住友林業グループ
中期経営計画
サステナビリティ編2024

重要課題3 
「森」と「木」を活かした
サーキュラーバイオエコノミーの実現

重要課題3

重要課題3 
「森」と「木」を活かした
サーキュラーバイオエコノミーの実現

自然のエコシステムで再生可能な「木」という「森林」由来の素材の強みを活かしながら、あらゆる資源が循環する社会を実現する

関連するSDGs

基本的な考え方

資源の枯渇、生物多様性の損失、有害物質や海洋プラスチックなどによる環境汚染への懸念を背景に、徹底した資源循環と資源の有効利用を行うサーキュラーエコノミー構築の必要性が叫ばれています。サーキュラーエコノミーは、廃棄や汚染など環境負荷を抑える製品・サービスの設計を行い、その原材料や製品を高度に循環させ続けることを目指す経済モデルです。

住友林業グループは、再生可能で持続可能な自然資源である木を、「森林」「木材」「建築」、さらにバイオマス発電などエネルギーの分野でカスケード利用するウッドサイクルを回し、木材資源の価値を向上させることで、国内においては、木を中心としたサーキュラーバイオエコノミーを実現していきます。木以外の資源に関しても、廃棄物の発生抑制・再利用・リサイクルに努めていきます。また、資源の持続可能な利用のため、サプライチェーンの持続可能性も継続的に調査していきます。

社会・環境へのインパクト

重要課題3 インパクト(影響)
「森」と「木」を活かしたサーキュラーバイオエコノミーの実現

自然のエコシステムで再生可能な「木」という「森林」由来の素材の強みを活かしながら、あらゆる資源が循環する社会を実現する
リサイクルやゼロエミッションの促進による資源保護などの環境負荷低減
水問題の解決
サプライチェーンの環境意識の改善

重要課題3のマネジメント(2022年度)

中期経営計画サステナビリティ編2024において、重要課題3は18の評価指標に分け、管理部署の年度活動方針や施策に落とし込みマネジメントを行っています。また、重要課題が社会・環境に及ぼすインパクトについても検証を行っています。

産業廃棄物の削減・リサイクル

新築戸建現場における1棟あたりの産業廃棄物排出量は、2,585kgと、2021年度2,837kgと比べて大幅に排出を抑えることができ、計画(2,709kg)からも排出量を抑えることができました。きづれパネル、スレート等のプレカット採用が順調に進んだことに伴い、現場作業時の端材などの発生が抑制されたことが排出量削減に大きく寄与しました。現在サイディングのプレカット化も徐々に進んできており、引き続き現場における廃棄物削減を図ります。

一方、新築現場におけるリサイクル率は、94.3%と計画の96%には届きませんでした。リサイクル率の高い資材のプレカット化に伴い、リサイクル率が相対的に低下したことが主な要因となっています。

中期経営計画(2022-2024)では、現場ごとの分別徹底に伴う混廃率の低減を図ることで、最終年度にあたる2024年12月期
98.0%を目指します。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2022年度
計画
2022年度
実績
2022年度
評価
2023年度
計画
2024年度
計画
産業廃棄物最終処分量(t)
2021年度比削減率(%)
サステナビリティ推進部 20,489
▲2.7
24,294
+15.4
× 20,181
▲4.1
19,905
▲5.4
新築現場におけるリサイクル率※1(%) 住宅事業本部 96.0 94.3 × 97.0 98.0
住宅解体現場におけるリサイクル率※2(%) 100 99.9 × 100 100
リフォーム現場におけるリサイクル率※3(%) 84.5 83.2 × 85.0 85.5
発電事業におけるリサイクル率(%) 資源環境事業本部 98.0 99.0 98.0 98.0
海外製造工場におけるリサイクル率(%) 木材建材事業本部 99.0 98.0 × 99.0 99.0
国内製造工場におけるリサイクル率(%) 99.0 99.4 99.0 99.0
その他リサイクル率(%) 木材建材事業本部/生活サービス本部/筑波研究所 84.0 81.0 × 85.0 86.0
持続可能な木材使用比率(製造全体)(%) 木材建材事業本部 100 99 × 100 100
全支店産業廃棄物総排出量(kg/棟)※4 住宅事業本部 2,709 2,585 2,573 2,511
新築系産業廃棄物排出量(kg/m2) 20.8 20.3 20.1 19.8

※1 住宅・建築事業本部、住友林業緑化、住友林業ホームエンジニアリングにおける新築現場を対象

※2 建設リサイクル法による特定建設資材(コンクリート、アスコン、木くず)を対象

※3 住友林業ホームテックのリフォーム現場を対象とし、リサイクルが困難ながれき・アスベストは除く

※4 建築事業部除く

水使用量の削減

住友林業グループ全体の水使用量は、海外製造工場において地下水のパイプが破損したことに伴う大規模な水漏れが数日間にわたり発生したことや、新型コロナウイルスに伴うロックダウン解除による増加などにより、2,937千m3と、計画2,739千m3から増加となりました。今後も使用量の多い製造業を中心に、使用量削減、ならびに循環して使用できるよう取り組みを進めます。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2022年度
計画
2022年度
実績
2022年度
評価
2023年度
計画
2024年度
計画
水使用量(m3 全社 2,739,067 2,937,395 × 2,757,494 2,777,269

サプライチェーン管理

2019年度に開始した、国内戸建住宅部門における「国内住宅部門のサプライチェーンにおけるサステナビリティ調査実施率」については、資材仕入額の9割超の仕入先に対し調査を実施しており、2022年度もその状態を維持しています。調査結果については、仕入先に対しフィードバックを行うことで、改善を進めており、結果、「サプライヤー(自社)」評価(点数)については、2021年度と比べ0.2ポイントの改善となりました。 同じく木材建材事業本部 国内流通部門においても、2022年度仕入先に対して同調査を新たに開始。実施率は計画80%に対し、80.6%の結果となりました。

仕入先に対するEPD (環境認証ラベルEnvironmental Product Declaration)取得提案社数は、仕入先に対し積極的に提案を行ったことで計画 10社(仕入高比52%)に対して、実績65 社(同64.8%)の結果となりました。
現在、「建てるときの温室効果ガス排出量」等を見える化するソフトウェア「One Click LCA」日本版を販売、提供していますが、引き続き同ソフトウェアを積極的に活用し、EPD取得に関する研修や申請作業のサポートを提供することで、EPD製品のマーケティング活動、普及を図ります。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2022年度
計画
2022年度
実績
2022年度
評価
2023年度
計画
2024年度
計画
サプライチェーンにおけるサステナビリティ調達調査実施率(%) 住宅事業本部 97 97 97 97
入荷するPKSの認証取得率(%) 資源環境事業本部 - 準備中 - 100 100
ESG調査の「サプライヤー(自社)」平均得点率 住宅事業本部 前年より
改善
0.2pt改善 前年より
改善
前年より
改善
仕入先へのEPD取得提案数(社)比率(%) 木材建材事業本部 10
52
65
64.8
30
66
65
71
仕入先へのサステナビリティ調査回答率(売上比)(%) 80 80.6 85 90

未利用資源の活用

未利用資源の取扱量については、2021年度と比べて取扱量は増加しましたが、計画からは若干下回る結果となりました。紋別森林事業所において、施業計画の変更に伴い、計画を大きく下回ったことが主な要因となります。一方で、新居浜森林事業所と日向森林事業所では、紋別森林事業所での減少分をカバーするため取扱量を増やしたため、2021年度比で数量増加となりました。

結果

以下表組における達成度評価について
目標達成:◯ 目標未達前期比改善:△ 目標未達前期比悪化:✕

評価指標(数値目標) 管理部署 2022年度
計画
2022年度
実績
2022年度
評価
2023年度
計画
2024年度
計画
未利用資源(バイオマス用途)取扱量(m3 資源環境事業本部 18,272 18,022 18,452 19,202