ニュースリリース
(2016年)

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2016年02月15日

東松島市避難施設を着工
~人に優しい木造の公共避難施設実現に向けて~

  住友林業株式会社(社長:市川 晃、本社:東京都 千代田区 以下、住友林業)は、東松島市(市長:阿部 秀保)の防災避難施設(以下、本施設)を本日2月15日に着工いたしましたのでお知らせいたします

  本施設は東松島市の募集に対し当社の「木」の良さや特徴を活かした提案が採択され、東松島市本庁舎の敷地内建てられる予定です。平時には会議、研修、車庫等のためのスペースとして活用しながらも、万一の災害発生に備え、避難者の受け入れ、炊き出し、支援物資の保管等の復旧支援活動が行える避難施設です。

  被災地において、木造応急住宅で生活される方々から、「木の香りや木肌の柔らかさ・温かみが感じられる」、「非木造仮設住宅に比べて結露が少ない」という評価が得られているという事実から、木造建築物をベースにした中規模の防災拠点の設計提案を行いました。

  本施設の避難スペースは、バリアフリーは勿論のこと、当社オリジナル構法であるBF構法の技術を活用することで大空間を創り出すとともに、可動式の間仕切りを設置することで、平時は柔軟な空間構成で使い勝手の良い多機能施設として、有事の際は乳幼児や要介護者など要配慮者のプライバシーを確保できる過ごしやすい空間を実現します。

  また木材が人の生理面や、心理面に良い影響を与えるという研究も報告されていることから、内部空間は構造材の梁を現しとし、床は東北産材のフローリングを採用することで木質空間を実現しています。その他、自然光を取込むための天窓を採用することで、やわらかな日差しと木のぬくもりが感じられる空間を創り出します。

  2010年10月に「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」が制定されるなど、公共建築物の木造化の流れを受け、東松島市をはじめ、各地で木造化、木質化された公共施設の建設が進むことが予想されています。当社グループは今後も木を活かした空間の提案と実現に向けて積極的に取り組んでまいります。

■背景

  東松島市では、東日本大震災時に本来避難所ではなかった本庁舎へ避難された方が多く、その避難者に対し、十分な支援が行えないという状況が発生いたしました。本市はこれらの経験から、緊急的な避難施設としての公共施設の重要性を認識し、今回の避難施設の新設に至りました。また、東日本大震災発生時の避難所では設備上、プライバシーの確保や音の問題など、快適な生活を担保するには難しい状況にあったことから、避難者の方々の疲労の蓄積や心身機能の低下など、健康への影響があったと報告されています。そのため本施設ではすべての人が安心して過ごせるよう配慮した避難スペースを提案しています。

■本施設の主な特長
 ①機能性を兼ね備えた設備と美しいデザイン

・耐震性 地震に強い木造梁勝ちラーメン構法
・耐火性 鉄骨造よりも火災による強度低下が遅い木造建築物を採用
準耐火45分を担保
・冠水対策 冠水可能性50cmのエリアであることから、基礎高さ55cm程度とし、エントランスドアに防潮板を設置
・バリアフリー設計 子供でも大人でも利用できる2段手すりと、車いす利用者に配慮したエレベーターを設置
・デザイン性 建物高さを抑制し、シンプルな片流れ屋根とすることで、落ち着きのある美しいデザインを実現

 ②平時でも、避難時でも居心地の良い空間

・自然光を活かした設計 木製水平ルーバーと縦ルーバーで西日を制御
トップライトで採光と通風を可能に
・木のぬくもりを感じる空間 東北産材の無垢フローリング
木の構造をそのまま室内に現した天井梁

 ③非常時への対応

・冷暖房設備 停電時も自立運転し、照明の使用も可能にする、非常用発電付ガスエンジン・ヒートポンプ・エアコン
・トイレ 断水時にも利用可能なマンホールトイレを常備
・雨水タンク 断水時にも一部トイレに利用可能な雨水貯留施設
・駐車場 炊き出し・支援物資の保管スペースとなる駐車場
・事務室 駐車場に隣接。非常時連絡・調整、情報収集の場所として活用
・会議室 避難者同士が快適に過ごせるよう、遮音性のある可動間仕切りを採用

■物件概要

所在地 宮城県東松島市矢本字上河戸36-1地内
施設名称 庁舎(災害発生時:避難施設として併用)
事業主 東松島市
構造 木造2階建(梁勝ちラーメン構造)
敷地面積 約9,526.68㎡
延床面積 約832.3㎡
建設工期(予定) 平成28年2月~平成28年8月末

以上

《リリースに関するお問い合わせ》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 平川・森永
TEL:03-3214-2270

《木化事業に関するお問い合わせ》
木化営業部
TEL:03-3214-2535