ニュースリリース
(2017年)

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2017年11月01日

路網設計支援ソフト『FRD』発売
より良い道づくりの効率化を支援し、林業活性化に寄与

 住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区)は11月1日、路網設計支援ソフト『FRD(Forest Road Designer)』を発売します。路網整備を促進し、森林管理の人手不足に悩む自治体や林業従事者の負担を軽減すべく、全国の自治体・林業事業者に向けて販売します。価格は50万円(税別※)で、初年度50件、年間100件の販売を目指します。

 ※データ整備費用、セットアップ費用を除いた金額です。

 

 本ソフトは、航空レーザ計測等で得られた精密な地形データを活かして林道や森林作業道(※)などの林業用路網を設計するのに用います。最大の特徴は、操作画面上で出発地と目的地を入力するだけで、線形を自動的に設計できる「自動設計」の機能を備えていることです。この機能では、事前に設定した縦断勾配や曲線半径などの条件、幅員・作業コストなどのパラメータに基づき、低コストな線形案を作成できます。また計画時点で崩壊の恐れのある箇所を回避したい場合は、回避箇所を設定することで安全な線形の設計が可能であるなど、実務上必要な機能を多く備えています。ソフト上で設計した路網の線形案を元に現地の踏査を行うことで、効率的な現地確認作業が可能となります。

 ※林道とは、森林の中に設けられた人や車両が通る道、森林作業道は主として林業機械が通行する道のことで、ともに森林の管理や林産物を運搬するために整備されます。

 

 林道や森林作業道の整備が不十分である場合、森林の管理や伐採した木材の運搬をスムーズに行うことができません。日本の路網密度は欧州の国々と比べ、5~7分の1程度しかありません(平成23年度森林・林業白書より)。

 現在、森林に林道や森林作業道を整備する際には、紙の地形図上に手書きで線形案を作成した上で現地へ向かい、線形案の通りに路網開設が可能かを繰り返し検証するのが一般的です。この線形案の作成と現地での確認・検証作業は、個人の勘や経験に頼る部分が大きく、多大な時間と労力が掛かっているのが実情です。本ソフトを活用することで、定量的な情報に基づいた線形案の作成が可能となります。そして、これらの作業に掛かっていた時間・労力を大きく低減する効果も期待できます。

 

 人工林の多くが伐期を迎え、資源の循環利用の観点から木材生産の重要性が高まる中、日本では地形が急峻な山林が多いことや林業従事者の不足などが原因で、国産材を供給する基盤となる林業用路網の整備が進まないことが大きな課題となっています。本ソフトを活用し、必要な時間・労力を減らして効率的により良い道づくりを実現し、林業用路網の整備を促進することで、日本の林業の課題解決に貢献します。

 

 

 

■商品概要

商品名

FRD(Forest Road Designer)

共同開発者

白澤 紘明氏(信州大学)

販売エリア・販売先

全国

本体価格

50万円(※別途データ整備費用等を要する場合があります。)

 

 

背景

 当社が担ってきた自治体への森林・林業コンサルティング事業の一環として、本ソフトは開発されました。2014~2015年度に共同開発者の白澤氏と協力して基本的なソフト開発・構築を行い、コンサルティングを受注した京都府京丹波町に納品。2016年度には幅広いユーザ向けに改良し、ソフト単体での販売開始に至りました。

 

以上

《リリースに関するお問い合わせ先》

住友林業株式会社

コーポレート・コミュニケーション部  橋本・大西

TEL 03-3214-2270

《お客様からの商品に関するお問い合わせ先》

住友林業株式会社

資源環境本部 山林部

TEL 03-3214-3251