Designers File

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建築士 林 真弓
architectMAYUMIHAYASHI建築士 林 真弓
MAYUMI HAYASHIMAYUMI HAYASHIMAYUMI HAYASHI
architect
DesignersNo.
お客さまらしい住まいを

住宅は公共の建物とは異なり、お客さまのためだけの個人的な空間です。その設計は、お客さまの人柄や好きなもの、ライフスタイルに触れることができる、楽しくやりがいのある仕事だと思っています。
打ち合せでは、一方的にご要望を聞くのではなく、目の前のお客さまがどんな人なのかということを考えながら、丁寧に描き起こしていきます。
その結果として生まれる住まいは、世界に一つしかないその人たちだけのものであってほしいと思っています。

建築士 林 真弓
光の差し込む穏やかな室内最近の設計事例より
大阪府Tさま邸

「人を招くのが好きで 、おもてなしを楽しまれているご夫婦。みんながゆったりとくつろぎ、日当たりや風を楽しめる住まいにしたい」というご要望をいただきました。土地探しからご一緒し、ご夫婦の暮らし方がこの土地で余すことなく活かせる住まいを考えていきました。

光の差し込む穏やかな室内最近の設計事例より
大阪府Tさま邸

「人を招くのが好きで 、おもてなしを楽しまれているご夫婦。みんながゆったりとくつろぎ、日当たりや風を楽しめる住まいにしたい」というご要望をいただきました。土地探しからご一緒し、ご夫婦の暮らし方がこの土地で余すことなく活かせる住まいを考えていきました。

階段下に設けたくつろぎスペース
高窓からの光を採り込むソファスペース
開放的な庭
1

階段の下にはお気に入りのベアチェア。白い壁に鮮やかな色彩が映えます。圧迫感のないスケルトン階段の下は、ほどよい籠り感が落ち着きます。

南側に設けた高窓から、光が差し込む吹き抜けの ソファスペース。近隣からの視線を遮りつつ、自然光を効率的に採り入れることができます。

お茶や食事も楽しめる、緑豊かな庭。ジューンベリーやブルーベリー、ブラックベリー、サクランボなど実の成る樹木を植えました。

決めつけず、
つくり込みすぎない

空間には名前がなくてもいいと思っています。
「玄関」「リビング」「寝室」という既成概念をできるだけ取り去って、お客さまがどう暮らしているか、どう暮らしたか、なにが好きか、そんなことだけを考えてひとつずつ必要な空間を積み上げていく。その結果、「ご飯を食べると心地よい場所」とか「ソファがあって光がやさしく差し込む所」のような、少し流動的な場ができるといいなと思っています。

遊び心も兼ねた棚スペース
棚スペース
たくさんの素材を組み合わせた室内
風にそよぐカーテン
落ち着いた書斎スペース
1

西側の窓際には三角形の棚を設けました。こうするだけで意識が向い、腰掛けたりものを飾ったり、「何かしたくなる」アフォーダンスが生まれる気がしています。

たっぷりの日を浴びた植物の影が、室内で楽しげに揺れます。 ソファスペースの景色を彩る癒しの風景のひとつです。

床のタモやソファ背面の手仕事のタイル、天井のオークなど、素材の絶妙な組み合わせで空間のやわらかさをつくります。

玄関ドア前には透け感のあるリネンのカーテンを。玄関ホールはあえて設けていない大胆なプランです。

2階ホールの書斎コーナー。1階ソファスペースの吹き抜けと併せて天井高を検討し、あえて低めの天井に。ご要望の一つでもあった籠り感のある空間になりました。

暮らしとともに展開する
情景をイメージする

朝起きて何が見えて、どのように光が差し込み、どんな風が入って、どこに誰がいて、どんなふうに話をして。
この季節になったから、この場所 にこういう光が入ってくる、夏の太陽の意外な高さ、冬の穏やかな日差し。この 家 で過ごす日々を愛おしく思えるように、何気ない日常を思い描きながら設計したいと思っています。
時間と季節と自分たちの暮らし、全てがリンクしていくような住まいになるようイメージを膨らませていきます。

庭へと誘う楽し気なデッキ
2通りのアプローチを設けた外観
くつろぎも兼ねた書斎スペース
細部にまでこだわった洗面室
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居間とお庭をつなぐウッドデッキ。つい歩きたくなるような桟橋型でお庭へと誘います。

さまざまな樹高を組み合わせた、季節ごとの彩りを楽しめる豊かなデザインの外観。視線を考慮し、道路側の1階には窓を設けていません。

書斎コーナーの窓側にはベンチを設置。窓からは桜の木が見え、仕事の合間に気分転換の場所としても最適です。

楕円の鏡と真鍮が目を引く洗面台。横長のカウンターは朝の支度でも大活躍です。

設計担当者が私であることの意味を考え、自らも楽しむ

例えば、友達の家をつくるとなったら、とてもワクワクしてよいものをつくりたいと思いますよね。その気持ちをずっと大事にして、すべてのお客さまに同じ気持ちで向き合いたいと思っています。だからこそお客さまのことを知りたいし、私自身も楽しみながら打ち合わせしています。そこには私とお客さまだからこそ生まれる新しい価値があると思うのです。

建築士 林 真弓
建築士 林 真弓

設計を終えて

最初にご相談をいただいてから本当に長いお付き合いで、いつも楽しくお話しさせていただきました。
竣工後、お伺いするたびに家具の位置が変わっていたり、小物が増えていたりして、「ここからこういう風景がいま見えていて、あそこの緑の葉っぱがいますごくきれいでね」とにこにこと教えていただけることがとてもうれしいです。
生き生きとその方らしい暮らしがそこで営まれていること、その場をつくる手助けができたのかなと思える瞬間を見せていただけることこそが、私の設計のモチベーションとなっています。

取得資格

一級建築士

これから住まいづくりをする方への
メッセージ

自分の内側に興味を向けて住まいづくり自体をぜひ楽しんでください。周囲にはたくさんの情報があふれていて、ついついそれに目を向けてしまうことも多いかと思います。
しかし、きっと住まいづくりの根幹はそんなところにはありません。
こう言っている人がいたとか、ネットに書いてあるからとか、理由を外に探しに行くのではなく、自分たちがどんな暮らしをしたいのか、自分の内側にまず興味を向けて、それをこの機会にちゃんと考えてみることが大切だと私は思います。
朝ご飯をみんなで食べたいとか、日向ぼっこをして過ごしたいとか、そんな理想のシーンを浮かべて、私たち設計者と楽しく打ち合わせをしてみてください。
そんな風に打ち合わせをした家はあなたらしい素敵なものになります。

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