ニュースリリース
(2017年)
2017年01月27日
KTI社の植林共同組合がFSC森林認証を新たに取得
【ファルカタの木】(樹齢:2年) |
住友林業のインドネシア子会社PT. Kutai Timber Indonesia(クタイ ティンバー インドネシア)(以下、KTI社)が支援する植林共同組合Koperasi Bromo Mandiri(コペラシ ブロモ マンディリ)KTI(略称:KBM-KTI)は、2017年1月4日に所有する山林206ヘクタールにおいてFSC-FM認証を取得しました。
KTI社では2008年12月に同認証をもう一つの植林共同組合Koperasi Serba Usaha Alas Mandiri(コペラシ セルバ ウサハ アラス マンディリ) KTI(略称:KAM-KTI)が初めて取得しており、今回が2件目となります。
FSC認証とは、森林減少など世界の森林が抱える問題点や、人々の環境意識の高まりを背景として1993年に設立された森林認証制度です。WWF(世界自然保護基金)が普及と促進に取り組んでおり、特に欧州などではその価値が徐々に認められ認証面積は近年急速に拡大しています。
KTI社は、FSC認証を受けた森林から切り出された木材を適正に分別管理して使用していることを証明するCoC認証を2005年1月に取得し、EU諸国を中心にFSC認証の商品を販売してきました。これまでは既存のKAM-KTIの認証面積を拡大するなどして供給量の増加・安定化を推進してきましたが、更なる需要拡大に対応すべく2件目の取組みを開始し、今回の取得に至りました。
今回はKAM-KTIの取組みをモデルケースとし、地域住民の協力を得て2015年12月に新たな植林共同組合(KBM-KTI)を設立。構成住民と共に持続的な森林経営体制、法令順守、環境保全などの仕組み作りを行ってきました。KTI社は1999年よりファルカタ等の早生樹の植林に着手。地域住民に無償で苗木を配布し、住民が持つ土地に植林して育ててもらい、成木したら木材として同社が買い取る「社会林業」の仕組みにより、環境・社会・経済の両立を目指してきました。今回の認証取得においても、長年地域住民と共に植林を行ってきたノウハウが生かされています。
また本認証地の一部は、戸建住宅の建築に伴い排出されるCO2をインドネシア国内で植林することでオフセットする当社独自の取り組み「プロジェクトEARTH」の対象エリアでもあります。本プロジェクトのコンセプトの一つは、持続可能な植林を地域に根付かせていくことであり、それが体現されたことになります。
今後KTI社は、より多くの取引先の要望に応えるため認証面積の拡大も視野に入れながら、環境価値の高い製品の製造・販売の拡大に注力します。インドネシアの主要植林樹種「ファルカタ」のFSC-FM認証材を安定供給できるのは、インドネシア国内ではKTI1社(※2017年1月27日現在)のみであり、更なる競争力強化が期待できます。
住友林業グループは今後も再生可能な自然素材である「木」を活かし、国内外の地域特性に合わせ環境・経済両面から持続可能な地域の発展に寄与して参ります。
(*)FSC-FM/CoC認証
FSC(Forest Stewardship Council、森林管理協議会)は、生産を行う森林や製品、流通過程の評価、認定、監督を行う国際機関の一つです。森林の管理・経営を対象として適用されるFM認証(Forest Management Certification)と、認証森林の林産物を加工・流通過程の管理を対象としたCoC認証(Chain of Custody Certification)の二つがあります。基準を満たしたことを保証するラベリング(FSC認証マーク)を伴う制度です。
<参考資料>
1.KTIの概要
会社名 | : | PT. KUTAI TIMBER INDONESIA(クタイ ティンバー インドネシア) |
本社 | : | Summitmas II, 8th Floor, Jl. Jend Sudirman Kav.61-62, Jakarta 12190, Indonesia |
設立 | : | 1970年6月 |
資本金 | : | USD2,700万 |
代表者 | : | 佐藤 裕也 |
従業員 | : | 3,978人(2016年7月31日現在) |
事業内容 | : | 合板、2次加工合板、木材加工品、パーティクルボードの製造販売 |
2.KBM-KTIの概要
組合名 | : | Koperasi Bromo Mandiri KTI(コペラシ ブロモ マンディリ) |
所在 | : | Jl. Raya Bromo, Ngepung Village, Sukapura District, Probolinggo Regency, Province of East Java, Indonesia |
設立 | : | 2015年12月 |
認証取得 | : | 2017年1月4日 (認証番号:SA-FM/COC-005493) |
取得面積 | : | 206.67ヘクタール(構成農民:413世帯、555か所) |
植林樹種 | : | ファルカタ(Paraserianthes Falcataria)、バルサ(Ochroma Spp)など |
3.KTIのFSC認証に関する取組み
2005年1月 | : | 合板部門、ドア基材製造部門でFSC-CoC認証を取得 |
2008年12月 | : | KAM-KTIでFSC-FM認証を取得(面積152ha) |
2010年10月 | : | KAM-KTIの取得面積を331haに拡大 |
2011年9月 | : | KAM-KTIの取得面積を1,004haに拡大 |
2014年12月 | : | 製材部門でFSC-CoC認証を取得 |
2016年2月 | : | パーティクルボード部門でFSC-CoC認証を取得 |
2017年1月 | : | KBM-KTIで2件目のFSC-FM認証を取得(面積206ha) |
以上
《リリースに関するお問い合わせ》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 橋本・大西
TEL:03-3214-2270