ニュースリリース
(2021年)
2021年11月01日
日本集成材工業協同組合
住友林業株式会社
木質ハイブリッド集成材有孔梁が1時間耐火構造の大臣認定取得
~設計の自由度・意匠性が向上、建築費全体でコストダウン~
日本集成材工業協同組合(理事長:佐々木 幸久、略称:日集協)と住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎、本社:東京都千代田区)は10月22日、木質ハイブリッド集成材有孔梁で1時間耐火構造の国土交通大臣認定を取得しました。日集協が大臣認定を取得している木質ハイブリッド集成材の1時間耐火認定梁に、住友林業が開発した梁貫通技術を加えて新規認定を受けました。設備配管を貫通できるので、従来の木質ハイブリッド集成材梁と比べ天井高を確保でき、設計の自由度が向上。デザイン上の制約が少なくなるので意匠性が向上します。設備配管用の嵩上げ材を設置する必要がなくなり、建築費全体のコストダウンと汎用性の拡大にもつながります。
■1時間耐火木質ハイブリッド集成材有孔梁
【特徴】
日集協の従来の木質ハイブリット集成材は、鉄骨造でありながら集成材を耐火被覆して木質感ある仕上げにするのが特徴で、2005年に大臣認定を取得しています。この部材の普及で都市部等の防火地域で3、 4階建てのオフィスビルや庁舎、学校、共同住宅などに木質感あふれる空間を造れるようになりました。見た目は木質でありながら構造計算は鉄骨と同様なので、鉄骨の構造計算に慣れている人にとって使いやすい木質耐火部材です。
しかしながら従来の木質ハイブリッド集成材は、梁に設備 配管用の貫通孔を開けられない大臣認定仕様でした。配管等の設置には配管用のスペースを別途設ける必要があり、天井高に制限をうける事や、追加コストが必要になるなどの問題がありました。新規認定部材は住友林業の梁貫通孔内部を耐火被覆する技術により、梁に設備配管を貫通することができます。また、貫通孔内部に不燃材を格納しており、外側から見えないので意匠性が高まります。
今回取得した認定は梁の高さ(梁せい)が250~488㎜ですが、488㎜超のサイズも2022年の大臣認定の取得を目指しています。
日本集成材工業協同組合は、国内の主要集成材メーカーからなる団体で、組合員は住宅から大規模建築物まで高品質の構造用集成材を供給しています。うち組合員10社(施工部会)が1時間耐火の鉄骨内蔵型木質ハイブリッド集成材(今回の住友林業と共同開発した製品を含む)の製造をはじめ、そのほかの1時間・2時間・3時間耐火の各種木質部材の製造にも取り組んでいます。
住友林業は、本部材の他に1時間・2時間・3時間耐火構造の柱梁木質部材で大臣認定を取得しているため、規模にかかわらず全ての建物で耐火要件を満たした木造化・木質化が可能です。
脱炭素社会実現に向け躯体部分の資材製造時のCO2排出量が他の構造と比べ少なくなる木造建築が注目を集める中、当社は木造超高層建築物を象徴とし、街を森にかえる「環境木化都市」の実現を目指す研究技術開発構想「W350計画」を推進しています。今回の耐火部材の研究を含め、木の価値を高める研究開発を加速していきます。
<参考資料>
■日本集成材工業協同組合及び住友林業の耐火部材一覧
■木質ハイブリッド集成材の実例
住友林業はフレーバーライフ社本社ビル(東京都)や城南信用金庫高円寺支店(東京都)など、木質ハイブリッド集成材を用いた建築を複数手掛けてきました。その経験を活かしながら、本部材や木質耐火部材(木ぐるみCT、木ぐるみFR)等を用いて、木造、鉄骨造に関わらず、様々な木質化の需要に広く対応することが可能です。
フレーバーライフ社本社ビル |
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城南信用金庫高円寺支店 |
以上
≪ リリースに関するお問い合わせ先 ≫
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション部 真鍋・佐藤
TEL:03-3214-2270
≪ 木質ハイブリッド集成材に関するお問い合わせ先 ≫
住友林業株式会社
木材建材事業本部 木構造推進室 西出
TEL:03-6626-2910
日本集成材工業協同組合
事務局 清水
TEL:03-6271-0591 / https://www.syuseizai.com/contact