“環境の時代”を迎え、“緑”の公益的価値が再注目されています。これまで“緑”は目隠し・防風・防火など物理的機能が注目され利用されてきましたが、最近では生態系・生物多様性・地域コミュニケーション・地球環境など、新しいニーズにも対応した多様な機能が求められるようになってきました。私たちは、ともすればコスト要因と捉えがちな既存の企業緑地に対して、新しい視点から価値創造と緑地保全を行う事で環境・CSRに結びつける施策を提案します。
緑地のトータルサービス
壁面・屋上緑化
土地利用が高度である都市において、豊かな自然とのふれあい空間をつくる技術の一つに壁面や屋上の緑化技術があります。
わたしたちは建築壁面や人工地盤上に“緑”を単に配置するだけでなく、生態系・生物多様性などに配慮した“緑”の計画を積極的に進めています。
筑波研究所 壁面緑化
筑波研究所 屋上緑化
エコロジカルネットワーク
2013年度版環境白書では、“緑”の多さが“生活の豊かさ”の指標として紹介されました。豊かな自然は広域的な生きものの行き来を可能にするとともに、身近な日常での生きものとの出会いもまた、豊かな生活につながるとわたしたちは考えます。
わたしたちは“緑”の拠点を生物多様性に配慮した配置とすることで、特に飛翔性の生きものが飛び石状の中継地として緑地を利用する結果、広域的に豊かな生態系が維持される“エコロジカルネットワーク”の構築を積極的に進めています。
三井住友海上駿河台ビルのエコロジカルネットワーク図
データ提供:エコアセットコンソーシアム
※エコアセットコンソーシアム:住友林業、住友林業緑化、インターリスク総研、
地域環境計画の4社からなる、コンサルタントチーム
里山人工林の利活用と緑地管理・再生
21世紀環境立国戦略ではこの先わたしたちの国を襲うであろう「資源枯渇」「地球温暖化」「生態系の破壊」の3つの危機が示され、これらに対応しためざすべき社会の形として「資源循環社会」「低炭素社会」「環境共生社会」が挙げられています。
その中、環境共生社会を象徴する日本モデルとして“里山”が取り上げられ、その概念は“SATOYAMA イニシアティブ”として世界に発信されました。“里山”は他の国に類を見ないわが国特有の「人と自然との共生モデル」です。1990年代初めから環境的側面から“里山”に注目しその再生・運営に取り組んできたわたしたちは、その知見を活かし生態系、生物多様性、環境教育などの分野にもその展開を図っています。
里山とは集落から近く人による利用がなされている森林で、中山間地域に多く存在しています。
木材の生産は当然として薪炭材としての燃料利用や肥料としての落ち葉拾い、きのこや木の実の採取による食料供給と里山は様々な形で利用、維持されてきましたが、近年は薪炭材需要の低下過疎化、高齢化などにより利用が少なくなっており、里山資源の劣化、森林の所有境界が不明瞭になるなど様々な問題が発生しています。
再生した里山“トヨタの森”での環境教育風景
丸太の土留めに社員が植樹している様子(株式会社IHI相生事業所)
鹿の食害対策として芝生とツリーシェルターの設置(株式会社IHI相生事業所)
緑地管理・再生
法的な義務から配置された“緑地”には、鬱蒼として活力を失いかけているものも少なくありません。
わたしたちは里山再生や里山管理で培われた緑地の再生技術・知見を駆使し緑地管理、再利用化をはかり、ともすればコスト要因と考えられがちな“緑地”を企業イメージ向上などに利活用する活動を進めています。
大日本印刷株式会社 『市谷の杜』
大日本印刷株式会社 『市谷の杜』