国内森林事業
国内に総面積約4.8万haの社有林を所有しており、SGECの森林認証を取得するなど、生物多様性の保全等を含め、適正な森林管理を行っています。また、ICTを活用した現場作業、施業計画の立案から地域材のマーケティングまでコンサルティングする「森林アセットマネジメント事業」も展開しています。
海外森林事業
パプアニューギニア、インドネシア、ニュージーランドで、植林木の生産を目的とした大規模な「産業植林」を展開し、生態系の保全と地域社会の発展に貢献しています。
また、地域社会と協働して行う「社会林業」や、環境保全を目的とした「環境植林」に、主にニュージーランドで取り組んでいます。
環境エネルギー事業
木材を燃料に利用する木質バイオマス発電事業を展開しています。建築廃材などを燃料に利用し、資源の有効活用を進める「都市型バイオマス発電」と、間伐材や林地未利用木材などを燃料として、森林の価値を高め、地域の雇用創出、経済にも貢献する「山間地型バイオマス発電」があります。
Feature
住友林業のサステナビリティ事業のルーツ。
経営理念の原点となる「大造林計画」と「保続林業」
住友林業の森林経営は、別子銅山(愛媛県新居浜市)での銅山備林経営から始まりました。
1691年(元禄四年)、現在の愛媛県新居浜市に別子銅山が開坑され、住友は鉱山業とその関連産業を家業の軸に据えて発展を遂げました。その一方、銅山開発が進むにつれ、銅製錬時の煙害や木材の伐採によって、周辺の森林が荒廃の危機を迎えていました。当時の別子支配人 伊庭貞剛は「国土報恩」という考えのもと、1894年に失われた森を再生させる「大造林計画」を樹立し、保続林業という理念を掲げ、多い時には年間250万本を超える大規模な植林を実施しました。その結果、別子銅山の山々は、現在のような豊かな緑を取り戻すようになりました。
この大造林計画が一段落した後、住友林業は、森林の維持・育成や伐採・製材にも力点を置くようになり、持続可能(サステナブル)な経営である保続林業を確立させました。
「木を植え、森を育み、資源として活用し、使った分はまた植える。」この循環型で持続的な林業の考え方は、ESGやSDGsなどの言葉が使われる以前から、当グループのDNAとして刻まれ、経営理念として受け継がれています。
1881年の別子銅山
現在の別子銅山
森林事業を全国へ、そして世界へ
豊かな自然環境と林業の共生で、持続可能な社会を実現
森林経営事業は当社グループの「木を軸にした再生循環型事業」の根幹をなす事業です。
これまで、国内で培った社有林経営を世界へ展開していくことで、世界各地で顕在化しつつある社会・環境課題に貢献しています。
適正な管理で森林の公益的機能を保持
住友林業グループは、国内で総面積約4.8万ヘクタールの社有林を、海外で管理保有面積約23.1万ヘクタールの植林地を管理しています。これらの森林で下刈り、枝打ち、間伐など、育林のための適正な管理を実施することで森林の公益的機能の維持・向上に努めています。
国内外の森林管理・保有等面積(2020年12月末現在)
森林の公益的機能
自然資本としての森林は多様な役割をもち、人々の生活に高い価値を提供しています。
CO2吸収源
木材生産
生物多様性
土砂災害など
の防止
水源かん養
レクリエーション
健全かつ適切な森林管理によって機能が維持される
木の機能(CO2の吸収、固定、削減機能)
木は成長時に光合成によってCO2を吸収し、それを炭素として固定します。また、炭素固定量は高齢になるほど減少するため、年齢が高くなった木は伐採してまた植林することで、森林が若返り、炭素固定量を増加させることができます。
樹齢と炭素固定量の推移(模式図)
つまり、森林・林業にとってのサステナブルとは、「植えて→育てて→伐って→使って→また植える」という循環をしっかりと回していくことです。再生可能な資源である「木」を人がしっかりと管理することで、未来永劫、利用可能な資源として、その価値を十分に発揮していくことができます。
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ふやせば、減らせるんだって!
住友林業は、アスクル、ヤンマーと共同で、ベトナム・ディエンビエン省でのREDD+実証活動に取り組んでいます。
森から世界を変えるREDD+プラットフォーム
住友林業は、REDD+の活動推進に向け、民間企業・団体、政府機関、研究機関等が、情報・経験を共有し、協働していく「森から世界を変えるREDD+プラットフォーム」に参加しています。