相続した土地の活用方法5選。
使い道をどうするか悩んだときの選択肢

土地を相続すると、使い道がないからといって放置をしても、毎年固定資産税を負担し続けることになります。また、雑草が生えて荒れ地になり、ゴミが不法投棄されるなどのデメリットもあります。
そのため、土地をせっかく相続したのなら、有効に活用したいものです。
しかし、相続した土地が近所にあればよいですが、遠方にある場合は管理が難しいからと、活用方法に悩む方もいるようです。
具体的な土地の活用方法を確認してみてから、実際にどうするかを検討してみましょう。
相続した土地はどうする?活用するとメリットがたくさん!
土地をどのように相続するか、また相続した後はどのように活用、使用するのかといった取り決めは、相続が発生する前から親族間で話を進めておくことをおすすめします。
活用するべきか売るべきかといったことも考えなければなりません。
しかし、相続した土地を売却するのはいつでも決断できます。土地活用にはメリットがたくさんあるので、まずは活用を検討して、どうしても難しい場合に売却を検討すべきでしょう。
相続した土地を活用することで得られるメリットについて紹介します。
相続前の話し合いが重要
まだ相続前なら、誰が土地を相続するのかを話し合っておくことが大切です。
そのとき、共有名義は可能な限り避けることをおすすめします。共有の土地は、基本的に共有者全員の合意がなければ、活用どころか売却すらできません。
また、建物を建てるのか土地で活用するのか、使い道を決めることも重要です。この点は、土地活用における投資と回収に関わります。一般的に、土地での活用は投資と回収が小さく、建物を建てる活用は投資も回収も大きいです。
いずれにしても、長期的な資産運用となることを踏まえると、誰がどのように土地を使うのかは、家族内で十分に話し合っておく必要があります。
土地の活用をおすすめする理由
土地活用の最大の魅力は、何といっても継続的に収入を得られることでしょう。保有しているだけでコストが発生する不動産では、少なくとも保有コストをカバーできる収益がないと、いわゆる「負動産」になってしまいます。
また、住宅の敷地は、更地の場合より一定面積の固定資産税が大幅に軽減されるというメリットがあります。今後起こる自分の相続においても、住宅の敷地は評価減を受けられて節税効果が非常に高いです。
将来の予定が見えておらず活用に踏み切れないとしても、土地を放置するのは一番よくない選択といえます。いったんは土地で活用しておき、将来的に別の用途で使うことを検討するとよいでしょう。
活用と売却の比較
売却は土地を現金化する「資産転換」に過ぎませんが、活用は土地を維持しながら現金を増やしていく「資産運用」です。相続してすぐに売ってしまうなら、現金ではなく土地を相続した意味がありません。
売却すれば管理や税負担から解放されますが、必ずしもすぐに売れるとは限りません。逆に、すぐに売れるほどニーズの高い土地であれば、それだけ活用にも向いているといえ、安易に売ってしまうのは「もったいない」ケースもあるでしょう。加えて、売却には税率の高い譲渡所得税が発生する点もマイナス材料です。
仮に、うまく活用できなかったとしても、活用時に建てた建物はそのまま投資物件として投資家などに売却できます。活用と売却では、活用から先に考えるのが資産運用の視点で理にかなっているといえます。
土地活用を始める前に確認すべきポイント
相続した土地をいきなり活用に踏み切ると、想定外のトラブルや赤字経営につながることがあります。具体的な活用方法を検討する前に、以下のポイントを確認しておきましょう。
立地・周辺環境を確認する
土地活用の成否を左右する大きな要素が、立地と周辺環境です。最寄り駅からの距離や道路への接続状況、近隣にある商業施設や学校といった生活インフラの有無によって、需要は大きく変わります。
例えば、アパート経営であれば単身者向けか家族向けかによって最適な立地条件は異なりますし、駐車場であれば近隣住民や周辺への来訪者の駐車需要があるかどうかが重要です。土地の周辺を実際に歩いて確認するほか、近隣の不動産会社に話を聞いてみるのもおすすめです。
用途地域や建築制限を確認する
土地には、都市計画法に基づいて住居系・商業系・工業系などの用途地域が定められており、建てられる建物の種類や規模に制限があります。建ぺい率や容積率、高さ制限なども用途地域ごとに異なるため、希望する活用方法が法律上可能かどうかを事前に調べる必要があります。
防火地域や準防火地域に指定されている場合は、建築コストが上乗せされることも珍しくありません。役所の都市計画課などで確認するか、施工を依頼する不動産会社や建築会社に調査を依頼すると確実です。
土地の広さ・形状・接道状況を確認する
土地の広さや形状によって、選べる活用方法は変わってきます。旗竿地や三角地のような不整形地は、建物の設計に制約が出やすく、選択できる活用方法も限られやすい傾向です。
接道状況も重要なチェックポイントです。建築基準法上の道路に2m以上接していない土地は、原則として建物を建て替えられない「再建築不可」となるおそれがあります。土地の測量図や登記情報を取得し、正確な広さや接道状況を把握しておきましょう。
相続人が複数いる場合は共有名義に注意する
相続人が複数いる場合、土地を共有名義で相続してしまうと、活用や売却の際に共有者全員の合意が必要になり、身動きが取りにくくなります。誰か一人でも反対すれば計画が進まないため、トラブルの火種になりやすい点に注意が必要です。
できるだけ単独名義で相続するか、土地を分割して各自が所有する「分割」、特定の相続人が土地を取得して他の相続人に金銭を支払う「代償分割」など、共有を避ける方法を検討するとよいでしょう。すでに共有名義になっている場合は、早めに共有者間で活用方針を話し合っておくことが欠かせません。
相続した土地の活用方法5選
土地活用は、建物を建てるか土地で使うか、大きく分けて2通りあります。
結論からいうと、それぞれの初期投資と収益性が違うとはいえ、トータルでの投資効果を考えると、アパートを建てて経営する方法がおすすめだと考えられています。
しかし、土地の条件によってはほかの活用方法を選んだほうが効果的なこともあるため、選択肢は増やしておきましょう。
アパート経営
アパート経営は、建物への初期投資は大きいですが、土地と建物を担保に資金を借り入れられます。そのため、よほど地価の低い土地でなければ、多額の自己資金までは必要としません。周辺の家賃相場を参考にして、収益性を事前にシミュレーションできるのも利点です。
また前述のとおり、住宅の敷地は一定面積の固定資産税が軽減されます。その適用面積は戸数に比例する特性上、戸数の多くなるアパート経営は群を抜いて節税効果が高く、相続税評価においても軽減を受けられます。
一方で、建物が古くなると、修繕などの費用がランニングコストとして発生します。しかし、運用益から捻出できるため、入居率さえ確保できれば経営は安定的です。
駐車場
駐車場は、未舗装ならほとんど初期投資を必要とせず、ローリスクローリターンの始めやすい土地活用です。ただし、未舗装では砂利の飛び石による車への傷などのトラブルになりやすく、できれば舗装するのが望ましいでしょう。
また、中心市街地に近い場合を除き、利用者は周辺住民がメインでしょう。そのため、周辺に駐車場がないか、駐車場の少ない集合住宅があるか事前にチェックすることが重要です。
太陽光発電
投資効率を考えると、広くて周りに高い建物がない土地に向いている太陽光発電ですが、近年の電気料金高騰で、自家消費のニーズが高まっています。普及当初とは異なり、売電よりも電気料金の削減で間接的に回収していくほうが現実的かもしれません。
ただし、住宅密集地では、周りの建物で日照が遮られたり、反射光トラブルを起こしたりするおそれがあるため注意しましょう。
また、補助金のある都道府県や市区町村では、初期投資を抑えるため、積極的に補助金を利用したいところです。
トランクルーム
主に都市部での需要があるトランクルームは、いわば物置をレンタルする事業のため、それほど管理に手間はかかりません。屋内型と屋外型があり、建物を必要とする屋内型は当然に初期投資が大きくなります。
難点としては、アパート経営のような借主の仲介システムがなく、借主が見つかるまでに苦労するおそれがあります。また、どれくらいの需要があるか、事前に把握しにくい傾向もあります。
土地のみを貸す
土地を提供する以外は、基本的に自分で何もしなくてよい方法です。土地を提供したあとは、住宅用の敷地や店舗用の敷地、資材置き場などに使われます。地価に応じた地代収入を得られますが、やはり収益性では劣るので優先して検討する活用ではないでしょう。
また、建物を目的とした土地の賃貸借には、借地権が発生して借主の土地利用権は保護されます。したがって、長期間土地を返してもらえないリスクがあることは覚えておきましょう。
相続した土地活用で失敗しないためのポイント

土地活用は長期にわたる資産運用です。始める前の準備を怠ると、せっかく相続した土地が負担になってしまうこともあります。失敗を避けるために押さえておきたいポイントを紹介します。
周辺の需要を調査する
どのような活用方法であっても、周辺地域の需要を把握することが欠かせません。アパート経営なら近隣の人口動態や賃貸需要、空室率、駐車場なら周辺の駐車場不足の状況など、活用方法に応じて調べるべき内容は異なります。
需要調査を自分だけで行うのは難しいため、複数の不動産会社に相談して、土地の特性に合った活用プランや市場性についての意見を聞き比べてみることをおすすめします。
収支シミュレーションを行う
土地活用を始める前には、初期投資額や毎年の収入・支出を具体的に数字でシミュレーションしておくことが大切です。建築費や設備費といった初期コストだけでなく、固定資産税や修繕費、管理委託料などの運用コストも含めて検討しましょう。
ローンを利用する場合は、金利の変動や返済期間によって収支が大きく変わるため、複数のパターンで試算しておくと安心です。楽観的な見込みだけでなく、空室や賃料の下落といった悪条件を想定したシミュレーションも行っておきましょう。
長期的な資産運用を見据えて判断する
土地活用は数十年単位で続く資産運用であるため、目先の収益だけで判断すると、将来的な状況の変化に対応できなくなるおそれがあります。人口減少や周辺エリアの開発計画、自分や家族のライフプランの変化なども踏まえて、長期的な視点で活用方法を選ぶことが重要です。
将来的に活用方法を見直す可能性も考慮し、用途変更や売却がしやすい形で土地活用を進めておくと、状況の変化にも柔軟に対応できるでしょう。
相続した土地に賃貸物件を建てるときの注意点
アパートなどの賃貸物件は、入居者の生活基盤となる住居を貸して家賃を得ます。そのため、入居者が不満を持たないように適切な管理をする必要があります。また、相続では共有関係でトラブルになりやすいのも、経営の安定を目指すうえで軽視できません。
できれば、アパート経営について第三者の客観的なアドバイスを受けられるとなおよいでしょう。身近なところでは、仲介や管理を依頼する不動産会社が、その役割を担ってくれます。
相続した土地に賃貸物件を建てるときに注意したいポイントを紹介します。
管理方法を決めておく
アパート経営が始まると、物件や設備の管理、入居者へのクレーム対応、経理や税務など、多くの管理業務が発生します。自分で管理できる場所ならよくても、相続した土地が遠方にあると、管理を不動産会社に委託する必要があります。
遠方地に限らず、本業があるサラリーマン大家や複数のアパートを所有する大家は、むしろ管理を委託しているのが一般的で、自分で管理をしなくてもアパート経営は十分可能です。管理委託料の相場としては、業務内容で異なりますが家賃の5%が目安です。
共有で土地を相続した場合
共有で相続した土地にアパートを建てる場合、金融機関から融資を受けるときに、原則として土地全体を担保として提供します。各共有者の持分割合はそれぞれ決まっていても、融資の担保にできる土地はひとつしかないからです。
必然的に、共有者全員の同意が不可欠です。また、自分の共有割合を超えて土地全体を使うことになるため、持分割合に応じた地代を各共有者に支払う必要があります。
また、アパートも共有するなら、家賃収入を持分割合で分配しなければならず、収支管理や経営方針を巡ってトラブルになりやすいため、できるだけ共有は避けましょう。
まずはアパートの建築が得意な会社に相談しよう
アパート経営は、地域ニーズの把握や管理面でノウハウが必要です。現にアパートと深く関わり、数多くの成功と失敗を見ている不動産会社が、経験則を含めて詳しいのは間違いありません。
そのため、アパート経営に慣れるまでは、建築段階から不動産会社にアドバイスを受けておくと、安定した経営に必ず役立ちます。まずは、アパート建築が得意な不動産会社に相談してみてはいかがでしょうか。
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