ニュースリリース
(2020年)

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2020年01月24日

南会津に樹木育苗センター開設
コンテナ苗、年産30万本

 住友林業株式会社(社長:市川 晃、本社:東京都千代田区)は、福島県南会津郡南会津町に「南会津樹木育苗センター」を竣工しました。独自開発したコンテナ苗の生産技術で年間30万本を生産します。当社は苗木の生産体制を強化しており、本施設を含め全国6か所で年産190万本体制となります。


施設概要

所在地

福島県南会津郡南会津町長野字加藤谷1874番地2

施設面積

育苗・作業棟 計2棟1,584㎡

屋外養生スペース 1,188㎡

事業内容

コンテナ苗の生産(カラマツ)

生産能力

年間30万本

総工費

約1.5億円


 戦後植林を行った森林が全国的に伐採期を迎え、国産材利用の機運が高まる反面、再造林用の苗木は将来的に不足することが予測されます。林業をサステナブルな産業として発展させるためには、伐って、使って、植えて、育てる循環利用が不可欠。伐採後の計画的な植林が重要です。

 当社は苗木不足解消に向けて本施設のほか宮崎県日向市、高知県本山町、岐阜県下呂市、群馬県みどり市、北海道紋別市に施設を保有し生産体制を整備しています。


 本施設は発芽から育苗、出荷まで一貫して行うムービングベンチシステムや自走式潅水機等を導入し労働負担を軽減します。苗木の成長を促進するため、木質チップボイラーの導入など育苗棟内の温度を管理することで通年生産体制を構築。作業の省力化と育成環境の最適化で苗木の品質向上と大量かつ効率的な生産体制を構築します。

 当社は福島県会津地域で域内市町村が広域連携して取り組む「森林資源フル活用事業」※1を進めており、本施設を活用した苗木供給体制の整備によって、伐採・再造林による森林資源の循環利用を加速させます。

 今回は生産業務を地元の企業に委託する方式を採用し、地域との連携を積極的に図っていきます。委託方式を導入するのは当社では初めてです。


 住友林業は持続可能な林業経営の効率化に向け、林業用アシストスーツ※2や苗木運搬ドローン※3の開発、早生樹林業※4の研究など最先端の技術開発に取り組んでおり、引き続き日本の林業の活性化に貢献していきます。


※1

会津地域の市町村が共同で取り組む地域材の包括的な活用による地域活性化を目指す事業。福島県内企業や住友林業株式会社などが出資し、2018年8月に発足した「会津森林活用機構株式会社」が民間側の主体となり、これまでに木質バイオマス熱供給などを実施。

※2

造林作業の労働負担を軽減するためのパワーアシストスーツ。住友林業株式会社、(国研)森林研究・整備機構、森林総合研究所、株式会社ATOUN、国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学で構成される「林業用アシストスーツ研究開発コンソーシアム」が主体となり、2025年の実用化を目指して開発を進めている(農研機構生研支援センター「革新的技術開発・緊急展開事業(うち先導プロジェクト)」採択事業)。

※3

重労働だった苗木運搬を、効率的に実施することを目指してドローン製造会社に技術協力している。

※4

スギ、ヒノキと比較して成長が早く短い伐期で収穫が可能な樹木で行う林業。該当樹種には、コウヨウザン、センダン、ヤナギ、シラカバなどがある。

※5

「山行(やまゆき)苗木」は造林用の苗木のこと。

以上

《本件に関するお問い合わせ先

住友林業株式会社 

コーポレート・コミュニケーション部 真鍋・佐藤

TEL:03-3214-2270