汚染の防止

汚染の防止

化学物質の管理

有害化学物質は、人間の健康や環境に大きな影響を与えるほか、災害発生のリスクがあります。住友林業グループは、VOC(揮発性有機化合物)を含む有害化学物質の使用量と排出量の把握、ならびに適切な管理体制を構築しています。各国の法令などで求められている各種化学物質に関する基準値を満たすよう定期的に測定し、基準値を満たしていない場合は原因を究明、基準値以下になるよう対策を講じるなど、有害化学物質に関する適切な管理を行っています。また、環境負荷低減の観点から、有害化学物質の使用量及び排出量の削減に向けた取り組みを推進しています。今後も、関連法規制の遵守はもちろんのこと、継続的な改善を図っていく方針です。

国内製造工場の化学物質管理

住友林業グループでは、国内は「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(PRTR法)に従って、対象となる住友林業クレストの3工場(鹿島工場・新居浜工場・伊万里工場)、木環の杜(四倉工場)及び紋別バイオマス発電について、有害化学物質を管理しています。

海外製造工場の化学物質管理

海外の製造工場においては、各国の化学物質管理規制に従って、下表のとおり、接着剤や塗料などに含まれる化学物質を管理しています。

大気汚染物質の管理

国内製造工場・発電事業所の大気汚染物質管理

大気については「大気汚染防止法」及び地域条例に則り、対象となる住友林業クレストの各工場(鹿島工場・静岡工場・新居浜工場)、住友林業緑化の新城工場、紋別バイオマス発電所、八戸バイオマス発電所それぞれについて、ダイオキシン、NOx、SOx、ばいじんの大気中への排出濃度検査を定期的に実施しています。2025年度は、排出濃度検査の結果は全て基準値以内でした。

海外製造工場の大気汚染物質管理

海外の製造工場においては、各国及び地域の規制に従って、インドネシアとベトナムではNOx、SOx、ばいじんの排出濃度測定を、アメリカ合衆国では、VOCの排出量の測定を実施しています。2025年度は、排出濃度検査の結果は全て基準値以内でした。

水質汚染物質の管理

国内の水質汚染物質管理

水質汚染は、汚染物質により、飲料水などを通じて人間の健康に直接被害を与えたり、河川や湖沼、海洋などに住む生物の生育環境に影響を与えたりするリスクがあります。住友林業グループは「水質汚濁防止法」に則り、対象となる筑波研究所及び住友林業クレスト全工場(鹿島工場・静岡工場・新居浜工場・伊万里工場)、紋別バイオマス発電所、八戸バイオマス発電所それぞれについて、定期的に排水の水質濃度検査を実施しています。なお、鹿島工場の測定濃度は土地購入時(鹿島工場建設時)より土壌に含まれる鉱滓の影響で、土地の隆起や水質濃度(PH値)の基準値超えが発生していますが、測定を継続して行い、数値の把握に努めています。その他工場の測定濃度は全て基準値以内でした。

また、特に改正水質汚濁防止法の特定事業場に該当する住友林業クレスト伊万里工場では、工場内の排水処理施設から出る排水について、外部測定機関による委託検査を2ヵ月に1回、COD自動測定装置による社内水質検査を日次で行い、検査結果は、半年ごとに地方自治体に報告しています。さらに、県による採水・検査を年1回受けており、これらの対策によりいずれの検査においても、排水基準値を満たした状態であることを確認しています。

筑波研究所も改正水質汚濁防止法の特定事業場に該当するため、同法に関わる実験設備の一部更新や新規設置等があった際には、つくば市への届け出をしています。また外部測定機関に委託して月1回の水質検査を実施し、その結果を監視するとともに半年ごとにつくば市に報告しています。

鉱物を製錬する際に分離される不要成分の総称。スラグとも呼ばれる

海外の水質汚染物質管理

海外の製造工場においては、各国の排水水質規制に従って、水質汚染物質の濃度検査を実施しています。各工場とも、いずれの検査においても、排水基準値を満たした状態であることを確認しています。

アスベスト(石綿)含有建材の適正処理

住友林業グループは、石綿の適正な処理ルートを確保しています。住友林業では、法対象の全ての建設工事について資格保有者が事前調査を実施し、石綿含有建材有無の判定をしています。特に有無の判定については根拠を明確にし、石綿事前調査結果報告システムへ報告しています。解体現場では、石綿の飛散防止、適正処理に努めるよう指導、実施しています。

一方、国内の各グループ会社の建築物においても、法律に基づき適正に処理しています。

解体工事に係る営業、設計、生産グループの担当者は、eラーニング「石綿の事前調査について」を受講し、知識を高めています。

ポリ塩化ビフェニル廃棄物の保管・適正処理

使用済みの高圧コンデンサーなどに含まれるポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物については、「PCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に則り、国内においては、2021年度に処理が完了しました。

ポリ塩化ビフェニル(PCB)の管理状況※1

対象会社 対象施設 2024年度末時点 2025年度末時点 管理状況
ASTI ASTI工場 65kg 140.8kg 電子基盤

※1上記記載の機器は、現在使用中もしくは保管中の機器であり、処理検討中のもの

※2(旧)名古屋工場は、2015年6月末に閉鎖

フロン排出量の管理

温室効果が高いフロン類の製造から廃棄までのライフサイクル全般にわたる抜本的な対策を推進するために、2015年4月より、「フロン排出抑制法」が施行されました。

2020年4月より同法による規制がさらに強化されたことにより、住友林業グループは、その内容について周知を図り対応を行うと同時に、第一種特定製品の管理者として、簡易点検及び定期点検を計画どおり実施しました。また、年1回、棚卸確認を行い管理台数の確認も行っています。

住友林業グループはビルにテナントとしてオフィスを置いている場合が多く、所有(管理)している業務用冷凍空調機器など(エアコンや冷蔵庫など)があります。事業所によってはフォークリフト等にエアコンが搭載された「第一種特定製品」に該当する建設車両等もあります。同法の施行を受け、冷媒としてフロン類が使用されている機器の定期的な簡易点検の実施や、圧縮機の定格出力7.5kW以上の機器を対象とした法的な定期点検を実施しています。
また、機器の入れ替え、新規購入時においては、グリーン購入法に基づいたノンフロン製品への切り替えを推進しています。

一方で、筑波研究所などの試験設備や関係会社の空調・保冷庫などの冷媒として使用されているフロン類ガスについては、同法に則り、充塡・回収証明書で管理しています。2024年度の住友林業のフロン類の漏洩量は22.0t-CO2で、関係会社ではありませんでした(1,000t-CO2未満のため、算定漏洩量報告対象外)。漏洩したフロン類は適切に回収・再生・破壊をされたことを確認しています。

なお、当社は一般財団法人日本冷媒・環境保全機構が実施する、東証プライム上場企業を対象としたフロン排出抑制法の理解・認識と取り組み・情報発信についての調査「フロン対策格付け 2025」において、最高ランクの「A」に認定されました。

集計期間:2024年4月~2025年3月

森林で使用された農薬・肥料の量

2025年度
森林で使用された農薬の量※1 除草剤※2 9,812kg
殺菌剤 202kg
殺虫剤 584kg
抗真菌剤 472kg
森林で使用された肥料の量(窒素・リン)※1 窒素肥料※3 4,785kg
リン肥料※3 6,150kg

※1集計範囲:日本国内の苗畑、海外森林(OBT、WSL、MTI、KMF、TPF)

※2Terbuthylazineなど、ニュージーランドが大部分だが、FSCの基準に従って使用

※3全て苗畑。林地には散布なし

土壌汚染リスクへの対応

土壌汚染は、目にみえない地下で汚染物質が蓄積・拡散するなどの理由から、発見が困難です。住友林業グループでは、社有地や管理地の土壌汚染対策をはじめ、分譲住宅事業においては新規土地購入検討時に土壌汚染の自主調査を行っています。対象の土地については「土壌汚染対策法」に基づき適切に対応しています。

なお、当社グループの国内の分譲住宅事業において、ブラウンフィールドに関連した土地の自主調査を行っており、土壌汚染対策がされていない土地の購入・販売はありません。

土壌汚染の存在、あるいはその懸念から、本来、その土地が有する潜在的な価値よりも著しく低い用途あるいは未利用となった土地

植物の力を活用した土壌浄化技術・環境修復事業

現在、日本国内では工場などの跡地の利用において、土壌汚染に伴う環境負荷とその対策コストの負担が課題となり、ブラウンフィールドとして問題になっています。ガソリンスタンドは、埋設から40年以上たった地下タンクの改修が、改正消防法で義務化されたことに伴い、年間で約1,0002,000ヵ所が閉鎖される見込みです。

こうした土壌汚染対策・環境修復の需要に応えるべく、住友林業グループは、植物の作用を活用した汚染土壌の浄化(ファイトレメディエーション)に取り組んでいます。その一環として、2012年度、独自に品種登録した日本シバ「バーニングフィールド」による油汚染土壌浄化工法を、ENEOS株式会社(当時:JX日鉱日石エネルギー株式会社)と共同開発しました。

この工法で使用する日本シバは、根から出る栄養分が油分を低減する微生物の働きを活性化させる作用を持ち、環境負荷を抑え低コストで汚染土壌を浄化することが可能です。2025年度までに、ガソリンスタンドや油槽所跡地などの合計5件で浄化が完了しました。

なお本件は、2013年「環境対策に係る模範的取組表彰(大臣表彰)」を受賞するとともに、環境省が2013年度2014年度に実施した「低コスト・低負荷型土壌汚染調査対策技術検討調査」において、油分分解微生物の活性化傾向が認められたほか、高濃度の油汚染地で適用することができる可能性があるとの評価を得ました。また2018年10月、公益財団法人日本デザイン振興会が主催のグッドデザイン賞を受賞。2020年3月には、日本シバ改良品種「バーニングフィールド®」が、国土交通省の新技術情報提供システム(NETIS)へ登録されました。NETISは、国土交通省が新技術活用のため情報の共有及び提供を目的とした新技術情報提供システムです。NETIS登録技術の活用により、入札段階における総合評価方式や活用段階における工事成績評定で加点対象になるため、公共工事に携わる事業者等への新技術の認知度向上や普及が期待できます。

今後も、この工法による浄化実績を積み重ね、全国の油汚染問題の解決に貢献していきます。

ガソリンスタンド跡地に施工されたシバ

ガソリンスタンド跡地に施工されたシバ

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