3と、2023年度実績22,595m3と比べ▲17,048 m3減少し、2024年計画19,202 m3からも大幅な未達となりました。これは森林経営計画認定取り消しに伴う社有林事業停止の影響を受けたことが主な要因となります。原因分析及び再発防止策を策定した他、新たに認定請求を行い、2024年6月に森林経営計画の認定を取得しており、2025年度以降、取扱量は増える計画です。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
計画
2024年度
実績
2024年度
評価
2025年度
計画
未利用資源(バイオマス用途)取扱量(m3 資源環境事業本部 19,202 5,547 12,795
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中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025~2027年度)

重要課題3のマネジメント

中期経営計画サステナビリティ編Phase2(2025年~2027年)において、重要課題3は以下大きく3つのカテゴリーに分けて、管理部署の年度活動⽅針や施策に落とし込みマネジメントを⾏っています。

産業廃棄物の削減・リサイクル

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
実績
2025年度
計画
2026年度
計画
2027年度
計画
産業廃棄物最終処分量(t)
2023年度比削減率(%)
サステナビリティ推進部 21,213 21,735 21,018
▲7% ▲9% ▲12%
新築系産業廃棄物排出量(戸建のみ)(kg/m2 住宅事業本部 95.1 19.2 19.0 18.8
新築系産業廃棄物リサイクル率 96.3 96.6 96.8
住宅解体現場におけるリサイクル率(%) 100 100 100
リフォーム現場におけるリサイクル率(%) 85.5 85.5 85.5
発電事業におけるリサイクル率(%) 資源環境事業本部 96.8 97.0 97.5 97.5
海外製造工場におけるリサイクル率(%) 木材建材事業本部 98.7 99.0 99.0 99.0
国内製造工場におけるリサイクル率(%) 99.1 99.6 99.6 99.6

水使用量の削減

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
実績
2025年度
計画
2026年度
計画
2027年度
計画
水使用量(m3 全社 3,015,017 2,971,001 2,972,632 2,989,957
水使用量:原単位(m3 売上高当たりの取水量(m3/百万円) 全社 1.22 1.09 0.98
Nature/水 引渡住戸のZero Energy Ready Home認証割合(%)(北米) 建築・不動産事業本部 100 100 100
水回り設備のWater Sense認定割合(%)(北米) 100 100 100
新築住宅節水トイレ導入率(設定品のみ)(%) 戸建 住宅事業本部 100 100 100
分譲 100 100 100

JIS区分Ⅱ形(洗浄水量6.5L)以下

サプライチェーン管理

評価指標(数値目標) 管理部署 2024年度
実績
2025年度
計画
2026年度
計画
2027年度
計画
新築戸建注文住宅における持続可能な木材使用比率(%)(主要構造材) 住宅事業本部 100.0 100.0 100.0
サステナビリティ調達調査実施率 温室効果ガス排出量を把握している企業(%) 木材建材事業本部 38.0 39.0 40.0
温室効果ガス排出量削減計画を策定している企業(%) 27.0 28.0 30.0
【新築戸建住宅】サプライヤーの温室効果ガス排出量の把握割合 住宅事業本部 前年より改善 前年より改善 前年より改善
【新築戸建住宅】サプライヤーの温室効果ガス排出量削減計画の策定割合 前年より改善 前年より改善 前年より改善
サステナビリティレポート
2025サイトマップ