その担い手たちの横顔 Designers File

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深澤 由梨 建築士

女性の視点を設計に活かす

建築士として私がいちばん大切にしているのはご家族にとって暮らしやすい住まいであるかどうかです。心地よい光が差し込むリビングやダイニングもプライバシーがしっかりと守られていなければ落ち着いた場所にはなりません。とくに使い勝手や動線については女性ならではの視点も活かして細部まで丁寧に考えます。お打ち合わせの時間も楽しんでいただきながら、ご家族に愛される住まいをつくり上げたいと思っています。

Work style

  • 敷地の可能性を引き出す
  • 暮らしやすさを第一に考える
  • 女性ならではの感性を活かす

Design

最近の設計実例から

東京都 Zさま邸

1階は奥さまのフラワーアレンジメントの店舗と教室、2・3階が住宅です。街の人に親しまれる華やかで上品な店舗と、ご家族が落ち着いて過ごす住宅という二つの要素を、法規制の厳しい都市部の環境のもとで実現することがテーマでした。

敷地の可能性を引き出す

私はまず敷地の状況をつぶさに見ます。敷地のどこが一番気持ちのよい場所になるのか。周辺の状況によっては、一概に南側がよいとはいえません。また都市部では建物が近接していたり、高さ制限などの法律上の規制も厳しく設けられています。まず敷地を見て、設計の骨格となるものを考えていきます。

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ご家族の団らんの中心となるダイニングとキッチンは2階に設けました。南側は窓を大きく取ることが多いのですが、道路を隔てて間近に住宅が建っているため、あえて大きさを抑え、プライバシーに配慮しました。

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奥さまのワークスペースをダイニングの側に設けました。遠くまで視線が伸び、2階で最も気持ちのよい場所です。二面に窓を設け、眺めが楽しめるようにしました。

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3階の子ども室は高さ制限をクリアするため、壁の一部を斜めにしています。壁の下側に引き違いの扉を付け、収納スペースとして活用しました。

暮らしやすさを第一に考える

ご家族とお客さまの動きや、視線の先に見えてくるものをそれぞれ細かく想定し、間取りや動線をじっくりと考えます。ご家族の暮らしが始まって「動きやすい」「ここから見える景色が好き」といったお話を聞かせていただけると、本当にうれしく思います。

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お仕事で忙しい奥さまにとって、ご家族がそろうLDKは大切な場所です。どこにいてもお互いの姿が見え、気配が分かるように、ひと続きのオープンな空間にしています。

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キッチンは階段のすぐ側に配置しました。1階の店舗から自宅に戻った奥さまがすぐに家事に取りかかれるように配慮した間取りです。

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キッチンからはダイニングとその先のワークスペース、さらにリビングも見通すことができます。家事をしながらでもご家族との会話が楽しめます。

女性ならではの感性を活かす

共働きが家族の当たり前の姿になる中、効率のよい家事動線などへの配慮がこれまで以上に求められています。住まいの設計において、女性の建築士ならではの感性を活かしてプランニングを進めるようにしています。

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玄関ホールは、明るいベージュの大判タイルを床と壁に使っています。花や観葉植物が彩りを添える上品でエレガントな空間に仕上げました。

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浴室と洗面は明るい3階に設けました。広々とした一体の空間とすることで、気持ちよく使うことができ、掃除もラクにできるように配慮しました。

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奥さまがお持ちだったクロスをトイレの壁に使いました。壁に凹凸を付けて立体感をつくり、クロス張りの部分を強調しています。

Photo gallery

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深澤 由梨 建築士

設計を終えて 店舗併用のご自宅の新築は、お店を経営され自ら先生もされている奥さまとのお打ち合わせが中心でした。もちろん奥さまと私の間には、依頼する・依頼されるという関係があります。しかし、時にはそのことも忘れて友達同士のように、一緒に考え、悩み、理想のキッチンを求めて街を歩き、楽しく家づくりを進めさせていただきました。建築の専門家であると同時に、いつもお客さまの傍らにいて同じ視線の高さで何でも相談いただける存在であること、それが私の理想です。そのような機会をくださった奥さまとご家族に、心から感謝しています。

深澤 由梨 建築士 Yuri Fukasawa

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