これまで企業・官公庁が所有する緑は、生産工場・ビルなどの外周や玄関まわりの修景など、主に造園分野で扱われてきました。近年では生態系・生物多様性・環境コミュニケーションなど、新しいニーズに対応した緑地の利活用が求められるようになってきました。住友林業グループは、住宅や公園、町づくりから自然環境の再生まで、あらゆる場面の緑化を総合的に提案。鬱蒼とした既存企業緑地を生きものと共生する場として再生する、生物多様性を考慮した屋上・壁面緑化などを進める、エコロジカルネットワークを考慮した緑豊かな街づくりを行うなど、全国各地でさまざまな取り組みを行っています。
エココンサルティングとは
住友林業グループが国内外の森林経営で培ったノウハウを活かし、環境・地域社会との共生に配慮した植林・森林保全、発展途上国の荒廃地修復、国立公園などの生物多様性保全・植生回復などを提供し、企業価値向上を目的としたサステナビリティ経営の推進をトータルにサポートします。
エコモニタリング
エコモニタリングとは、生態監視と訳される概念です。
近年、多様な“緑”の機能を顕在化するため“緑”あるいはそれに寄り添う生きものの生態を観察・記録し、“緑”の保全や管理に役立てる動きが活発化しています。
わたしたちは“緑”を公共の財産であると認識し、市民参加の“緑”のモニタリングや地域ぐるみの“緑”の保全活動などを積極的に進めています。
資源量調査
獣害調査
鳥類調査
三陸復興国立公園 震災メモリアルパーク中の浜園地 コンサルティング事例
三陸復興国立公園 中の浜園地 被災後
三陸復興国立公園 中の浜園地 植樹後
三陸復興国立公園 中の浜園地 2020年
当社は、2011年東日本大震災の津波により失われた植生回復の活動へのエココンサルティングを行いました。本計画は、経団連自然保護協議会による「震災メモリアルパーク中の浜」における植生回復を支援するため、2014年から2019年までの6年間、復興ふれあいの森づくりエリアにおいて、地域住民との協働の下、調査から計画・実施までのコンサルティングを行いました。
生物多様性
急速に近代化する現代、自然との共生を実践できる場は急激に減少しています。
「自然との共生」とは“生きものとともに生きる豊かさ”を実感することであり、生物多様性とは生活の豊かさを示すひとつの尺度であると、わたしたちは考えます。
「環境の時代」を迎え、わたしたちはこれまで取り組んできた都市の緑化計画に対し、積極的に生物多様性の視点を取り入れていこうと考えています。
生物多様性に配慮した再開発「三井住友海上駿河台ビル・駿河台新館」
企業緑地(ENEOS知多製造所)で確認されたチョウトンボ
三井住友海上駿河台ビル屋上庭園のビオトープ
緑地の社会的評価のサポート
緑地は造成・管理がコスト要因になると考えられがちですが、いま「環境の時代」を迎え生態系、生物多様性など、緑地が潜在的に持つ公益的価値が再評価されつつあります。
近年、SEGES(シージェス:社会・環境貢献緑地評価システム)、ABINC(エイビング:いきもの共生事業推進協議会)など緑地の社会的評価を顕在化する取り組みが広くなされるようになってきた中、わたしたちは緑地の社会的評価の顕在化を支援するコンサルタントを進めています。