
心がぐっと動かされるような、感情に訴えかけてくるような、気持ちに響くデザインを目指しています。
窓先の木々の彩りや、床に映った揺れる木漏れ日、カーテン越しに入るやわらかな光、お気に入りの椅子が映える、気持ちの高まるキッチン……。
暮らしの中では、つい日常に追われがちになりますが、ふとしたときに、暮らしのアクセントになるような気持ちが加わると素敵だなと思います。
設計では形や素材を決めていくものですが、もう一歩考えを進めて、そこで暮らしたときに、五感に語りかけてくるような、心地よさや時間をつくりたいと考えています。

愛知県Sさま邸
土地探しからはじめて、複数のプランを提案しながら、徐々にプランの内容を詰めていきました。この環境を活かした設計をしてほしいというご要望に合うように、土地周囲の緑と庭の緑がつながるように取り入れて、広がりある住まいを考えました。

愛知県Sさま邸
土地探しからはじめて、複数のプランを提案しながら、徐々にプランの内容を詰めていきました。この環境を活かした設計をしてほしいというご要望に合うように、土地周囲の緑と庭の緑がつながるように取り入れて、広がりある住まいを考えました。
庭とのつながりが意識されるよう、ダウンライトのない美しい天井面をつくりました。
サッシのみ色を入れることで、外の景色を切り取ります。
天井は庭側へ傾斜する勾配天井とし、庭の木々へと視線を誘います。玄関の窓も視界に入れることで開放感を演出しています。
寝室からも南の庭につながり、明るく風の通る空間としています。夜は重心を下げた照明が落ち着き感をもたらします。
空間にやわらかさをもたせることを大切にしています。建物の形や質感により印象が左右されますが、 無骨な印象をなくし、やすらぎが得られるように、 あたたかく包まれるような空気感になるように意識しています。
素材の肌触りや光、影といったことも考えながら、空間づくりをしていきます。例えば、 カーテンひとつとっても、生地の細かさや厚み硬さで室内に入ってくる光と影は異なってきます。 目隠しとしてのカーテンが室内にどんなふうに作用するかまで念入りに考えています。
観葉植物の緑や家具が際立つ空間としています。
庭の景色を切り取る玄関。正面のイロハモミジが空間を彩ります。
隣地の緑が気持ちよい2階の読書スペース。 窓を開ければ1階リビングからスッと風が抜けます。
背景となるように
家具はもちろん、植栽も含めて、お客さまがお気に入りを飾ったときに、一番輝いて見えるように壁や天井ひとつとっても美しく見えるようこだわっています。
日中差し込む自然光や夜の照明のあたりかた、素材にどんな風に光が反射するか、光が鋭い印象になっていないかなど、丁寧に確認をして形や素材を決めています。
そんな背景を用意することで、暮らしの何気ないシーンが絵になる、特別に感じるといった時間がつくれたらうれしく思います。
季節ごとに木々が彩る外観。隣地公園の雰囲気と馴染むよう砂利とコンクリート板を組み合わせたアプローチです。
書斎の窓から庭木の先に隣地の公園の緑が広がります。道路からの視線は室内に入らないよう距離と高さを調整しています。
アウトドアグッズを収納できるエントランスクローク。屋根勾配を利用して、天井を高くすることでたっぷり収納できます。
お客さまやその土地に合った家づくりを意識しています。
お客さまの人柄や土地の環境に馴染む設計ができると暮らしが活き活きし、みずみずしいものになると考えています。
お客さまの価値観やライフスタイルと土地の個性を編み込むようなイメージで設計し、良い意味でお客さまにとって普通に感じられる状態を目指しています。その状態こそが価値観やライフスタイルに馴染んだ状態だと思っています。

空の広がる気持ちのよい庭。リビングとつながるウッドデッキは、2階の部屋をセットバックすることで開放感をプラスしています。

道路側の開口部は2階のライブラリースペースと書斎の小さな窓のみ。植栽の樹形が上品さを添えています。

設計を終えて
家づくりに情熱のあるご夫婦で、土地の使い方から細かな仕様まで、じっくりお打合せしながら進めることができました。
竣工しお客さまに愛着を持って暮らしていただき、とてもうれしく思います。
設計する上で、暮らしをイメージし工夫を凝らしますが、設計の想像や想定を超えて、お客さまなりの暮らしを見つけ、楽しんでいただけたら幸いです。
取得資格
一級建築士
これから住まいづくりをする方への
メッセージ
些細なことでも家づくりへの想いやご要望をお伺いします。
家づくりにはたくさんのご要望があるかとは思いますが、動機となる部分を大切にしていきたいです。 なかなか出てこないかもしれませんが大丈夫です。家づくりへの想いをお伺いし、「こんな暮らし方をしたい」や「こんな時間を大切にしたい」といった家づくりの目的や動機に結びつくコンセプトを一緒に見つけ、ご提案させていただきたいと思います。