ニュースリリース(2011年)

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2011年3月8日

国内で初めて「サクラ」のDNAによる品種識別の技術を確立!
約200種の栽培品種のDNAデータベースを完成
~ 今までは難しかった品種の識別と品種管理を可能に ~

住友林業株式会社(社長:市川晃 本社:東京都千代田区)は、独立行政法人森林総合研究所(理事長:鈴木和夫 茨城県つくば市)、国立遺伝学研究所(所長:小原雄治 静岡県三島市)、財団法人遺伝学普及会(会長:森脇和郎)と共同で、DNAマーカーによる識別技術を活用してサクラの栽培品種を確実に識別する手法を確立し、データベース化することに成功しましたので、お知らせいたします。


多くの人々に親しまれているサクラは日本を代表する花木であり、古くは室町時代から品種改良が行なわれ、今では250以上の栽培品種があるといわれています。しかし、これらの栽培品種を花や葉など外部の形態からの観察のみで識別することは非常に難しいといわれておりました。今回、DNAマーカーによる識別技術を確立できたことにより、個々の栽培品種の明確な識別と整理ができ、また適切な管理にもつながり、次世代へ正確に引き継いでいくことが可能となりました。

 

DNAマーカーによるデータベース完成
  250以上あるといわれているサクラの栽培品種の中で、DNAを入手できた約200品種について、DNAマーカーを使用し、データベースを完成させました。これにより、確実にサクラの栽培品種を識別することが可能となり、同時に、長い歴史を持つ栽培品種間の関係を明確にすることが可能となりました。
 
データベース化の背景
  サクラは、古くから野生種をもとに品種改良が行なわれ、主に接ぎ木や挿し木による増殖により継代保存されてきました。そして品種識別においては、花や葉などの外部の形態から判断して分類がなされるのが一般的でした。形態からは違いが認められないにもかかわらず複数の名前がつけられている事例もあり、長い歴史の中での取り違えなどにより品種区分が未整理の状態にあり、形態のみでは正確な識別が困難なケースが散見されていました。
 
DNAマーカーによるデータベース化の意義
 

(1) 花のない季節や小さな苗木の段階においても、枝、葉、根など樹木の一部から品種識別が可能となります。

(2) サクラの系統関係の整理と明確な品種識別により、適切な品種管理ができ、また、正確な系統保存と後継稚樹の育成により、次世代へ確実に引き継ぐことが可能です。

(3) 新たな栽培品種が開発された場合、従来品種との違いをDNAマーカーにより確実に識別し、確証を得ることが可能となります。

 
データベース化までの手法
 

(1) 国立遺伝学研究所に研究のために保存、植栽されている約350本、および森林総合研究所多摩森林科学園(東京都八王子市)にて植栽されている約1500本、新宿御苑(東京都新宿区)の約1300本、これらのサクラ中から計約1850本のサクラをサンプルとして選択しました。

(2) 一般的に行われる形態による分類に加え、当社と森林総合研究所の両者がそれぞれ開発した合計20個のDNAマーカーを用いて、約1850本のサンプル全てのクローン識別を実施しました。

 
今後の取り組み
 

(1) 本データベースを活用し、栽培品種名の不明なサクラの識別を行うとともに、今後は日本各地にある名木・貴重木の増殖ビジネスにも取り組んでいく方針です。

(2) さまざまな樹木の種や個体の識別、種の多様性、生い立ちなどを確実に把握することで、次世代へ貴重な樹木をつなぐ取り組みを推進していきます。

(3) 当社ではDNAによる個体識別技術を用いて、平成19年に、人工林を構成する同一品種の苗、植林木、丸太や合板などの木材製品をトレースできる技術を開発しています。この技術をもとに、今後も苗木の品質管理、森林の多様性保全、木材加工品の合法性の科学的証明などビジネスへの展開を推進していきます。

 
 

* 本資料は、国土交通省記者会、国土交通建設専門紙記者会、農林記者会、農政クラブ、林政記者クラブに配布しています。また、本日、独立行政法人森林総合研究所より配布されている資料と同内容のものです。


以上
≪お問い合わせ先≫
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション室 松家・佐藤
TEL:03-3214-2270
FAX:03-3214-2272

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