ニュースリリース
(2018年)

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2018年10月03日

「2018年度 グッドデザイン賞」受賞
木の魅力、安心・安全の住まいを実現する技術及び空間提案等5件

 住友林業株式会社(社長:市川 晃  本社:東京都千代田区)は「2018年度グッドデザイン賞」(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を下記の5件で受賞しました。木の魅力を活かす技術や快適な空間設計、安心・安全で永く住み継ぐ住まいの提案などが評価され、住友林業グループとして本賞の受賞は9年連続となります。

 

今回受賞した5件は下記の通りです。

①天井材「オーク 突板天井材(ナチュラルシーリング)」/住友林業(株)・住友林業クレスト(株)

②ウッドデッキ「オリジナルウッドデッキ」/住友林業(株)

③ハーフプレキャスト工法によるべた基礎構造「Σbase-S工法」/住友林業(株)・會澤高圧コンクリート(株)

④リハビリテーション病院「千里リハビリテーション病院アネックス棟」/住友林業(株)

⑤ファイトレメディエーション 日本シバ「バーニングフィールド®」によるファイトレメディエーション/住友林業緑化(株)

 

【受賞の概要】

突板天井材「オーク 突板天井材(ナチュラルシーリング)」/住友林業(株)・住友林業クレスト(株)

 広葉樹を使用した6尺タイプの天井材です。表面には一枚ものの厚突板を贅沢に使用し、自然素材の木ならではの温もりや優しさを感じ取ることが出来ます。長手方向に3mmの目地(継ぎ目)を施し、陰影を与え質感あふれる印象的な空間としつつも、目地の着色は敢えて茶系とし、自然な雰囲気を表現しています。住む人が長年にわたり、心地よく、やすらかに暮らして頂ける様に、“強い”デザインではなく、自然な風合いを活かしたデザインとしました。ソファーで一息つく時や、眠りにつく時に目に入るやさしい木目が、いつまでも飽きがこない豊かな木質空間を演出します。

 

<審査員評価 公開コメント>

 木製の天井材は既製品として各種流通しているが、木の質感・存在感を主張・強調するプロダクトが多く、木の天井をインテリアの主題としたい場合は有用だろう。また、和風のしつらえの記号として使われることも多い。その一方で本製品のように控えめでかつ記号的にならない突板天井材はインテリアデザインの選択肢を拡げると感じた。視点からの距離も考慮した目地の処理も天井材に特化したプロダクトならではの処理である。

 

ウッドデッキ「オリジナルウッドデッキ」/住友林業(株)

 国産の杉無垢材105⾓の持つ存在感を活かしたウッドデッキです。⼯場で加工・塗装するため、現場作業の省⼒化と品質の安定につながります。デッキを⼤引から跳ね出しとすることで、浮遊感を演出。正面木⼝の下部を斜めカットすることで洗練されたデザインになるとともに、紫外線から木口を保護し、縁側のように座ったときの膝裏のあたりもやわらげます。またデッキ上⾯からビスを打たないため、直接座っても安心です。ご家族で無垢材の⽣命⼒を日々感じながら、集いの場として愛着を持ち、永く使っていただける仕様としています。デッキに使用する杉無垢材105角を全国で一定量使用し続けることで、林業の活性化の一助になると考えます。

 

足場板の端などが支点より持ち出しになって突き出ている状態。

 

<審査員評価 公開コメント>

 一般的なデッキ材(30-40mm)に比べて厚みのある角材(105角)を使用した杉のデッキ材。杉の利用により林業の活性化を目指している。海外の南洋材に比べ、価格的にも抑えられており国産材のデッキ材が選択肢のひとつとなることを評価したい。

 

ハーフプレキャスト工法によるべた基礎構造「Σbase-S工法」/住友林業(株)・會澤高圧コンクリート(株)

 Σbase-S工法は、⼯場でプレキャスト鉄筋コンクリート造の基礎梁(以下、PCa基礎)を製造し、現場へ運搬、設置した後に基礎スラブを打設するべた基礎構造です。PCa基礎梁相互の接合部を強固に緊結する新技術の導入によって高い構造性能を確保し、加えて管理された工場での生産によって寸法制度に優れた製品の安定供給が可能です。また、建設現場の作業効率を追求した合理的な部材構成や施工方法を採用することで省⼯数化と⼯期短縮を実現しています。深刻化する建設業界の⾼齢化や⼈⼿不⾜にも対応しながら、ストック重視型社会の実現に向けた高品質な住まいを永続的に提供します。

 

<審査員評価 公開コメント>

 基礎のプレキャストコンクリート化のアイデアは古くからあるが、コストや現場での摺り合わせの難しさからなかなか実用化してこなかった。ここでは昨今では主流となったベタ基礎を前提に、基礎梁部分だけをプレキャスト化し、工場生産と現場施工を巧みに組み合わせることで、汎用的な工法を実現しているところが評価できる。鉄筋工や型枠工の人手不足が常態化することが予測される中で、このような工法が広く普及することを期待したい。

 

リハビリテーション病院「千里リハビリテーション病院アネックス棟」/住友林業(株)

 千里リハビリテーション病院は、国内初「リハビリテーション・リゾート」をコンセプトに2007年10月に誕生しました。開院10周年にあたり、新設した脳卒中専門病棟(アネックス棟)は患者の方々が少しでもリラックスして自然の力を感じながらリハビリに取り組んでいただけるよう、外装・内装とも木を最大限に活用。全面的に木のあらわしとした音楽室や絵画室、園芸棟を新設するなど、新しい試みを実現したリハビリテーション病院です。デザインディレクションは、本棟に引き続きクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が担当。佐藤氏が描く絵画やなどもインテリアに取り入れ、エネルギーを感じられる施設の実現に注力しました。

 

<審査員評価 公開コメント>

 「リハビリテーション・リゾート」のコンセプト通り、リハビリテーション病棟と言うよりは天然木がふんだんに使われ、自然あふれる立地も相まってリゾートホテルのような施設である。このような場所にいることで患者がリラックスして過ごすことができ、治療そのものに良い効果をもたらすことが期待できる。音楽室、絵画室、園芸棟などの特別室を単独で設け好きなことを患者の各々のタイミングで取り組める能動的なリハビリテーションという内容にも適した空間になっている。

 

ファイトレメディエーション 日本シバ「バーニングフィールド®」によるファイトレメディエーション/住友林業緑化(株)

 工場やガソリンスタンド等の石油関連施設の油汚染土壌の浄化を目的とする、シバを用いた低環境負荷・低コスト型の土壌浄化工法です。これまで浄化コストが障壁となって残置されていた油汚染土壌の浄化推進に貢献します。本工法で使用するオリジナル品種である「バーニングフィールド®」は、このようなバイオ工法の適用が困難とされる高濃度油汚染土でも生育し、シバが地表を覆うため油臭油膜対策としても効果を発揮。日本の自生種を採用することで生態系に対するリスクにも配慮しています。乾燥に強く、管理も少なくて済むシバのため、管理コストも削減が可能です。

 

<審査員評価 公開コメント>

 日本在来のシバの品種として開発された土壌汚染浄化の芝生をつくる技術である。土壌汚染の浄化は今後もますます重要な技術になるだろう。シバ自体は決して派手に目立つ植栽ではないが、穏やかな緑の背景を作る植物である。土壌の浄化の過程をランドスケープとしてデザインする可能性を感じさせる。

 

 住友林業グループは今後も木の良さを最大限に活かし、常に進歩する新たな技術と当社グループが培ってきた知見を融合し、次世代につながる快適な住空間を提案してまいります。

 

「グッドデザイン賞」概要

 グッドデザイン賞は、様々に展開される事象の中から「よいデザイン」を選び、顕彰することを通じ、私たちのくらしを、産業を、そして社会全体を、より豊かなものへと導くことを目的とした公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「総合的なデザインの推奨制度」です。

 その母体となったのは、1957年に通商産業省(現経済産業省)によって創設された「グッドデザイン商品選定制度(通称Gマーク制度)」であり、以来約60年にわたって実施されています。その対象はデザインのあらゆる領域にわたり、受賞数は毎年約1,200件、約60年間で約45,000件に及んでいます。また、グッドデザイン賞を受賞したデザインには「Gマーク」をつけることが認められます。「Gマーク」は創設以来半世紀以上にわたり、「よいデザイン」の指標としてその役割を果たし続けています。(参照:http://www.g-mark.org/about/

 

以上

≪リリースに関するお問い合わせ先≫

住友林業株式会社

コーポレート・コミュニケーション部 平川・佐藤

TEL:03-3214-2270