ニュースリリース
(2017年)
2017年03月29日
岐阜樹木育苗センター竣工
~ 2023年度に年産100万本目指す ~
住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区 以下、住友林業)は3月29日、岐阜県所有の下呂林木育種事業地で、岐阜樹木育苗センターを竣工しました。独自に研究開発したコンテナ苗の生産技術を活用し、2023年度には年産100万本を目指します。
この他、全国3ヶ所の苗木生産施設でそれぞれ生産体制を強化し、苗木の安定供給に取り組むことで森林資源の持続的な活用に寄与していきます。
外観
施設概要
所在地 |
岐阜県下呂市乗政字徳十郎薙786-17 |
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事業地面積 |
8,205.9㎡ |
事業内容 |
コンテナ苗の生産(スギ、カラマツ、その他) |
施設内容 |
ビニルハウス4連棟(1,056㎡)、発芽室など |
生産規模 |
年間20万本(2017年度) |
事業費 |
約9,100万円 |
本施設は苗木育成環境の最適化と周年生産体制を構築することで、育苗期間の短縮による小面積での大量生産と苗木の品質向上を目指しています。
具体的には「発芽室」を設け、一度に最大約14万個体の安定的な発芽を可能にしました。半自動播種機も併せて導入することで、手作業での種まきと比較した生産能力は5~10倍となります。発芽室は野菜などの発芽の際にはよく用いられますが、林業用種苗に用いるのは珍しい事例です。また1人でも1,500本以上のコンテナ苗木を載せた専用台(ベンチ)を移動できる「ムービングベンチ方式」を採用し、労働負担を軽減しました。空調機の導入できめ細やかな温度調節を可能とし、苗木の成長促進効果を実現させます。
山行苗木の生産量の推移
※資料:平成27年度 森林・林業白書
背景
全国的に森林が伐採期を迎え、国産材利用の機運が高まる一方で再造林用の苗木は不足しています。(右図参照)当社は2015年に岐阜県と苗木生産に関する協定を締結し、今回コンテナ苗の生産施設を建設、苗木生産に取り組んでいます。県有地で民間企業が苗木生産をするのは大変珍しい事例であり、民間企業と自治体が連携して苗木供給体制を作るのは全国初です。
今後の展望
育苗の様子
本施設はスギ・カラマツなどのコンテナ苗を年間約20万本生産予定です。段階的に設備を拡充し、地域の品種、少花粉品種などを生産し、2023年度には100万本の生産体制を目指します。
本施設に加え、当社は全国的に苗木生産体制の強化を急いでいます。3月上旬には宮崎県日向市の苗木生産施設を増設し、4月には高知県長岡郡本山町に新設します。また2017年度中には北海道紋別市でも増設の予定です。
住友林業は1691年(元禄4年)の創業以来、山林経営、木材建材の製造・流通事業、住宅事業、リフォーム、その他住関連事業など、木と住まいに関する事業を幅広く展開してきました。今後も当社独自の技術開発力を活かした事業創出によって、豊かな社会の実現と地域社会の活性化に貢献します。
以上
≪お問い合わせ先≫
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 橋本・大西
TEL:03-3214-2270