ニュースリリース
(2020年)
2020年04月01日
筑波研究所 新研究棟が国土交通大臣賞を受賞
木材活用コンクールでオリジナル構造など評価
住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)筑波研究所の新研究棟が第23回木材活用コンクールで最優秀賞の国土交通大臣賞を受賞しました。本賞受賞は当社にとって初めてです。ポストテンション技術を用いたオリジナル構造、火災時の避難安全を詳細に確認することで実現した室内の木部の現し(あらわし)*1、室内外の緑化等新研究棟に採用した技術が評価されました。
■筑波研究所 新研究棟概要
事業者 |
住友林業㈱ 筑波研究所 |
建築地 |
茨城県つくば市緑ヶ原3-2 |
建築面積 |
1,120.27㎡ (338.9坪) |
延床面積 |
2,532.67㎡ (766.1坪)1F:1,001.95㎡ 2F:894.44㎡ 3F:636.28㎡ |
構造 |
オリジナルポストテンション構造 木造3階建 準耐火構造 |
用途 |
研究施設 |
プロジェクトマネジメント |
住友林業株式会社 木化推進部*4 |
設計 |
株式会社le style h/Atelier Asami kazuhiro 住友林業株式会社 木化推進部 |
施工 |
川田工業株式会社 |
工期 |
着工 2018年3月26日 竣工 2019年9月30日 |
新研究棟は木造3階建て延床面積2,532.67㎡で、全館避難安全検証法*2 に基づく大臣認定を取得して内装制限を緩和し、燃えしろ設計により梁、柱、壁の木部を現し(あらわし)にしています。屋上面へのソーラーパネルの設置や木質ペレット焚吸収式冷温水機を導入してCO2排出量を大幅に削減。屋上やバルコニー、外壁も緑化の実験場所にし非住宅木造建築物の緑化技術を検証します。オフィス空間で知的生産性を向上させる緑のレイアウトなども開発します。
新研究棟の壁柱は縦横1,200mm、厚さ390mm(燃えしろ部含む)のLVL(単板積層材)のブロックを縦方向に市松状に積み上げ、その中に鋼棒を貫き水平力に抵抗するポストテンション技術*3を用いたオリジナル構造を採用。ゼロエネルギービルディング(ZEB)の実現も視野に入れ省エネや再生可能エネルギー利用を取り入れています。
当社は創業から350周年を迎える2041年を目標に、高さ350mの木造超高層建築物を中核とした環境木化都市の実現を目指す研究技術開構想「W350計画」をスタートしています。新研究棟を拠点として木の価値を高める研究技術開発を加速していきます。
*1 現し:木造建築で柱や梁などの構造材が見える状態で仕上げる手法。
*2 全館避難安全検証法:想定される火災に対し、建物内の全員が地上へ安全に避難できる安全性能を有することを検証する手法。
*3 ポストテンション技術:耐力部材に通した高強度の鋼棒やワイヤーロープに引張力を与えることで部材間の固定度を高める技術。
*4 木化推進部:2020年4月1日より「建築市場開発部」に組織改正
<木材活用コンクールについて>
木材活用コンクールは日本木材青壮年団体連合会が主催し、農林水産省・国土交通省などが後援しています。木材の新たな利用、普及の可能性をさぐり、木材業界の活性化に寄与することを目的に1997年に創設され今年で23回目となります。表彰対象は木の伝統と文化を次世代へ繋ぐため「木の良さ」を活かした作品、新しい木材の利用や見せ方、新工法など「木材の新たな一歩(可能性)」を実現し、木材の良さの普及と利用拡大に貢献する作品です。
以上
《お問い合わせ先》
住友林業株式会社
コーポレート・コミュニケーション部 佐藤
TEL:03-3214-2270