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サプライチェーンマネジメント
基本的な考え方
住友林業グループは、事業におけるサプライチェーン上の人権や環境問題の解決に向けた責務があると認識するとともに、市場における森林認証材の普及を推進することで、サプライチェーン全体での持続可能な社会の実現に貢献していきます。
調達においては2015年に、従来の「木材調達理念・方針」を「住友林業グループ調達方針」に改訂し、2017年にはサプライチェーンも対象とした「住友林業グループ倫理規範」を策定するなど、グループ全体での取り組みを強化しています。
住友林業グループ調達方針
住友林業グループは、2005年に「木材調達基準」、2007年に「木材調達理念・方針」を定め、責任ある木材調達活動を実施してきました。さらに、2015年には、木材以外の金属及び窯業建材、樹脂製品など建材資材を含むあらゆる調達物品に対象範囲を広げ「住友林業グループ調達方針」に改訂し、現在はこの方針に基づき経済・社会・環境に配慮した調達活動を行っています。
住友林業グループ調達方針
住友林業グループは、再生可能な資源である「木」を活かした事業活動を通じて持続可能な社会の実現に貢献するため、以下の方針に基づき経済・社会・環境に配慮した調達活動を行います。
- 合法で信頼性の高いサプライチェーンに基づく調達
法令や社会規範を遵守し、調達先との相互理解と信頼関係に基づく調達活動を行います。また、高品質の商品・サービスを提供するために、調達先と協力してサプライチェーン全体に健全で公正な調達活動を働きかけます。 - 公正な機会と競争に基づく調達
国内外のすべての調達先に公正な取引の機会を提供します。調達先の選定においては、企業としての信頼性や技術力、調達品の品質・経済性・納期・環境性能、人権や労働者の基本的権利の擁護や腐敗防止、その他CSR(企業の社会的責任)への取組み等の観点から総合的に判断します。 - 持続可能な木材および木材製品の調達
再生可能な資源である「木」を積極的に活用するために、木材および木材製品の調達については、調達先と協力して以下の項目の実践に努めます。
- 持続可能な森林経営が行われている森林からの調達を進めます。
- 調達する木材および木材製品のトレーサビリティの信頼性向上に努めます。
- 伐採国・地域における法令等の遵守に加えて、生物多様性や保護価値の高い森林の保全、森林と共存する地域の文化、伝統、経済を尊重します。
- コミュニケーション
調達の透明性を確保するために、適正な情報開示を行います。また、ステークホルダーとの対話を調達活動の改善に役立てます。
代表取締役 社長 光吉 敏郎
グリーン調達ガイドライン(抜粋)
評価項目
①. 企業活動評価(サステナビリティ取り組み評価)
- 環境面
- 環境共生に関する方針を策定すること。
- 環境共生の推進部署及び責任者を設置すること。
- 環境共生に関する方針について社員に対して周知徹底を図ること。
- 事業運営に関わる環境法規制を把握し、順守を確認していること。
- 水資源の適正利用を推進し、水使用量を把握すること。
- 有害物質(特定化学物質、放射性物質、生物学的物質を含む)を使用している場合、管理マニュアルや法律などに基づいた保管、取り扱い、処理を行うこと。
- 法規制に基づき、廃棄物の適切な管理及び処理を行うこと。
- エネルギーの適正利用を推進し、温室効果ガス排出量を把握すること。
- 温室効果ガスの削減計画を策定すること。
- 生物多様性、生態系の保全に努めること。
- 社会面
- CSR(社会的責任)全般
- CSR(社会的責任)取り組みの方針・規範を策定すること。
- CSR(社会的責任)取り組みの推進部署及び責任者を設置すること。
- CSR(社会的責任)方針・規範の教育、啓発活動を社員に対して行うこと。
- 人権
- 人権に関する方針・規範を策定すること。
- 人権に関する取り組みの推進部署及び責任者を設置すること。
- 人権に関する方針の教育、啓発活動を社員に対して行うこと。
- 各種ハラスメントを禁止、社内に周知徹底を図っていること。
- 強制労働、児童労働を禁止し、社内に周知徹底を図ること。
- 法令に定められている社員の労働時間を適切に管理すること。
- 労働に対して法令に基づく最低賃金を踏まえた適切な賃金を支払うこと。
- 社員が匿名でハラスメント、体罰等を会社に通報する仕組みを設けること。
- 人種、年齢、宗教、国籍、性別などの差別を禁止し、社内に周知徹底を図ること。
- 法規に従い、労働者の結社の自由や団体交渉権を認めること。
- すべての社員に差別なく、職務にあった技能開発・研修などの人材育成機会を提供すること。
- 労働安全衛生
- 労働安全衛生に関する方針・規範を策定すること。
- 労働安全衛生に関する取り組みの推進部署及び責任者を設置すること。
- 労働安全衛生に関する方針の教育、啓発活動を社員に対して行うこと。
- 安全で健康的な職場環境の維持に努めること。
- 社員の心身の健康管理、労働災害や労働疾病の削減など適切な職場の安全管理を行うこと。
- 緊急時や災害時などに備え、社員の安全を守るための対策を講じ、社内に周知徹底を図ること。
- 倫理
- 贈賄や横領などの腐敗行為を防止し、社内に周知徹底を図ること。
- 法令及び国際的ルールに基づき、知的財産を保護するため、社内に周知徹底を図ること。
- 社員及び取引先に、法令違反に対しての通報窓口を設置すること。
- 責任ある調達方針を策定すること。
- 優越的地位の濫用を禁止し、公正かつ自由な競争を促進し、社内に周知徹底を図ること。
- 反社会的勢力に対して毅然とした対応を行うこと。
- 情報セキュリティ
- 個人情報は、事前に了解を得た範囲で取得・使用し、情報が漏えいしたり、不適切な利用がされないように、適切に管理すること。
- 第三者から受領した機密情報の取り扱いに十分注意し、適切な管理を行うこと。
- コンピュータ・ネットワークに関して、情報セキュリティ対策を講じること。
- 製品安全
- 製品・サービスを市場に供給する際に、品質および安全の確保と向上に努めること。
- サプライチェーン
- 調達先に人権などの社会面、環境面の取り組みを重視するように要請すること。
- 社会貢献
- 地域社会と良好な関係を維持し、地域社会に貢献する活動を推進すること。
②. 商品評価
- 共通項目
- 必須項目
- 「別表1.住友林業禁止化学物質リスト」であげている禁止化学物質を使用していないこと。
- 施工時および使用時に有害物質の溶出がないこと。
- 施工時および使用時に有害物質を含む粉塵の発生がないこと。
- 焼却時、硫黄酸化物などの有害ガスが発生しないこと。
- 努力項目
- 梱包材に塩化ビニルや発泡スチロールが使用されていないこと。
- 梱包材の使用を必要最低限に留めていること(梱包材削減の努力をしていること)。
- 複合品の場合、容易に廃棄出来るように、素材別に分離可能な方策がとられていること。
- 組立製品の場合、長寿命化を図るため、部品・部材の交換が容易であること。
- メンテナンスプログラム(点検、補修、部品の交換時期・方法)が明確であること。
- 使用後にリユース、リサイクルが可能なこと。
- 梱包材がリユースあるいはリサイクルが可能なこと。
- 長寿命化となる処理や材料を使用していること。
森林認証材の利用促進
住友林業グループは、調達先とともに信頼できるサプライチェーンを構築して持続的な木材の調達に努めています。持続的な森林経営が行われている森林からの木材であることを確認する指標の一つとして、第三者認証である「森林認証制度」を支持・活用しています。
また、自ら森林認証を取得し、市場や消費者に森林認証材を提供することにより、その普及に貢献できると考えています。
住友林業グループの森林認証取得状況は、FM認証が228千ヘクタール、CoC認証は13組織となっています。
代表的な森林認証制度
Forest Stewardship Council® (FSC-C113957)
環境団体、林業者、木材取引企業、先住民団体、地域林業組合などの代表者から構成される団体で、1993年にWWF(世界自然保護基金)を中心に設立。森林認証制度の運用主体の草分け的存在。
環境影響や地域社会、先住民族の権利などを含む10原則70基準に沿って、FSCが認定した認証機関が審査を実施することになっている。最近では、国や地域の状況にある程度合わせた国別基準や小規模経営者向けの審査手順など、多様な森林や所有者をカバーできるしくみができている。
PEFC (Programme for the Endorsement of Forest Certification)
欧州11ヵ国の林業団体が、各国の制度を相互承認する組織として1999年に設立。個別の森林管理についてPEFCが直接認証するのではなく、149ヵ国が集まって策定された「政府間プロセス」という基準を採用しているPEFCの規格要求を満たしているとPEFCが認めた場合、その国独自の森林認証制度をPEFCが承認する制度。2003年に非ヨーロッパ諸国の参加もあり、旧名(Pan European Forest Certification Schemes)から「PEFC森林認証プログラム」(Programme for the Endorsement of Forest Certification Schemes)に改称して以降、急速に拡大し、認証面積では世界最大となっている。
SGEC (Sustainable Green Ecosystem Council:緑の循環認証会議)
豊かな自然環境と持続的な木材生産を両立する森林管理について保証する。日本独自の自然環境・社会慣習・文化を尊重して7つの基準に基づいて審査される。CoC認証も実施している。2014年11月にPEFCに加盟し、2015年3月にPEFC相互認証申請を行い、2016年6月に相互承認が認められた。
住友林業グループ森林認証取得状況/CoC認証※
組織名 | 認証制度 | 取得(含更新) 年月日 |
認証番号 | 認証機関 |
---|---|---|---|---|
住友林業 木材建材事業本部 |
FSC | 2022年12月14日 | JIA-COC-190013/ JIA-CW-190013 |
(一財)日本ガス機器検査協会 (JIA) |
PEFC | 2022年12月14日 | JIA-PEFC-COC-1201 | (一財)日本ガス機器検査協会 (JIA) |
|
住友林業
木材建材事業本部 建築・不動産事業本部 建築部 |
SGEC | 2022年1月24日 | JIA-SGEC-COC-045 | (一財)日本ガス機器検査協会 (JIA) |
住友林業グループ
住友林業(株)本社および支店 住宅・建築事業本部協力プレカット工場 |
SGEC | 2022年10月1日 | JAFTA-SGEC-COC-038 | 日本森林技術協会 (JAFTA) |
住友林業フォレストサービス | SGEC | 2021年12月25日 | JAFTA-SGEC-COC-017 | 日本森林技術協会 (JAFTA) |
住友林業クレスト | FSC | 2020年9月15日 | SGSHK-COC-006693 | SGSジャパン |
NPIL(ニュージーランド) | FSC | 2019年6月21日 | SAI-COC-001290/ SAI-CW-001290 |
SAI Global Assurance |
KTI(インドネシア) | FSC | 2021年12月3日 | SA-COC-012758 | Soil Association |
RPI(インドネシア) | FSC | 2020年2月20日 | SA-COC-007620/ SA-CW-007620 |
Soil Association |
SFインドネシア | FSC | 2021年12月7日 | SA-COC-012757 | Soil Association |
SFシンガポール | FSC | 2023年1月28日 | NC-COC-005542/ NC-CW-005542 |
Prefferd by Nature |
SF大連 | FSC | 2021年1月20日 | SCS-COC-008230 | SCS Global Services |
VECO(ベトナム) | FSC | 2021年10月15日 | BV-COC-132458/ BV-CW-13245 |
Bureau Veritas |
PAP(タイ) | FSC | 2023年1月16日 | SGSHK-COC-470150 | SGS Hong Kong |
PAP(第二工場)(タイ) | FSC | 2024年1月18日 | SGSHJ-COC-470150 | SGS Hong Kong |
※COC(CHAIN OF CUSTODY)認証は、林産物の加工・流通過程に関与する事業者を対象とした制度。加工・流通の各プロセスで、認証を受けた森林から産出された林産物(認証材)を把握するとともに、一連のプロセスに携わる全事業者がCOC認証を受けている場合、製品に認証マークを表示できる
※SGEC-COC(商標ライセンス番号SGEC/31-32-86)、PEFC-COC(商標ライセンス番号PEFC/31-32-86)
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クリーンウッド法への円滑な対応
日本や原産国の法令に適合して伐採された樹木を材料とする木材の利用を促し、環境破壊につながる違法伐採材が流通しない市場を形成することを狙いとする「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(通称クリーンウッド法)が2017年5月に施行されました。住友林業では、輸入販売を行っている木材建材事業本部が、国内第1号として2017年11月22日付で第一種登録木材関連事業者の登録を行いました。また同事業本部は、2018年8月1日付で、第ニ種登録木材関連事業業者を登録しました。続いて住友林業フォレストサービスが、2018年2月20日付で第一種及び第二種登録木材関連事業者として登録。さらに、第二種登録木材関連事業者として住宅・建築事業本部(2018年3月16日付)と住友林業クレスト(2018年5月9日付)が登録しており、グループ全体で合法的な木材の調達を実施し、年度ごとに求められる報告を行っています。
2023年5月に改正案が国会で可決、2025年度中に施行予定の改正クリーンウッド法では、事業者による合法性確認の義務化や罰則措置が盛り込まれるなどより厳しいものになりますが、住友林業グループのデューディリジェンスはすでに改正クリーンウッド法に十分対応しています。
登録木材関連事業の状況
登録木材関連事業者 | 種別 | 登録年月日 | 登録番号 | 登録実施機関 |
---|---|---|---|---|
木材建材事業本部 | 第一種、第二種 登録 木材関連事業者 |
2022年11月22日 | JIA-CLW-Ⅰ Ⅱ 17001号 | (一財)日本ガス機器検査協会 |
住宅事業本部 資材開発部 | 第二種登録木材 関連 事業者 |
2023年3月14日 | HOWTEC-CLW-Ⅱ 0001号 | (公財)日本住宅・木材技術センター |
住宅林業フォレストサービス | 第一種、第二種 登録 木材関連事業者 |
2023年2月20日 | 日林協-CLW-Ⅰ Ⅱ-3号 | (一社)日本森林技術協会 |
住友林業クレスト | 第二種登録木材 関連 事業者 |
2023年5月9日 | JIA-CLW-Ⅱ 18002号 | (一財)日本ガス機器検査協会 |
ニヘイ | 第二種登録木材 関連 事業者 |
2021年4月1日 | 北林検-CLW-Ⅱ-22号 | (一社)北海道林産物検査会 |
JBIBへの参画
生物多様性の保全を目指して活動する企業団体である一般社団法人企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)に会員企業として参画し、メンバー企業の生物多様性に配慮したサプライチェーンの取り組みなどについての情報交換や、COP15についての情報収集などを通じて知見を深めました。
パートナーシップ構築宣言
住友林業は内閣府や中小企業庁が推進する「未来を拓くパートナーシップ構築推進会議」の趣旨に賛同し「パートナーシップ構築宣言」を公表しました。住友林業グループは経営理念ならびに行動指針に基づきサプライチェーンも含め「住友林業グループ倫理規範」に則った企業運営を行っています。「パートナーシップ構築宣言」への参加を通じて取引先と共存共栄できる持続可能な関係を構築します。
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