ニュースリリース
(2022年)

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2022年12月09日

住友林業株式会社

ネイチャーポジティブに向けたロードマップをWBCSDが発表
住友林業が日系企業として唯一の参画

 住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)は、持続可能な開発を目指す企業の連合体「The World Business Council for Sustainable Development(以下、WBCSD)」(本部:スイス・ジュネーブ)が発表した、森林セクターのネイチャーポジティブに向けたロードマップ「Forest Sector Nature-Positive Roadmap」の策定に日系企業として唯一参画しました。


 WBCSDは、ブラジル・リオデジャネイロで1992年に開催された地球サミットを契機とし、ビジネスリーダーが結集して1995年に設立しました。世界のサステナビリティ先進企業約220社が加盟するグローバルな組織で、持続可能な社会への移行に貢献するための指針策定や政策提言など様々な活動を実施しています。日本では2003年から一般社団法人日本経済団体連合会とパートナーを組み、国・地域別の活動を展開しています。


 WBCSDの内部イニシアティブで、森林セクターのグローバル企業15社で構成するForest Solutions Group(以下、FSG)がロードマップを作成しました。当社は20191月からFSGに加盟し、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた「Forest Sector SDG Roadmap20197月)」、低炭素経済に向けた「Forest Sector Net Zero Roadmap202111月)」の策定にも参画しています。


 ロードマップは2020年を基準年として、2030年までに消失される生態系がなく、増加に転じている状態(ネットポジティブ)を達成することを目標として掲げています。森林セクターの企業に対し、持続可能な森林を維持・拡大し、素材・製品の回収・リサイクルを最大化することで循環型のビジネスモデルを構築することを求めています。事例紹介として、当社がインドネシア西カリマンタン州で植林事業を行っている熱帯泥炭地での水位管理技術と周辺の河川流域に配慮した無農薬・化学肥料不使用の施業を取り上げています。


 FSGは気候変動や農地開発などで生態系が損なわれるなか、森林から恵みを得て事業を展開する森林セクターにはこれらの保全と回復に対して責任を負うと同時に、貢献できる要素は大きいとして20221月、ロードマップの策定に着手しました。ネイチャーポジティブ実現に向けた森林セクターへのガイダンスとして機能することを目指し、第三者の意見も反映させるため国際機関や民間企業を含め約30のステークホルダーと対話。フェーズ1となる今回のロードマップ発表の後、FSGは目標値設定を含め、より実効的な施策を推進するために検討を開始します。


 当社はこの他、自然関連財務情報開示に関するTask Force on Nature-related Financial Disclosures (TNFD)1や、自然に関する科学に基づく目標設定を求めるScience Based Targets for NatureSBTN2への対応準備を進めています。また、国連グローバル・コンパクト3、気候関連財務情報開示に関するTask Force on Climate-related Financial Disclosures(TCFD)4Science Based Targets SBT5RE1006など国際イニシアティブを支持・賛同し、地球規模で対応が必要とされている持続可能な社会の実現に向けて国際社会と協働しています。


 住友林業グループは脱炭素社会の実現に向けて、SDGsの目標年でもある2030年を見据え、住友林業グループとしてのあるべき姿を長期的な事業構想に落とし込んだ長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を策定し、中期経営計画「Mission TREEING 2030 Phase 1」(2022年~2024年)に取り組んでいます。今後も持続可能な社会の実現を目指し「事業とESGの更なる一体化」を推進していきます。


1 気候関連財務情報開示に関するTask Force on Climate-related Financial Disclosures(TCFD)のフレームワークをベースとしており、2023年の導入を目指しています。

2 科学的根拠に基づいた目標設定を目指すイニシアティブ「Science Based Targets(SBT)」の自然版で、20209月に初期ガイダンス「SBTs for Nature」を公表しました。2023年にもバージョン1を公表するとしています。

3 「世界人権宣言」、国際労働機関(ILO)の「就業の基本原則と権利に関する宣言」など、世界的に確立された合意に基づいており、人権擁護の支持・尊重、強制労働の排除、児童労働の廃止などを盛り込んだ10原則を掲げています。当社は200812月から参加しています。

4 FSB(金融安定理事会)の指示 により20154月に設置された気候関連財務情報開示タスクフォースであり、企業が任意で行う気候関連のリスク・機会に関する情報開示のフレームワークが示されています。当社は20187月にTCFDへの賛同を表明。TCFD の提言に基づき、同年にシナリオ分析を開始しました。

5 国連グローバル・コンパクト、CDPWRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金) の4団体が2015年、産業革命前からの気温上昇を抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を推進するために設立されたイニシアティブです。当社は20176月、SBTイニシアティブに対してSBTを策定することを宣言し、グループ全体での新たな温室効果ガス長期削減目標を策定しました。

6 国際的な環境NGO団体である「The Climate Group」と「CDP」が連携して運営する国際イニシアティブです。当社は20203月、事業で使用 する電力の再生可能エネルギー100%化を目指す「RE100」に加盟しました。2040年までに自社グループの事業活動で使用する電力と発電事業における発電燃料を100%再生可能エネルギーにすることを目指します。


<ご参考>

WBCSD Forest Sector Nature-Positive Roadmapおよび当社事例 (英文) https://www.wbcsd.org/Sector-Projects/Forest-Solutions-Group/Resources/Forest-Sector-Nature-Positive-Roadmap

WBCSD Forest Sector Nature-Positive Roadmapサマリー 版(和訳) 【資料はこちら】

WBCSDについての詳細情報 https://www.wbcsd.org/

WBCSDのFSGについての詳細情報 https://www.wbcsd.org/Sector-Projects/Forest-Solutions-Group

住友林業グループの持続可能な社会の実現へ向けた活動の詳細情報「サステナビリティレポート2022https://sfc.jp/information/sustainability/

住友林業グループ イニシアティブへの参加・賛同 https://sfc.jp/information/sustainability/management/vision.html

以上

《お問い合わせ先》

住友林業株式会社 コーポレートコミュニケーション部 平川・鎌田

Tel: 03-3214-2270