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建築士 宮川 礼次
architect

REIJIMIYAKAWA建築士 宮川 礼次

REIJI MIYAKAWAREIJI MIYAKAWAREIJI MIYAKAWA

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土地とお客さまとの出会いを大切に

設計は土地ありきの仕事です。土地の条件は設計を考えるうえでとても重要な要素です。同じお客さまでも土地によって当然プランは変わってきますし、同じ土地でもお客さまによってプランはまったく違うものができます。ハウスメーカーの仕事で楽しいのは、たくさんのお客さまと出会えることです。さまざまな職業の方がいて、さまざまな考え方、暮らし方があり、毎回多くの刺激を受けています。そして、何度も打ち合わせを重ねるうちに、住まいに対する想いを知ることができます。それを設計に反映させることで、その方らしい住まいがかたちになっていきます。

建築士 宮川 礼次
庭に面したリビング・ダイニング最近の設計事例より
東京都Aさま邸

海外生活の経験もあるご夫婦は「緑に囲まれた環境で暮らしたい」と、公園に隣接する土地を購入。シャレーと呼ばれるスイスの山小屋風の住宅を要望されました。そこで、公園側に植栽を配して庭を設け、プライバシーを守りつつ光を採り込むプランをご提案。室内は木質感あふれるオープンな空間で、緑に包まれながら大人数でのホームパーティを楽しまれているそうです。

庭に面したリビング・ダイニング最近の設計事例より
東京都Aさま邸

海外生活の経験もあるご夫婦は「緑に囲まれた環境で暮らしたい」と、公園に隣接する土地を購入。シャレーと呼ばれるスイスの山小屋風の住宅を要望されました。そこで、公園側に植栽を配して庭を設け、プライバシーを守りつつ光を採り込むプランをご提案。室内は木質感あふれるオープンな空間で、緑に包まれながら大人数でのホームパーティを楽しまれているそうです。

オーク床と現し梁が広がるLDK
2面採光とテラスに面した主寝室
床と天井材が連続するバルコニー
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大開口から庭の緑を望むリビングダイニング。現し梁の天井と石張りの壁が調和し、自然素材に包まれた温もりのある空間をつくっています。

庭に面した主寝室は、奥まった配置で視線を遮りながら、2面の窓からやわらかな光と緑を取り込みます。

2階の室内からバルコニーと緑を望む空間。床と天井の木質が外部とつながり、自然を身近に感じられます。

窓の取り方で
土地の魅力を活かす

設計で大切にしているのは、その土地でしか得られない魅力を見つけ出し、心地よい空間として引き出すことです。例えば、公園に面した恵まれた立地では、緑の景色を暮らしに取り込むことが設計の鍵になりました。ただし、開放感とプライバシーは常に背中合わせ。だからこそ、窓の取り方には特に気を配ります。視線の抜けを確保しながらも、庇や壁、テラスの設えでやさしく視線を遮る。カーテンを閉めずに過ごせる、安心と心地よさが同居する空間を目指しています。

石貼り壁と木天井の玄関ホール
テラスに面したダイニング
庭を望むタイル貼りの浴室
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石張りの壁と木の天井で構成された玄関ホール。間接照明が素材の質感を引き立て、落ち着いた印象を演出します。

木の天井と床に包まれたダイニングは、奥に広がるタイル敷きのテラスと庭が、開放的な食の空間をつくっています。

大きな窓から庭の緑を望む浴室は、石調タイルの落ち着いた空間で、湯に浸かりながら静けさを楽しめます。

対話から導かれる心地よさ

設計ヒアリングでは、「子ども部屋が2部屋ほしい」「LDKは何畳でほしい」といった具体的なお話が多く出てきます。でも、雑談のなかでふと語られる「好きな時間の過ごし方」や「以前の住まいの記憶」こそ、その方らしい暮らしをつくるヒントになることが多いと感じています。「開放感がほしい」というご希望ひとつとっても、どこまでオープンにするかは人それぞれ。ご家族の気配や趣味、日常の過ごし方を一緒にたどりながら、そのご家庭だけの心地よさを見つけていきたいと思っています。

タイル床のダイニング・キッチン
防音と遮光仕様のオーディオルーム
三面採光で緑を望むトレーニングルーム
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モノトーンでまとめた、機能性と美しさを兼ね備えたキッチンは、お料理をしながら庭や家族の様子を見渡せる設計です。

ご主人こだわりのオーディオルームは、本格的な音響設備を備えた贅沢な空間。音と映像に没入しながら、上質なひとときを楽しめます。

緑を望む眺めのトレーニングルームは、ご主人の書斎を兼ねた集中とリフレッシュのための空間です。

限られた条件から最善を探す

家づくりには、たくさんのご要望と、それをとりまく制約があります。設計の仕事は、そのすべてをただ叶えることではなく、何を大切にし、どう整えるかを一緒に考えていくことだと思っています。お話を重ねるなかで、「これだけは譲れない」という強い想いや、逆に「やってみたいけど、なくても大丈夫かも」という本音が少しずつ見えてきます。そうした声を丁寧に整理し、本当に必要なことにしっかりと力を注ぐ。限られた条件の中だからこそ、ご家族にとって納得感のある住まいが生まれると信じています。

建築士 宮川 礼次
建築士 宮川 礼次

設計を終えて

緑豊かな環境にこだわって土地を選ばれたAさま。都心ではなかなか出会えない素晴らしい土地で、私自身もやりがいを感じました。また、海外生活の長いご夫婦のお話はとても興味深く、設計においてお客さまの力は大きかったと思います。この家は公園側に配した高木や生垣、庭のグランドカバーなど植栽も重要な役割を果たしています。竣工してから3年経ち、緑が良い感じに育って環境になじんでいたのもうれしかったです。

取得資格

一級建築士

これから住まいづくりをする方への
メッセージ

今の時代は、家づくりに関する情報があふれています。SNSなどを見て参考にしたり、イメージを膨らませたりすることは、決して悪いことではありません。ご自身の大切な家なのですから、ご自身で情報収集して勉強するのも大事なことだと思います。ただ、それだけに頼るのではなく、ご自身の感覚も大切にしていただきたいです。これまでの暮らしのなかで体験してきたことをいま一度振り返り、自分らしい住まいづくりを見つけてほしいと思います。

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