Designers File

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建築士 小澤 拓人
architectTAKUTOOZAWA建築士 小澤 拓人
TAKUTO OZAWATAKUTO OZAWATAKUTO OZAWA
architect
DesignersNo.
この土地、このお客さま、このチームだからこそ

完成した家を見て、「お客さまらしい住まい」「この土地だからこういう家ができた」と思えたら、家づくりがうまくいったと思っています。設計担当としての個性はあえて出さないようにしていますが、それでも滲み出てしまうもの。むしろ自分が設計したことが分からないくらいがちょうどよいと感じます。自分だけの考えにとらわれるのではなく、さまざまな関係者がいる中で、今回のチームメンバーだからこそ、こういう住まいになったと言える設計がしたいと思っています。

建築士 小澤 拓人
和室とつながったリビング・ダイニング最近の設計事例より
兵庫県Hさま邸

土地を訪れたときに、見通しがよく山を見渡せる敷地であることが印象的でした。どこに橋をかけると周囲の山がきれいに見えるのか検討し、朝の気持ち良い山並みの景色から夕焼けなど時間の変化も楽しめるような、外部空間を活かした家にしたいと思いました。また庭と建物を分離するのではなく、一体となるよう内と外とのつながりや調和を意識しました。

和室とつながったリビング・ダイニング最近の設計事例より
兵庫県Hさま邸

土地を訪れたときに、見通しがよく山を見渡せる敷地であることが印象的でした。どこに橋をかけると周囲の山がきれいに見えるのか検討し、朝の気持ち良い山並みの景色から夕焼けなど時間の変化も楽しめるような、外部空間を活かした家にしたいと思いました。また庭と建物を分離するのではなく、一体となるよう内と外とのつながりや調和を意識しました。

広い庭と一体化する平屋
内と外が一体化したLDK
黒御影石の天板が美しいキッチン
すっきりした2列型のキッチン
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敷地を活かし、広い庭と一体化する平屋。春夏秋冬、朝昼晩と景色が変わるので、全く飽きのこない住まいにご主人も大満足。

周囲の山脈を見渡す景色を楽しみたいというご要望を叶えた、内と外が一体化したLDK。敷地の南側に大開口を設け、デッキや庭とのつながりを保っています。

キッチンは黒御影石の天板がポイント。御影石に山の木々が反射して、一層美しく室内を彩ります。

玄関からLDKに入ると、正面に見えるキッチンの壁。圧迫感を与えないよう、目地の目立たないセラミックタイルを使用しています。

現場の感覚を設計に活かす

実際に現地に赴いて、その土地で感じたことを大事にしています。この土地の状況からすると、庭や窓をこの方向に設けても隣家の窓と被ってしまうとか、ここに小さな窓をつくればソファーに座ったときに空を眺めることができるなど、その土地の状況や周囲の環境を確認しながら、現場でしか分からないことをデザインに組み込んで設計に活かしています。

アプローチ
組子を採用した寝室
趣のあるトイレ
特徴的な長いアプローチ
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トンネルのようなアプローチの先には、水盤や庭の景色が広がります。アプローチの土壁や水盤に反射する光のゆらぎも楽しみの一つです。

寝室は和室と同様に組子を採用。壁には塗壁のほかに和紙を使い、室内の明かりが美しく映えるようにしつらえています。建具を開けるとモミジが見え、寝室からも自然が感じられます。

トイレ内にも砂利を敷き、外とのつながりを感じられるような落ち着きのある空間にしています。

特徴的な長いアプローチ。心地よい風が南から北へと流れます。斜め貼りの石と行燈が、心を落ち着かせる通り道となっています。

家づくりのチームワークを
大切にする

コミュニケーションを密に取るチームワークが大事だと感じています。お客さまに対しても、このチームだからこそ素敵な庭ができた、気に入った照明になった、きれいな納まりになったと話すことがあります。自分の色を全面に出すのではなく、チームの調和から素晴らしいものが生まれ、生産担当者やインテリア担当者など、チーム全員との信頼関係を構築していくことで、よい家づくりができると信じています。

場所によってつくりを変えた庭
寄棟の屋根が特徴の平屋
旅館のような玄関ホール
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庭のつくり方は場所によって変えており、さまざまな眺めを楽しめるようになっています。 雨も雪も雷の日も美しい自然の景色が味わえます。時には庭の松に月がかかるのを眺めながら晩酌も。

大きな寄棟の屋根が特徴の平屋。道路に面する北側中央の和室の両脇には2つの中庭を配し、屋根を抜けて空につなげています。

玄関ホールは旅館のような畳張りに。坪庭や左官壁が際立つように、畳は市松ではなく目を揃えて目立たないようにしています。

素材同士を調和させる

家づくりをするといろいろな素材を使用します。ひとつの部屋の中にも壁面の杉、建具のオーク、床のナラなど、木材だけでも複数使うことがあります。さらに塗壁や天井のクロスといった素材も加わる。こうした多くの素材同士をどう調和させるかで、住まいの落ち着きややすらぎ、癒しの空間ができあがっていきます。ホテルやレストランを参考にする人もいますが、実際に住むための家づくりでは目的が異なるので、素材選びの基準や照明計画も変わってきます。素材の質感にこだわり、見えないところも丁寧に設計し、日々の生活に癒しをもたらす「家らしい家」にすることが大事だと考えています。

建築士 小澤 拓人
建築士 小澤 拓人

設計を終えて

お客さまがご要望された「飽きがこない和風の家」になったと思います。季節ごとの植栽にも変化があり、庭と建物が一体化する庭屋一如となりました。訪れるたびに雰囲気の変わる住まいに、お客さまが喜んでいらっしゃることをとてもうれしく感じます。こだわりぬいた素材を使っているので、将来的な塗壁の割れや壁のムラなどの経年変化を楽しめる住まいです。長く住まわれることでより風情が感じられると思います。

取得資格

一級建築士

これから住まいづくりをする方への
メッセージ

家づくりを楽しんでいただければと思います。情報が溢れていますので、間取りにしても素材にしても、調べれば選択肢は無限にあります。全部の情報を知ろうとして疲れてしまい、本当にこれでよかったのかとネガティブな思いを持ってしまう人もいます。家づくりは本来楽しいことですので、それを忘れずにいてほしいと思います。

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