ニュースリリース
(2021年)
2021年01月29日
住友林業株式会社
日本キャタピラー合同会社
株式会社サナース
日本初!土壌環境に配慮したウインチアシスト型林業作業機械 「テザー」を発売
住友林業株式会社(社長:光吉 敏郎 本社:東京都千代田区)と日本キャタピラー合同会社(社長:本田博人 本社:東京都中野区)、株式会社サナース(社長:海老原 豊 本社:神奈川県横浜市) は、傾斜地で伐採・搬出重機をアシストする林業機械「テザー」を共同開発し、日本キャタピラー社が1月29日(金)に販売開始します。ウインチとワイヤーによってアシストする林業機械の開発は日本初です。(「テザー」の動画はこちらhttps://bcove.video/3t7xpMb)
「テザー」を活用することで伐採・搬出重機を利用できなかった傾斜地での林業作業が可能です。従来、傾斜地での伐採作業は重機ではなく、作業効率が悪いチェーンソー使用し、作業者の労働負荷や安全性の確保が課題でした。
「テザー」は、伐採・搬出重機をアシストしワイヤーで引っ張ることで重機の安定姿勢を保ち、傾斜地でも伐採・搬出重機を使用して作業が可能です。傾斜地での伐採作業効率と安全性が格段に改善し、生産性の大幅な向上が期待できます。また、伐採機械のスリップを防止できるので、伐採現場の土壌環境を保全し再植林時の苗木の活着や成長に悪影響を与えません。
日本では戦後に植えられた木が伐採期を迎えています。国産材の需要が増え伐採が進められる中、林業をサステイナブルな産業として発展させるためには、伐採後の土地に計画的に苗木を植え再造林する必要があります。伐採・搬出作業の機械化は進んでいるものの、急峻な土地が多い日本では生産性の向上が急務です。林業従事者も減少・高齢化しており住友林業と日本キャタピラーとサナースは、「テザー」の導入で林業の生産性向上と安全性の確保を目指します。住友林業グループは、今後も事業活動を通じて社会的課題に取組み、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。
1.導入による期待される効果
※1日本キャタピラー社とは別法人、世界最大の建設機械メーカー。エンジン・発電機などパワーシステムのリーディングサプライヤー。
2.主な機能
250mの長さの鋼芯ワイヤーを備え、斜面の下の重機を牽引し、安定した作業や、重機が斜面上を昇り降りする動作をサポートします。牽引する力は、2トンから8トンまで変更可能です。
2段折り畳み式タワーを採用し、タワーの高さを確保することで真下へのエネルギーが増し、地面に固定されるので連結時でも安定します。独自に開発した機構と操作方法により容易に倒立させ、また折り畳むことで、輸送時のサイズも小さく抑えています。セルフローダー※2に搭載できるサイズとし、トレーラーを利用しなくても運べるため林道を走行して現場まで搬入することも可能です。
※2セルフローダーは、ボディの前方を油圧シリンダーでジャッキアップさせて車体を後方に傾斜させることができる車。 建設・土木工事で使用されるブルドーザーや油圧ショベル、ホイールローダーなどの重機やフォークリフトなど運搬することに長けています。
折り畳み式タワーの先端に、牽引ワイヤーイジェクターを搭載。これによって、ワイヤーの張力が一定に保たれ、「乱巻き」(ワイヤーが規則正しく巻かれない状態)を防止します。
Konrad社製のウインチを搭載し、ワイヤーの繰り出しや巻き上げは斜面の下で動作する機械の動きにシンクロ(同時に応答して動作)します。オペレーターがリモコンで操作し無人で動作します。巻き上げ速度は時速4㎞です。
バケット※3を逆向きにつけた形で、地面に突き刺すだけで簡易に設置できます。バケットにより簡単な整地作業も実施可能です。
※3油圧ショベルカーのアームに装着するアタッチメントの一つで「掘る」作業や「すくう」作業に用いる部分。
拡張ウインチ搭載スペースがあり、将来の多様なニーズに備えた拡張性があります。
(写真と説明)
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以上
≪リリースに関するお問い合わせ先≫
機械全般に関するもの
住友林業株式会社 コーポレート・コミュニケーション部 河村、真鍋
TEL:03-3214-2270
機械本体並びに販売、サービスに関するもの
日本キャタピラー合同会社 応用環境機営業部
TEL:0467-75-0740(代表)
ウインチに関するもの
株式会社サナース
TEL:045-534-2270