住友林業グループの
サステナビリティ経営

経営理念と
サステナビリティ経営

経営理念と
サステナビリティ経営

経営理念

「住友林業グループは、公正、信用を重視し社会を利するという『住友の事業精神』に基づき、人と地球環境に優しい『木』を活かし、人々の生活に関するあらゆるサービスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。」という経営理念を定め、サステナブルな経営を行ってきました。

倫理規範

創業以来受け継がれてきた住友の事業精神に倣い、かつ国際規範や国際イニシアティブなどのグローバルな社会的要請に準拠するため、「住友林業グループ倫理規範」を定めています。グローバルスタンダードの規範として、住友林業グループをはじめ調達先や協力会社などのパートナーに加え、サービスプロバイダ、取引先、請負などサプライチェーン全体を含め、浸透・運用を図っています。この「住友林業グループ倫理規範」を浸透させるために、解説などを示した「住友林業グループ倫理規範ガイドブック」を、国内グループ会社へは社員一人ひとりに配布、英語をはじめとする各言語に翻訳し、海外関係会社においても展開し、 eラーニングも行っています。取引先をはじめとするステークホルダーに対しては、WEB上で同内容を公開しています。なお、年4回開催するESG推進委員会において、経営理念・行動指針・倫理規範などの運用状況と有効性をモニタリングしています。

方針・ガイドライン

また、経営理念及び行動指針、倫理規範に基づき、「環境方針」や「調達方針」、「労働安全衛生方針」などの方針、各種ガイドラインを制定しています。2022年2月、住友林業グループとしてのあるべき姿を長期的な事業構想に落とし込んだ長期ビジョン「Mission TREEING 2030」を策定。特定した9つの重要課題に取り組み、地球環境、人びとの暮らしや社会、市場や経済活動などに対する価値を提供することで持続可能な社会の実現を目指しています。これらの具体的な実践として、中期経営計画の中で ESGに関する目標をサステナビリティ編として運用しています。

住友林業グループのサステナビリティ経営

住友林業グループのサステナビリティ経営

9つの重要課題と関連するSDGs

テーマ 9つの重要課題 関連するSDGs
地球環境への価値 1 森林経営による「森」と「木」の価値向上
2 「森」と「木」を活かしたカーボンニュートラルの実現
3 「森」と「木」を活かしたサーキュラーバイオエコノミーの実現
人と社会への価値 4 広く社会に快適でぬくもりある空間の提供
5 事業を営む地域の人々の暮らしの向上
6 働く人が活き活きできる環境づくり
市場経済への価値 7 「森」と「木」の新たな市場の創出
8 DX・イノベーションによる市場の変革
9 強靭な事業体制の構築

経営理念

住友林業グループは、公正、信用を重視し社会を利するという「住友の事業精神」に基づき、人と地球環境にやさしい「木」を活かし、人々の生活に関するあらゆるサービスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。

行動指針

お客様の感動を生む、高品質の商品・サービスを提供します。
新たな視点で、次代の幸福に繋がる仕事を創造します。
多様性を尊重し、自由闊達な企業風土をつくります。
日々研鑽を積み、自ら高い目標に挑戦します。
正々堂々と行動し、社会に信頼される仕事をします。

住友林業グループ倫理規範

目的ならびに適用範囲

住友林業グループは、経営理念ならびに行動指針に基づき、サプライチェーンも含め、本倫理規範に則った企業運営を行います。

公正かつ透明性のある企業活動

  1. 法令・規則の遵守
    国内外の法令ならびに社内規則を遵守し、国際行動規範を尊重します。
  2. 腐敗防止
    贈収賄、横領、マネーロンダリングを含む腐敗行為には一切関与しません。
  3. 公正な取引
    カルテルや談合などの疑いのある行為は一切関わらず、公正な取引を行います。
  4. 公正な会計処理
    正確な記録に基づく公正な会計処理及び税務処理を行います。
  5. ステークホルダーとのコミュニケーション
    株主をはじめとするステークホルダーの関心に配慮し、必要な情報を適時かつ公正に開示し、対話を行います。
  6. 機密保持
    自社ならびに第三者の機密情報の保護を確実なものとします。
  7. 情報セキュリティ
    情報の漏えいなどを防止するため、適切な情報セキュリティの確保を行います。
  8. 取引先との関係
    優越的な地位の乱用などの不適切な行為は行わず、取引先との建設的な関係を構築・維持します。
  9. 知的財産の保護
    自社の知的財産を保全するとともに、他者の権利の侵害は行いません。
  10. 個人情報の保護
    個人情報は適切に管理し、目的外の使用は行わず、漏えいを防止します。
  11. 責任ある広告宣伝
    誤解や不快感を起こさない、正確で節度ある広告宣伝を行います。
  12. 健全な政治との関係
    法令に基づき、健全で透明性のある政治との関係を維持します。
  13. 反社会的勢力の遮断
    反社会的勢力には、一切関与しません。
  14. 通報窓口の設置
    法令や本倫理規範の違反が疑われる場合に利用可能な通報窓口を設置します。通報は匿名の受付も可能とし、通報者に対する制裁は固く禁止するなど、積極的な利用を促します。

良識ある行動

  1. 利益相反の回避
    公私の区別を明確にし、会社との利害が対立するような行為は行いません。
  2. 会社資産の流用禁止
    個人的な目的で、会社の経費や資産を使用しません。
  3. インサイダー取引の禁止
    インサイダー取引には、他者への加担を含めて一切関与しません。
  4. 節度ある贈答、接待
    社会通念上妥当でない贈答・接待の授受は行いません。
  5. 政治・宗教活動の禁止
    就業時間内に、個人の信条に基づく、他人への勧誘などの政治・宗教活動は行いません。

人間尊重と健全な職場の実現

  1. 人権の尊重
    人権に関する国際規範に基づき、女性、子ども、先住民、マイノリティ、社会的弱者を含む、あらゆる人々の人権を尊重します。
  2. 差別の禁止と多様性の確保
    人種、民族、国籍、性別、宗教、信条、障害の有無、性的指向・ジェンダーアイデンティティなどによる差別は一切しません。また、多様性(ダイバーシティ)の確保・推進に努めます。
  3. 強制労働、児童労働の禁止
    強制労働、児童労働は、一切容認しません。
  4. 結社の自由と団体交渉権
    労働者の権利として、法令に基づき、結社の自由と団体交渉権を確保します。
  5. 適切な労働時間と賃金
    法令に基づく適切な労働時間と賃金を確保します。
  6. ワークライフバランスの確保
    育児や介護などの個人的な事情と業務との適切なバランスを確保します。
  7. 労働安全衛生
    安全で健康的な職場環境の維持に努めます。また、災害、事故等に備えた教育・訓練を定期的に実施します。
  8. 人財の育成
    能力、技能の向上を目指し、研修などの機会を提供し、人財の育成に努めます。
  9. ハラスメントの禁止
    セクシャルハラスメント、パワーハラスメント、非人道的な懲罰などの行為は、決して行わず、見過ごしません。
  10. プライバシーの保護
    個人のプライバシーを尊重し、保護します。

社会や環境に配慮した事業活動

  1. 顧客満足と安全
    お客様の安全・安心の確保を確実にするとともに、お客様の声に真摯に対応し、品質の向上と顧客満足を追求します。
  2. 環境共生
    商品とサービスのライフサイクルにわたる環境負荷の低減を目指し、地球温暖化の防止、資源循環、汚染の防止、生物多様性の保全に取り組みます。
  3. 地域社会への貢献
    地域の文化や慣習を尊重し、対話を通じて地域社会の持続的な発展に貢献します。

2017年7月1日制定

イニシアティブへの参加・賛同

国連グローバル・コンパクト

住友林業は、国連が提唱するグローバル・コンパクトを支持し、2008年12月から参加しています。「国連グローバル・コンパクト」の10原則は、「世界人権宣言」、国際労働機関(ILO)の「就業の基本原則と権利に関する宣言」など、世界的に確立された合意に基づいており、人権擁護の支持・尊重、強制労働の排除、児童労働の廃止などが盛り込まれています。

「国連グローバル・コンパクト」の10原則

人権 企業は、
原則1:国際的に宣言されている人権の保護を支持、尊重し、
原則2:自らが人権侵害に加担しないよう確保すべきである。

労働基準 企業は、
原則3:結社の自由と団体交渉の実効的な承認を支持し、
原則4:あらゆる形態の強制労働の撤廃を支持し、
原則5:児童労働の実効的な廃止を支持し、
原則6:雇用と職業における差別の撤廃を支持すべきである。

環境 企業は、
原則7:環境上の課題に対する予防原則的アプローチを支持し、
原則8:環境に関するより大きな責任を率先して引き受け、
原則9:環境に優しい技術の開発と普及を奨励すべきである。

腐敗防止 企業は、
原則10:強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである。

WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)

The World Business Council for Sustainable Developmentの略。持続可能な開発を目指す企業約200社を超えるCEO連合体で、企業が持続可能な社会への移行に貢献するために協働しています。

住友林業は、2019年1月よりWBCSDの内部イニシアティブであるForest Solutions Group (FSG)へ参加し、2020年1月にWBCSDへ加盟しています。また、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた「Forest Sector SDG Roadmap(2019年7月)」、低炭素経済に向けた「Forest Sector Net Zero Roadmap(2021年11月)」の策定にも参画しています。2022年1月にはネイチャーポジティブに向けたロードマップ「Forest Sector Nature-Positive Roadmap」の策定に日系企業として唯一参画しました。

持続可能な社会を実現するために、SDGsへの貢献をはじめ、事業を通じた社会課題解決に向けた取り組みを進めています。

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)

Task Force on Climate-related Financial Disclosures の略。FSB(金融安定理事会)の指示 により2015年4月に設置された気候関連財務情報開示タスクフォースであり、企業が任意で行う気 候関連のリスク・機会に関する情報開示のフレームワークが示されています。

住友林業グループでは、気候変動に伴うリスクを事業上の重要なリスクと認識しています。2018年7月にはTCFDへの賛同を表明。TCFD の提言に基づき、同年にシナリオ分析を開始しました。

また、企業の効果的な情報開示や、開示された気候変動対策関連情報を金融機関等の適切な投資判断につなげるための取り組みを議論するTCFDコンソーシアムにも参加しています。

関連情報はこちら

SBT(Science Based Targets)

SBTイニシアティブは2015年に、国連グローバル・コンパクト、CDPWRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金) の4団体が、産業革命前からの気温上昇を抑えるための科学的根拠に基づいた温室効果ガスの排出削減目標を推進するために設立されたイニシアティブです。

住友林業グループは2017年6月、SBTイニシアティブに対し、SBTを策定することを宣言し、グループ全体での新たな温室効果ガス長期削減目標を策定しました。2018年7月には、以下の2℃目標が SBTとして認定されました。

また、グループとしての取り組みを加速させるため、2030年を目標年としたスコープ1・2の温室効果ガス排出量削減目標値を21%削減から、パリ協定の1.5℃目標に合わせて2021年9月に54.6%削減に引き上げ、COP26(英グラスゴー)に対応しました。

2℃目標(SBT認定済)

  • スコープ1・2※1:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比21%減とする
  • スコープ3※1:カテゴリー1及び11※2合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

1.5℃目標(SBT申請済)

  • スコープ1・2:2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比54.6%減とする
  • スコープ3:カテゴリー1及び11合計の2030年温室効果ガス排出量を2017年(基準年)比16%減とする

※1 スコープ1:自社での燃料使用等による温室効果ガスの直接排出 例)社有車のガソリン使用に伴うCO2排出量。
スコープ2:購入した電力・熱による温室効果ガスの間接排出(CH4、N2Oを含む) 例)オフィスの電力使用に伴うCO2排出量。
スコープ3:サプライチェーンの温室効果ガス排出量 例)販売した製品の使用時の CO2排出量。

※2 カテゴリー1:スコープ3のうち、購入または取得した物品・サービスの採取・製造・輸送時における 温室効果ガス排出量。
カテゴリー11:スコープ3のうち、販売した物品・サービスの使用時における温室効果ガス排出量。

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RE100

RE100は国際的な環境NGO団体である「The Climate Group」「CDP」が連携して運営する国際イニシアティブです。

住友林業は2020年3月、事業で使用する電力の再生可能エネルギー100%化を目指す「RE100」に加盟しました。2040年までに自社グループの事業活動で使用する電力と発電事業における発電燃料を 100%再生可能エネルギーにすることを目指します。

その他のイニシアティブへの参加・賛同

主な参加イニシアティブ・取り組み推進団体

団体名
国連グローバル・コンパクト ※グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンおよびその分科会(ESG分科会、HRDD分科会、WEPs分科会、腐敗防止分科会、サプライチェーン分科会、サーキュラーエコノミー分科会)等含む
WWFジャパン
CDPジャパンクラブ
TCFDコンソーシアム
脱炭素経営促進ネットワーク(環境省)
COOL CHOICE キャンペーン(環境省)
気候変動イニシアティブ(JCI)
経団連自然保護協議会
企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB) ※サプライチェーン研究WG、緑地価値発見・コミュニケーションWG、自然資本評価WG含む

TNFDフォーラム
30 by 30 アライアンス(環境省)
GXリーグ(経済産業省)

主な署名・宣言

宣言等名称 賛同・署名時期
経団連生物多様性宣言 2009年12月および2019年12月
にじゅうまる宣言(にじゅうまるプロジェクト) 2016年5月
気候変動アクション日本サミット宣言(JCI) 2018年10月
気候変動対策強化を求めるJCIメッセ—ジ(JCI) 2020年2月
JCI パリ協定を実現する2030年目標を求めるメッセージ(JCI) 2021年4月
Call to Action(Business for Nature) 2020年9月
企業からG20首脳へのオープンレター(We Mean Business Coalition) 2021年9月
Race to Zero(Business Ambition for 1.5℃) 2021年9月
JCIメッセージ:いまこそ再生可能エネルギーの導入加速を 2022年6月
COP15評価・開示義務化のためのビジネスステートメント(Business for Nature) 2022年10月