ニュースリリース
(2018年)
2018年03月23日
~JR九州・熊本支社竣工~
高架下にCLT工法で大空間を実現
住友林業株式会社(社長:市川 晃 本社:東京都千代田区)は、九州旅客鉄道株式会社 熊本支社の移転に伴う新支社建設工事で、CLT※1構造の設計協力及びCLT部分の木躯体工事を担当しました。勾配屋根とすることで、通常4m程度のスパン※2しか飛ばないCLTで7.2mスパンを実現しており、高架下でありながら広々とした空間を作り上げています。
※1 Cross Laminated Timber(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)の略称。ひき板を並べた層を、板の繊維方向が互いに直交するように重ねて接着した大判のパネル。
※2 梁・小屋組み・アーチ・橋などの支点間の距離のこと。梁間。
九州旅客鉄道はグループの中期経営計画で“地域を元気に”をスローガンに掲げており、CLTの木材は地元熊本県産材をはじめとして全て九州産のものを使用しています。また、本件は環境省の補助事業である「木材利用による業務用施設の断熱性能効果検証事業」※3に採択されており、今後2年に渡りCLT工法の環境性能を検証していきます。
※3 高い省エネ・省CO2につながる低炭素建築物等の普及を促進するため、CLT等を用いたモデル建築物を建設し、その断熱性能をはじめとする省エネ・省CO2効果について定量的に検証を行うもの。
高架下でのCLTの揚重作業は細心の注意を払って行われました。事務所棟では高架柱を囲むように効率的にCLTの耐力壁を配置しています。また事務所棟の勾配屋根は厚み150mmのCLTを用い、7.2mスパンを実現すべく地上で組立てを行ってから揚重。このような工夫により、高架下に広々とした空間を作り出しました。
現在建設中の新国立競技場をはじめ、国産材を活用した都市部の木造化が広がっています。CLTについても、2016年にCLT関連告示が公布・施行されるなど、普及が進みつつあります。住友林業は木化営業部を中心に、中大規模建築物の木造化・木質化を推進。今後も「木」であらゆるニーズに対応し、木の魅力を存分に伝える建築物を手掛けてまいります。
■物件概要
物件名 | 九州旅客鉄道株式会社 熊本支社 |
所在地 | 熊本県熊本市西区春日3丁目15番43号 |
延床面積 | 3,109.01㎡(うちCLT構造部1,256.33㎡) |
構造 | 鉄骨造・一部木造(CLT) 平屋建 |
建物用途 | 事務所 |
竣工 | 2018年3月 |
設計 | 株式会社安井建築設計事務所 |
施工 | 九鉄工業株式会社 |
設計協力・木躯体工事 | 住友林業株式会社 |
以上
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住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション部 橋本
TEL:03-3214-2270