ニュースリリース
(2019年)
2019年11月29日
ネパール・マナスルで育苗・植林に道
野口健氏のプロジェクトに技術支援で成果
住友林業株式会社(社長:市川晃 本社:東京都千代田区 以下、住友林業)が支援する「マナスル森林再生プロジェクト」で、試験的に植林した苗木が順調に生育しています。NPO法人ピーク・エイド(代表:野口健 以下、ピーク・エイド)がネパール連邦民主共和国で実施しているプロジェクトで、当社は2015年の開始当初から育苗・植林に関する技術支援・協力をしています。
「マナスル森林再生プロジェクト」はアルピニストの野口 健氏の活動拠点で標高3,600メートルにあるネパール・サマ村で、荒廃した森林を再生させるために氏が立ち上げたプロジェクトです。住友林業(株)は2015年から植林のトライアル活動のサポートを実施。1年目は植栽予定地の土壌調査、苗畑の造成や植栽樹種の選定、種子の収集など苗木育成に向けた準備、2年目は現地で収集出来る土やたい肥等の調査および苗畑の整備・拡張、3年目に苗木を植栽し活着率を調査する、計画をつくりました。自然災害の影響等により工程の遅れは発生しましたが、トライアル活動から4年目を迎えた2018年にこれまで育ててきた苗木を植栽でき、今年無事活着したことが確認出来ました。
環境が厳しく植物の成長が遅い高地での森林再生は、当初から時間と労力がかかるとみられていましたが、ヒマラヤ街道で30年以上植栽に関わってきた経験者を中心とする現地プロジェクトメンバーと協力し合い、プロジェクトを成功に導きました。今後もピーク・エイドはヒマラヤで10万本の植樹を目指し活動を続ける予定です。当社は日本国内から技術的なアドバイスを行うなど、引き続き植林活動を見守って参ります。
なお、同プロジェクトはコスモ石油エコカード基金が活動全体を支援しています。当社と同基金の連携により非常に有意義なプロジェクトが実現しました。
【マナスル森林再生プロジェクト】の概要
主催団体: NPO法人 ピーク・エイド
活動内容: 1.土壌調査、植栽樹種の選定
2.苗畑の造成、苗の育成
3.植栽、活着の確認
マナスルはヒマラヤ山脈の一角を成す8,000メートル級の峰で、1956年に日本の登山隊が始めて登頂を成し遂げた山として「ジャパニーズマウンテン」とも呼ばれ、日本にとって縁の深い場所です。アルピニストの野口健氏は、この地で2006年から「ヒマラヤに学校をつくろうプロジェクト」を開始し、学校寮の建設、教育プロジェクトの向上や優れた教師の招聘等、学校建設・教育に関する支援活動に取り組んでいます。
氏の活動の拠点となっているサマ村は、かつては鬱蒼とした原生林が広がる緑豊かな土地でしたが、昨今の村の人口増加や、生活のための無秩序な伐採等により森林が荒廃するとともに、それによる土砂崩れが発生して、住民の生活を脅かすようになってきています。そこで2015年、野口氏はNPO法人ピーク・エイドを活動の母体として、環境改善と住民の環境意識向上のため森林再生のプロジェクトを新たに立ち上げました
以上
《本件に関するお問い合わせ先》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション部 平川・河村
TEL:03-3214-2271