新任社外取締役からのメッセージ

助野 健児

複合的な視点を持った議論で住友林業のガバナンスに貢献していきます

社外取締役 助野 健児


 取締役会の実効性を高めるための要諦は、各取締役に必要十分な情報を共有し、活発な議論を行うことです。現在のコーポレートガバナンスを取り巻く論調は、取締役の国籍・性別・独立性の割合といった形式や属性にやや偏り過ぎているように思います。将来にわたって住友林業グループが世の中の信頼を獲得し続けるために、何をすべきかを複合的な視点からしっかりと議論していくこと、これがガバナンスの基礎と考えています。そのために最も大切なことは、属性に関係なく各々の取締役がもつ専門性を活かして、執行の方向性が世の中の価値観や常識から外れていないかをモニターし、知見の提供や提言を行うことであると言えます。

 ファイナンスの面では、最近、投資家等から厳しい見方をされているのが「財務規律」です。売上高や営業利益を上げていくことはもちろん大切なことですが、これと同じレベルで、ROICやCCCといったキャッシュフローの健全性がしっかり保たれていることが求められます。いわゆる「勘定合って、銭足らず」では企業として評価されないということです。

 昨今の地政学的リスク、大国の一方的な政策や対抗措置による国際秩序の混乱、経済の停滞など、経営を取り巻く環境は厳しさを増していますが、長い歴史をもつ住友林業グループの企業価値向上のために、これまでの経験で培ってきた私なりの視点から経営を俯瞰し貢献していきたいと思っております。

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