ニュースリリース
(2021年)

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2021年12月08日

一般社団法人日本ウッドデザイン協会
<設立準備企業>
農林中央金庫
住友林業株式会社
株式会社竹中工務店
三菱地所株式会社
株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所

「一般社団法人 日本ウッドデザイン協会」設立のお知らせ
~木材利用を通じて持続可能な社会の実現に向けた新たな価値創造へ~

 2021年11月18日(木)、建築家の隈研吾氏を会長とする「一般社団法人 日本ウッドデザイン協会」(以下、本協会)を設立いたしました。

 本協会は、木を活用した社会課題の解決を目指す取組みを「ウッドデザイン」と定義し、「ウッドデザイン」に関わるあらゆる分野において、調査、研究、開発、事業創造、普及及び啓発する機関として、会員相互の連携並びにあらゆるステークホルダーとの対話及び協力により、木のある豊かな暮らし、木材利用、森林・林業の成長産業化及び地方創生を推進して、脱炭素化等、環境と資源に配慮した持続可能な社会の実現を図り、広く社会に貢献することを目的としています。


 森林は、CO2の吸収・固定に貢献する点において、持続可能な社会を実現するための資源です。我が国には、戦後の拡大造林により植林された人工林が本格的な利用期を迎えているなかで、適正な森林整備を進め、森林資源を有効に活用していくためには、木材の積極的な利用を促進していくことが重要です。


 農林中央金庫、住友林業株式会社、株式会社竹中工務店、三菱地所株式会社、株式会社ユニバーサルデザイン総合研究所の5社は2021年4月より、設立準備企業として協会設立に向けての準備を進めて参りました。今後も持続可能な社会の実現に向けて、川上から川下まで異業種が連携して本協会のサポートを継続し、現代生活における森林・木材の価値をより多くの方々と共有し、木材利用の促進、木のある豊かな暮らしの普及・発展を目指します。

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(最前列左から)三菱地所 執行役社長 吉田淳一、竹中工務店 取締役社長 佐々木正人、
ユニバーサルデザイン総合研究所 所長 赤池学、建築家 隈研吾、農林水産大臣政務官 下野六太
林野庁長官 天羽隆、農林中央金庫 代表理事理事長 奥和登、住友林業 代表取締役会長 市川晃


■本協会の事業の概要

 本協会は、「業界横断型」の協会として、幅広い業種、分野、地域の会員と活動をともにすることで、有効な情報収集、共通する課題解決のための異業種・公民連携を実現します。

 本協会の主な活動は、顕彰事業である「ウッドデザイン賞」の実施、木を活かした新たなライフスタイルの提案やカーボンニュートラルに貢献する調査研究を行う「調査研究事業」、異業種・公民連携の促進や中小企業、デザイナーとの連携を行う「ビジネスマッチング事業」、それらの活動の地方自治体・企業等への普及と関係構築のための「広報普及啓発事業」の主な4事業を中心として、会員企業同士がそれぞれの部会で、テーマに沿って交流、意見・情報交換、協働作業を行います。

 顕彰事業である「ウッドデザイン賞」は、これまで林野庁補助事業としてユニバーサルデザイン総合研究所が実施してきました。2022年からは本協会が引き継ぎ、さらに活動を広げて、SDGs・カーボンニュートラル・脱炭素社会の実現、グリーン成長や地域活性化戦略など、公共性の高い活動と市場の活性化を目指します。

 本協会では、森林に関わる生産者から木に関わる消費者に近い企業までが共通のテーマで連携することにより、社会への有効な情報発信や公的機関への提案、情報交換を進めてまいります。


<ロードマップ>

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<事業内容>

1.木を活かした新たなライフスタイルや社会的価値を創造する顕彰事業「ウッドデザイン賞」の企画、運営

2.木を使うことのメリットや効果・効能に関する調査・研究や木を活かした豊かで快適なデザインの価値基準やガイドライン等の策定に関する調査・研究

3.木を活用したいと考えている異業種や公民連携の促進やビジネスモデルの開発、及びさまざまな連携による木を使ってカーボンニュートラルな社会を構築するためのビジネスマッチング事業

4.官公庁又は公的機関に対し、木の活用又は地球環境の保全のために提言し、若しくは協力を依頼する事業

5.各種の研究成果や優良事例、ビジネスモデル等を広く社会に広め、普及・発展させるための広報やプロモーション、研修や学びに関する事業

6.その他この法人の目的を達成するために必要な事業


<会員募集>

 本協会は、木を積極的に活用したいと考える企業や団体、自治体、デザイナー・クリエイターなど、業界横断型の木を軸にしたプラットフォームです。木材利用を通じて、持続可能な社会の実現に向けた本協会の活動にご参加いただき、新たな価値創造へ向けて協働いただける企業等を募集しております。

 会員には、①部会の設置と参加 ②ウッドデザイン賞に関する情報収集や相談 ③ウッドデザインに関わる情報を網羅するデータベースへの掲載と利用の他、本協会からの情報収集、業界横断での連携を行うことができるとともに、木材に関わる多彩な活動にご参加いただけます。


■「ウッドデザイン賞」について

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 「ウッドデザイン賞」は、これまで7年間の開催で約3,150の作品の応募、約1,650の受賞作品の実績があります。木の良さや価値を再発見させる製品や取組みを消費者目線、生活者視点で評価し、優れたものを表彰する顕彰制度です。"木のある豊かな暮らし"が普及・発展し、日々の生活や社会が彩られ、木材利用が進み、森林・環境保全や地域の活性化に寄与することを目的としています。

 異業種の連名応募、需要側の建築・設計・デザイナー、施主等の協働を推進し、より幅広い活動の促進を図っています。審査は、第三者である各界の著名なデザイナー、クリエイター、有識者で構成された審査委員会による厳正な審査を行っています。受賞作品の広報を通じて、木材や森林を活用した地域の新たな取組み、ビジネスモデルの発掘に寄与し、販売の工夫やPR手法、ユーザー認知向上のための工夫なども賞の対象とすることで、地域で横展開可能な多彩なアイデアを紹介しています。

 2022年からは本協会が事業を引継ぎ、新ウッドデザイン賞として新たなスタートを切ってまいります。


【エコプロダクツ展2021ウッドデザイン賞展示ブース】

 


■隈研吾会長からのメッセージ

「ウッドデザイン」は木材を使って社会と暮らし、都市と地域に新たな価値をもたらす、多様な連携による活動の総称です。そして、日本ウッドデザイン協会は、木材を使って持続可能な社会、個性ある地域、豊かで安心な暮らしをデザインするための、新たなプラットフォームです。

この2年あまりで社会にもたらされた劇的な変化は、人々の価値観を大きく変え、自然との近さや発想の柔軟性がより求められるようになりました。木材はこうした価値観に応える最良の素材です。協会の目的を達成するためには、業種や分野の枠を超えた、多くの方々の参画が不可欠です。是非、趣旨にご賛同いただき、共にこの活動を進めていただけますよう、お願い申し上げます。


■林野庁長官からのメッセージ

(一社)日本ウッドデザイン協会の設立を、心よりお祝い申し上げます。

本年10月に「脱炭素社会の実現等に資する等のための建築物等における木材利用促進法」が施行され、建築物等における木材利用の推進に向けて国民運動として取り組んでいくこととされたところです。

このような中、木材を活用して持続可能な社会の実現を図ることを目的として、民間企業の皆様が中心となって新たな団体を立ち上げられたことはとても意義深いものと考えます。

"木のある豊かな暮らし"の普及や更なる木材利用の推進に向け、林野庁としても貴協会をはじめとする皆様と連携して取り組んでいきたいと考えており、貴協会の今後のご活動がウッドデザインという名称に込められた含意を踏まえて豊かに発展されるよう期待しております。


■本協会設立にあたっての各社の思い

・農林中央金庫

私たちは、この国の農林水産業の発展に寄与し、もって国民経済の発展に資することを目的に設立された金融機関です。森林は、国土の3分の2を占める社会生活の基盤であり、木材は、土と水と光、そして人が育てる循環型資源です。木材が住居や家具など様々なカタチで利用されることでその価値は育てられます。木材の有効活用による地域活性化、CO2の吸収・固定、災害防止など、森林の持つ機能は多面的です。当金庫は、本協会の活動を通じた国産材の利用促進により、現代生活と森林の「いのち」をつなぎ、森林資源を最大限に活用できる暮らしの実現に貢献して参ります。


・住友林業株式会社

当社グループは、1691年の創業以来、国内外において再生可能な資源である「木」を活かした事業を行ってきました。木造建築物は建築時(建材の原材料の調達・製造、建築、解体などの過程)に排出されるCO2(エンボディード・カーボン)の削減に貢献し、長期に亘り炭素を固定することが可能です。本協会とともに木材利用の促進、森林環境の保全等社会課題の解決に向け取り組み、木造建築物の普及を促進することで「街を森にかえる」環境木化都市を実現させ脱炭素社会の実現に貢献していきます。


・株式会社竹中工務店

竹中工務店は、技術革新による新たな木造利用領域の拡大により、脱炭素社会実現につながる木造建築を推進しています。また、「森林資源と地域経済の持続可能な好循環」を「森林グランドサイクル®」と名付け、その構築に向け多くのステークホルダーと連携し、日本の木材利用を促すことで、地方創生につながるサステナブルな木のまちづくりを目指します。

木材活用の気運を高め、イノベーションの拠点となる日本ウッドデザイン協会において、ステークホルダーの皆様とともに活動することにより、更なる木材利用推進へ貢献して参りたいと考えております。


・三菱地所株式会社

三菱地所グループでは「三菱地所グループのSustainable Development Goals 2030」における重要テーマの具体目標のひとつとして、「国産材活用による持続可能な木材利用の推進」を掲げ、様々なプロジェクトにおいて積極的に木を採用し、新たな価値の創造に取り組んで参りました。

また、川上の製材・製造工場や川中のプレカット工場の運営及び木造・木質化の設計・施工機能の強化等にも取り組んでおります。

異業種の英知を結集し、木材利用による新たな価値をデザインすることを目的とする本協会の活動を通じて、社会課題の解決を図り、サステナブルな街づくりを進めて参ります。


・ユニバーサルデザイン総合研究所

弊社は7年間にわたり、ウッドデザイン賞の企画・運営に携わって参りました。今回、新たに協会が設立され、これまでのノウハウやネットワークを活かしながら、木を積極的に活用したいと考えていらっしゃる地域、企業、団体、研究・教育機関、デザイナーやクリエイターの方々と、次の協働に向けた仕組みができるよう努力して参りたい所存です。


■日本ウッドデザイン協会 組織概要

設立

2021年11月18日

会長

隈 研吾(建築家)

副会長

奥 和登(農林中央金庫 代表理事理事長)、
市川 晃(住友林業 代表取締役会長)、
佐々木 正人(竹中工務店 取締役社長)、
吉田 淳一(三菱地所 執行役社長)

代表理事

岩曽 聡(農林中央金庫)、関本 暁(住友林業)
松崎 裕之(竹中工務店)、長沼 文六(三菱地所)

所在地

東京都港区新橋

ホームページ

https://www.wooddesign.jp/association/

以上

<本件に関するお問い合わせ先>

日本ウッドデザイン協会

≪お問い合わせ先≫

住友林業株式会社

コーポレート・コミュニケーション部 佐藤

TEL:03-3214-2270