TEAK STORY
最高級ホテル、タイの宮殿、そしてクイーンエリザベスII世号や飛鳥IIなどの豪華客船。優美な光沢で人々を魅了してきたチークは、気品あふれる趣にふさわしい逸話に彩られています。
歴史ある箱根のリゾートホテル「富士屋ホテル」。タイの国王と王妃が滞在するなど、かつては海外からの宿泊客が多く利用していました。そのメインダイニングルーム「ザ・フジヤ」の床を彩っているのが、チークの美しい寄木細工です。壁や天井にもチークが使われ、特別なひとときを楽しむ空間を生み出しています。また、タイにある世界を代表する豪華ホテルとして有名な「マンダリン・オリエンタル・バンコク」。このホテルの内装や家具にもチークがふんだんに使われ、ホテル内は優雅な雰囲気につつまれています。
写真:富士屋ホテル・メインダイニングルーム「ザ・フジヤ」
チークの原産国のひとつであるタイ。かつてこの国の王だったラマ5世は、ビクトリア調の豪華な「ウィマンメーク宮殿」を建てました。総チーク造りの3層建築で、チークによる建築物としては世界最大を誇ります。かつて王が暮らした宮殿は、チークが醸し出す優雅な気品にあふれていました。フランスのベルサイユ宮殿にもチーク製の家具が置かれるなど、王宮を飾るのにふさわしい素材として使われるのがチークです。
写真:ウィマンメーク宮殿
写真提供:タイ国政府観光庁
チークは良質な油分である木製タールを含んでおり、耐水性に優れ、鉄の腐食も防ぎます。そのため、世界に名立たる船舶に使用されてきました。1869年に進水した「カティーサーク号」。この優美な帆船に使用されていたのがチークでした。その100年後の1969年に就航した豪華客船「クイーンエリザベスII世号」のデッキと客室の内装を彩る素材として選ばれたのもチークでした。日本が誇る豪華客船「飛鳥II」のデッキにも使われています。耐水性に優れていることはもちろん、チークはその美しさで高級船舶や豪華客船を彩っています。
写真上:クイーンエリザベスⅡ世号
写真下:飛鳥Ⅱ