ガバナンス

コーポレートガバナンス

基本的な考え方

住友林業は、「住友林業グループは、公正、信用を重視し社会を利するという『住友の事業精神』に基づき、人と地球環境にやさしい『木』を活かし、人々の生活に関するあらゆるサービスを通じて、持続可能で豊かな社会の実現に貢献します。」という経営理念の下、経営の透明性確保、業務の適正性・適法性の確保、迅速な意思決定・業務執行等に努めています。

また、これらの取り組みを通じて、コーポレートガバナンスのさらなる充実及び強化を図ることで、継続的に企業価値を拡大し、住友林業グループを取り巻く多様なステークホルダーの期待に応える経営を行っていきます。

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コーポレートガバナンスと内部統制

住友林業は、執行役員制度の導入により意思決定・監督機能と業務執行機能を分離し、社外取締役3名(男性1名、女性2名)を含む9名(男性 7名/77.8%、女性2名/22.2%)の取締役で構成される取締役会が迅速な意思決定を行う体制としています。取締役会の議長を務める会長は執行役員を兼務せず、取締役会の監督機能の強化と執行役員の業務執行責任の明確化を図っています。また、取締役会の諮問機関として、取締役・監査役候補者及び執行役員の選任並びに取締役及び執行役員の報酬等に関して意見表明を行う指名・報酬諮問委員会を設置し、意思決定の透明性及び公正性を確保しています。

さらに、住友林業は監査役会設置会社で、監査役は社内の重要会議に出席する他、グループ会社の監査役や内部監査部門との情報交換、監査役補助スタッフを指揮して行う監査業務などを通じて、取締役の業務執行を監督しています。

なお、2023年3月30日現在、取締役9名(うち社外取締役3名)、監査役5名(うち社外監査役3名)、執行役員20名(取締役兼務者5名を含む)を選任しています。社外取締役3名及び社外監査役3名については、証券取引所の定めに基づく独立役員として届け出ています。

コーポレートガバナンス体制

コーポレートガバナンス体制

取締役会・経営会議

取締役会は原則として月1回開催し、取締役会附議基準による重要事項に関する意思決定・監督機能を担っています。具体的には、重要事項に関する意思決定と業績などの確認を行うとともに、各取締役からの報告を基にその職務執行状況を監督しています。取締役及び監査役は、原則として取締役会への出席率を75%以上確保することとしています。

また、重要事項について十分に事前協議するため、取締役会の前に社長の諮問機関である経営会議を開催しています。経営会議には執行役員を兼務する取締役の他、常勤監査役も出席し、原則として月2回開催しています。

本体制により、迅速な意思決定と監督と執行の分離を進め、取締役会の有効性を担保しています。2022年度は、取締役会を15回、経営会議を26回開催しました。

取締役一覧

地位※1 氏名 担当または重要な兼職の状況※1 取締役会※2
出席回数
(回)
出席率
(%)
代表取締役
取締役会長
市川 晃 コニカミノルタ株式会社 社外取締役、
住友化学株式会社 社外取締役
15 100
代表取締役
取締役社長
光吉 敏郎 15 100
代表取締役
執行役員副社長
佐藤 建 生活サービス本部 管掌、
総務・法務・秘書・渉外・人財開発・D&I・ITソリューション・内部監査 担当、
株式会社熊谷組 取締役
15 100
取締役
専務執行役員
川田 辰己 資源環境事業本部 管掌、
経営企画・財務・コーポレート・コミュニケーション・サステナビリティ推進 担当
15 100
取締役
専務執行役員
川村 篤 木材建材事業本部 管掌、
筑波研究所 担当、
海外住宅・建築・不動産事業本部長 委嘱
15 100
取締役
常務執行役員
髙橋 郁郎 住宅事業本部長 委嘱 12※3 100
取締役(社外) 山下 泉 株式会社イオン銀行 社外取締役 15 100
取締役(社外) 栗原 美津枝 株式会社価値総合研究所 代表取締役会長、
中部電力株式会社 社外取締役、
株式会社日本政策金融公庫 社外取締役
15 100
取締役(社外) 豊田 祐子※4 弁護士

※1 地位、担当または重要な兼職の状況は、2023年3月30日のものです

※2 2022年度における取締役会への出席回数・出席率を記載しています

※3 2022年3月29日に取締役に就任して以降の状況を記載しています

※4 2023年3月30日に就任しました

取締役会の構成

取締役会は、その役割・責務を実効的に果たすため、性別・国籍等の多様性を考慮し、住友林業グループの事業に関する豊富な経験や実績を有する者、会社経営あるいは産業・政策等に係る豊富な経験や実績を有する者または法律・会計等の専門性を有する者等、知識・経験・能力等において専門性及び多様性を備える構成とし、人数は17名以内としています。

役員のスキル・マトリックス

下表は、取締役及び監査役がそれぞれ保有しているスキル(専門性・経験)のうち、特に期待するものを示しています。

役職 企業経営 資源・環境 建築・
不動産開発
グローバル 財務・会計 人財開発・D&I 法務・
リスク管理
IT・DX 産業政策
取締役 市川 晃 代表取締役
取締役会長
光吉 敏郎 代表取締役
取締役社長
執行役員社長
佐藤 建 代表取締役
執行役員副社長
川田 辰己 取締役
専務執行役員
川村 篤 取締役
専務執行役員
髙橋 郁郎 取締役
常務執行役員
山下 泉 社外取締役
栗原 美津枝 社外取締役
豊田 祐子 社外取締役
監査役 福田 晃久 常任監査役
角元 俊雄 監査役
皆川 芳嗣 社外監査役
鐵 義正 社外監査役
松尾 眞 社外監査役

スキル項目の選定理由

企業経営 国内外における森林経営、木材・建材の流通及び製造、住宅建築等、人々の生活に関わる幅広い分野で展開する既存事業の更なる成長に加えて、世界的な脱炭素化への動きの中で長期ビジョンを達成するためには、企業経営の経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
資源・環境 長期ビジョンにおいて森林経営による「森」と「木」の価値向上を掲げており、森林のCO2吸収源としての価値を訴求した新たな事業を展開し、また、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に基づくシナリオ分析及び情報開示の継続的な実施並びにSBT(Science Based Targets)に基づいた温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取り組み等を着実に進めるためには、資源・環境の専門性・経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
建築・
不動産開発
長期ビジョン及び中期経営計画において掲げる中大規模木造建築事業の拡大と、不動産開発事業を新たな収益の柱として育成・強化するために、建築・不動産開発の専門性・経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
グローバル 長期ビジョンにおける事業方針として「グローバル展開の進化」を掲げており、海外におけるグループ事業領域と規模の拡大を進めるためには、海外での経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
財務・会計 資本効率の向上及び自己資本の充実を図りながら、企業価値向上に向けた持続的な成長投資等を実現するためには、財務・会計の専門性・経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
人財開発・D&I 長期ビジョンにおいて「人と社会への価値」を高めることを掲げており、事業の多様化に対応した人財の継続的確保と育成の強化、及び社員のエンゲージメントの向上、働きかた改革の推進、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)への取り組み等を進めるためには、人財開発・D&Iの専門性・経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
法務・
リスク管理
持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するコーポレートガバナンス体制の整備やグローバルな事業展開等を可能とするリスク管理体制構築のためには、法務・リスク管理の専門性・経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
IT・DX 長期ビジョンにおいて「市場経済への価値」を高めることを掲げており、全社的にデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進し、また、ITインフラの整備等を通じて生産性を向上するために、IT・DXの専門性・経験を持つ取締役会メンバーが必要である。
産業政策 長期ビジョンにおいて「市場経済への価値」を高めることを掲げており、森林のCO2吸収源のカーボンクレジット化を通じた事業等を展開するためには、社会との関わりの中で、政策面での枠組み作り等が求められるため、産業政策の知見を持つ取締役会メンバーが必要である。

取締役の指名手続

取締役候補者は、人格識見及び住友林業の経営に対する有用性を備えている者から、指名・報酬諮問委員会からの意見を踏まえ、取締役会で決定しています。また、取締役の略歴と兼任状況について、ホームページ上で公開しています。

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取締役会の実効性分析・評価とその結果

1.評価の方法(評価プロセス)
取締役会の実効性に関して、当年度は、自己評価・分析については、外部機関の助言を得ながら、全取締役及び全監査役を対象としたアンケートを実施(回答方法は、無記名方式として、外部機関に直接回答することで匿名性を確保)したほか、当該アンケート結果に対する外部評価を実施しました。また、取締役会において、住友林業のコーポレートガバナンス基本方針で定められている取締役会の役割等にかかる実施状況の確認や、取締役及び監査役との意見交換を踏まえ、評価を行いました。

2.評価の結果

  • 1.による評価の結果、住友林業の取締役会は総じて実効的に機能していると評価しました。
  • 昨年度の評価で課題として認識された案件への取り組みとしては、取締役会附議案件について、予め審議する経営会議における論点資料を作成・配付することにより、議論のポイントを明確にするなど取締役会運営の効率化を図りました。また、中期経営計画の進捗状況については、取締役会及び取締役会における討議内容の充実を図る役員懇談会において、定期的に議論が行われていること等を確認しました。
  • 今後の課題としては、経営陣のサクセッションプランに関するモニタリングや、事業分野拡大に伴う新たな事業リスクへの対応等を求める意見がありました。

住友林業は、今後も認識された課題の改善に継続的に取り組むことにより、取締役会の実効性のさらなる向上に努めてまいります。

監査役会

監査役会は、監査に関する重要事項を協議・決定しています。社外監査役3名を含む5名の監査役は、それぞれの経験を背景とした高い見識と多角的な視点に基づき、取締役の業務執行をチェックしています。2022年度は14回開催しました。

また、主要な子会社の監査役に適切な人材を選任し、当該各社における監査の実効性の向上と情報交換を目的として、住友林業の常勤監査役及び主要子会社の監査役をメンバーとするグループ監査役会を開催しています。2022年度は5回開催しました。

監査役一覧

地位※1 氏名 担当または重要な兼職の状況※1 取締役会※2 監査役会※2
出席回数
(回)
出席率
(%)
出席回数
(回)
出席率
(%)
常任監査役(常勤) 福田 晃久 15 100 14 100
監査役(常勤) 角元 俊雄※3 - - - -
監査役(社外) 皆川 芳嗣 株式会社農林中金総合研究所 理事長、
農林中央金庫 経営管理委員
14 93 13 93
監査役(社外) 鐵 義正 公認会計士、
大和自動車交通株式会社 社外監査役
15 100 14 100
監査役(社外) 松尾 眞 弁護士、
株式会社カプコン 社外取締役(監査等委員)、
ソレイジア・ファーマ株式会社 社外監査役、
大正製薬ホールディングス株式会社 社外監査役
15 100 14 100

※1 地位、担当または重要な兼職の状況は、2023年3月30日現在のものです

※2 2022年度における取締役会・監査役会への出席回数・出席率を記載しています

※3 2023年3月30日に就任しました

社外役員に関する考え方

社外取締役及び社外監査役の選任にあたっては、以下の独立性基準及び兼職基準に基づき、判断しています。

① 独立性基準

以下の基準のいずれにも該当しない者について、独立性を有する者と判断します。

1.会社の業務執行者
住友林業、住友林業の子会社又は関係会社の業務執行取締役又は執行役員、支配人その他の使用人(以下「業務執行者」)

2.コンサルタント等
(1)住友林業又は住友林業の子会社の会計監査人である監査法人に所属する社員、パートナー又は従業員
(2)弁護士、公認会計士又は税理士その他のコンサルタントであって、住友林業又は住友林業の子会社から役員報酬以外に過去3事業年度の平均で年間1,000万円以上の金銭その他の財産上の利益を得ている者
(3)法律事務所、監査法人、税理士法人又はコンサルティングファームその他のアドバイザリーファームであって、住友林業又は住友林業の子会社を主要な(過去 3事業年度の平均でその連結総売上高の2%以上の支払いを住友林業又は住友林業の子会社から受けた)取引先とするファームの社員、パートナー、アソシエイト又は従業員

3.大株主(被所有)
住友林業の総議決権の10%以上を直接又は間接的に保有する者(法人の場合はその業務執行者)

4.大株主(所有)
総議決権の10%以上を住友林業又は住友林業の子会社が保有している法人の業務執行者

5.取引先
(1)販売先(主要な取引先):住友林業の販売額が住友林業の連結売上高の2%以上である者(法人の場合はその業務執行者)
(2)仕入先(住友林業を主要な取引先とする者):住友林業の仕入額が仕入先の連結売上高の2%以上である者(法⼈の場合はその業務執⾏者)

6.借入先
住友林業の借入額が住友林業の連結総資産の2%を超える借入先(法人の場合はその業務執行者)

7.寄附先
住友林業又は住友林業の子会社が、過去3事業年度の平均で年間1,000万円又は総収入の2%のいずれか高い額を超える寄附を行っている者(法人の場合はその業務執行者)

8.親族
本基準において独立性を否定される者(重要でない者(※)を除く)の配偶者又は二親等以内の親族

9.過去要件
1.については過去10年間、2.ないし7.については過去5年間のいずれかの時点において該当していた者

10.社外役員の相互就任関係
住友林業又は住友林業の子会社の業務執行取締役、常勤監査役を社外役員として受け入れている会社の業務執行者、常勤監査役

※ 重要でない者とは、金融商品取引所が定める独立性基準を踏まえ、以下のとおりとする。
・各会社については、業務執行取締役、執行役員、支配人及び部長クラスの従業員以外の者をいう。
・法律事務所又は監査法人等のアドバイザリーファームについては、ファームの社員、パートナー及びアソシエイト以外の者をいう。

なお、社外取締役3名及び社外監査役3名は、上記の独立性基準に照らし、一般株主と利益相反の生じるおそれのない者として、十分な独立性が確保されているものと判断しています。

② 兼職基準

(ⅰ) 他の上場会社の取締役又は監査役を兼務する場合、兼職数は以下のとおりとする。
(ア)兼務先において業務執行取締役であるとき
住友林業以外に当該業務執行を行う会社1社のみ。
(イ)(ア)以外
住友林業以外に4社まで。

(ⅱ)取締役会又は監査役会への出席を75%以上確保できること

指名・報酬諮問委員会

取締役会は、その諮問機関として、指名・報酬諮問委員会を設置し、取締役・監査役候補者及び執行役員の選任、取締役・監査役・執行役員の解任、最高経営責任者及び執行役員の評価、取締役及び執行役員の報酬等の決定に関し、意見表明を求め、公正性・透明性を確保しています。指名・報酬諮問委員会は、会長、社長及び全ての社外役員(社外取締役3名及び社外監査役3名)から構成され、委員の過半数を社外役員が、委員長を社外取締役が務めることとしています。

取締役の報酬は、株主総会の決議により定めた金額の範囲内で、指名・報酬諮問委員会からの意見を踏まえ、取締役会で決定しています。執行役員の報酬は、指名・報酬諮問委員会からの意見を踏まえ、取締役会で決定しています。

指名・報酬諮問委員会の委員一覧

地位※1 氏名 指名・報酬諮問委員会※2
出席回数(回) 出席率(%)
委員長 取締役(社外) 山下 泉 3 100
委員 取締役(社外) 栗原 美津枝 3 100
取締役(社外) 豊田 祐子※3 - -
監査役(社外) 皆川 芳嗣 3 100
監査役(社外) 鐵 義正 3 100
監査役(社外) 松尾 眞 3 100
代表取締役 会長 市川 晃 3 100
代表取締役 社長 光吉 敏郎 3 100

※1 指名・報酬諮問委員会の構成及び地位は2023年3月30日現在のものです

※2 2022年度における指名・報酬諮問委員会への出席回数・出席率を記載しています

※3 2023年3月30日に就任しました

リスク管理委員会

リスク管理委員会については、「リスクマネジメント/リスク管理体制」に掲載しています。

2022年度は、リスク管理委員会を4回、コンプライアンス小委員会を2回、BCM小委員会を2回開催し、取締役会への報告を4回実施しました。

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ESG推進委員会

地球温暖化、SDGs、及び人権問題への対応など、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)における中長期的な取り組みやその情報開示への要請が高まっていることから、 2018年度よりESG推進委員会を設けています。

ESG推進委員会は、執行役員兼務取締役及び各本部長から構成され、執行役員社長が委員長を務めています。年4回開催する同委員会では、気候変動をはじめとする住友林業グループの持続可能性に関わる中長期的なESG課題に対する取り組みの立案・推進やリスク・機会の分析、SDGs達成に貢献する事業戦略を織り込んだ中期経営計画サステナビリティ編の進捗管理、行動指針・倫理規範などの運用状況と有効性のモニタリングを行っています。

また、委員会での議事内容については全て取締役会へ報告し、事業と社会課題の解決の一体化を図っています。

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内部監査

住友林業は、グループの約200事業所を対象に、リスク評価を加味して、毎年約60拠点を選定し内部監査を実施しています。対象となる拠点は、「業務リスク」(業績・規模・事業の複雑性など)と「コントロールリスク」(リスクの管理体制)の2つの視点から優先順位を付けて選定しています。原則として現地へ赴き関係者面談及び書類等の現物を確認し評価します。なお、新型コロナウイルス禍で行動制限がかかる中でリモート監査(書面監査やビデオ会議)による面談も一部実施しました。また、監査用ソフトを導入して CAATs(Computer Assisted Audit Techniques:大容量のデジタルデータを抽出し、監査ツールを使って数値の妥当性等を検証する技法)に取り組む等、DXを推進しています。

内部監査では、コンプライアンスの遵守をはじめとする業務の遂行状況や事務処理の管理状況を確認し、その結果を社長、内部監査担当執行役員、監査役の他、対象事業所の責任者と事業所を担当する執行役員・取締役に報告しています。また、指摘事項があった場合は、文書や四半期ごとのフォローアップなどで事業所における改善の取り組みを確認するとともに、社長、内部監査担当執行役員、監査役に報告しています。さらに、内部監査に関する計画及び結果についても、直接取締役会に報告している他、社外役員との間で内部監査に関する意見交換会を年1回以上実施しています。

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役員報酬

住友林業は、法令に基づき各事業年度における取締役・監査役の役員報酬を開示しています。

取締役及び監査役の報酬等の総額

(2022年度)

役員区分 報酬等の総額
(百万円)
報酬等の種類別の総額
(百万円)
対象となる
役員の員数
(人)
例月報酬 業績連動報酬
(賞与)
非金銭報酬
旧制度(2022年
3月以前)
新制度(2022年
3月以降)
譲渡制限付
株式報酬
業績連動型譲渡
制限付株式報酬
取締役
(社外取締役を除く)
489 267 163 8 51 7
監査役
(社外監査役を除く)
50 50 2
社外取締役 41 41 3
社外監査役 33 33 3

※1 報酬が1億円以上の役員名とその金額は有価証券報告書において開示しています

※2 上記には、2022年3月29日開催の第82期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役1名を含んでいます

※3 取締役の非金銭報酬の総額は、それぞれ、①旧制度(2022年3月以前の譲渡制限付株式報酬制度)に基づき、取締役(社外取締役を除く)6名に付与した譲渡制限付株式の割当てに関して当事業年度に費用計上する金額の8百万円、及び②新制度(2022年3月以降の業績連動型譲渡制限付株式報酬制度)に基づき、3年間の評価期間後に交付する株式の見込数に応じた金銭報酬債権の支給見込額を算定し、当事業年度に費用計上する金額の51百万円を記載しています

役員報酬等

    [取締役の報酬等]

    基本方針

    住友林業の取締役の報酬等は、以下の方針に基づき制度設計しています。

    • 短期業績だけでなく、中長期的な業績・企業価値向上と連動性の高い制度とする。
    • ESGと一体化した経営を推進する中で、新たに創出・提供する価値と連動した制度とする。
    • 住友林業の株主価値との連動を意識した制度とする。
    • 長期ビジョン達成に必要な人財を確保・維持できる報酬水準とする。
    • 報酬決定プロセスにおける、透明性・客観性を担保する制度とする。

    報酬水準

    役員報酬の客観性、適正性を確保する観点から、住友林業の取締役の報酬等の水準は、外部専門機関の調査による他社水準を参考に、同規模企業群の中上位水準を志向して設定します。また、外部環境の変化等に応じて適宜見直しを行います。

    報酬構成

    住友林業の取締役の報酬は、(a)責任と役割に応じた固定報酬、(b)短期インセンティブとしての年次業績連動賞与、及び(c)中長期インセンティブとしての業績連動型譲渡制限付株式報酬の3種類の報酬構成とします。これにより、短期及び中長期の視点による経営への取り組みを促し、その成果に対して適切に報いることができる仕組みとしています。なお、独立した立場で経営の監督機能を担い、業務執行を担う立場にない社外取締役の報酬構成については、固定報酬のみとしています。
    それぞれの報酬の種類の具体的な内容の概要については、以下のa.~c.の通りです。

    • 固定報酬
    • 住友林業は取締役の役位別に、その責任と役割に応じて固定報酬の額を決定します。固定報酬は例月報酬とし、毎月一定期日に固定金額を定めて現金支給します。
    • 社外取締役の報酬は、固定報酬としての例月報酬のみで構成し、報酬額はその責任と役割に応じて決定します。
    • 年次業績連動賞与
    • 年次業績連動賞与の支給額は、役位別に定める標準賞与額に、各事業年度の基準利益(対象となる決算期における連結経常利益から退職給付会計に係る数理計算上の差異、及び非支配株主に帰属する当期純利益を除いた額)に比例して変動する支給率(下限0%~上限180%)を乗じて算出した金額を前提とし、総合的に判断して決定します。
    • 住友林業は、退職給付会計に係る数理計算上の差異について単年度で一括して償却する方式を採用しているため、期末の株価変動、金利情勢等により当該数理計算上の差異が大きく変動した場合、業績に与える影響が大きいという特徴があります。そのため、退職給付会計に係る数理計算上の差異を除いた連結経常利益を、基準利益算定に際して用います。
    • 年次業績連動賞与の各対象取締役に対する支給については社外取締役が委員長を務め、社外役員が構成員の過半数を占める指名・報酬諮問委員会の意見を踏まえ、取締役会で決定します。
    • 業績連動型譲渡制限付株式報酬
    • 業績連動型譲渡制限付株式報酬は、各中期経営計画の期間中(3年間)の業績を支給水準に反映させる仕組みとしており、役位別に定める所定の標準株式報酬額が、対象期間中における、(ア)TOPIX対比の当社株式時価総額成長率に連動する部分(役位別標準株式報酬額の2/3)と、(イ)SBT(Science Based Targets)に基づく温室効果ガス排出削減目標の達成率に連動する部分(役位別標準株式報酬額の1/3)とで構成されます。

      業績連動型譲渡制限付株式報酬は、中長期的な株主価値向上を重視した経営を推進するため、中期経営計画期間中の企業価値向上に対するインセンティブとして、3年間の中期経営計画最終事業年度終了後に、対象取締役に対して、中期経営計画の達成状況に応じた譲渡制限付株式を付与する制度です。なお、当初の対象期間は、2022年1月1日から2024年12月 31日までの3年間(以下「当初対象期間」といいます。)となります。

      業績連動型譲渡制限付株式報酬は、2つの指標を用いて支給額を算定する仕組みとしており、その算定式は以下の通りです。

      株式時価総額成長率連動報酬
      住友林業の株式時価総額成長率とTOPIX成長率を比較し、株式市場における住友林業の相対的な評価を客観的に測り、報酬に反映することを目的としています。
       <算定式> 役位別標準株式報酬額の2/3に相当する金額 × 支給率(中期経営計画期間中の住友林業株式時価総額成長率/同期間中のTOPIX成長率)

      ※支給率は下限0%~上限120%とします。

      サステナビリティ指標達成率連動報酬
      支給率上限を100%に設定することで、住友林業がSBT(Science Based Targets※1)に基づき定めた温室効果ガス排出削減目標※2が達成できなかった場合は、標準株式報酬額から目標達成状況に応じて支給される報酬額が減額される設計としており、目標達成に向けて、強いインセンティブが働く仕組みとしています。
       <算定式> 役位別標準株式報酬額の1/3に相当する金額 × 支給率(SBTに基づく温室効果ガス排出削減中期経営計画目標の達成率)※3

      ※1 国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)において採択され、2016年に 発効したパリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、 5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標のことです。

      ※2 当初対象期間の温室効果ガス排出削減目標は、当社の2017年度との比較で△ 21.7%と定めております。

      ※3 支給率は下限0%~上限100%とします。

    • 各対象取締役への株式報酬額は、対象期間終了後に、各評価指標実績値を基に対象期間中の株式報酬累計額を算出し、指名・報酬諮問委員会の意見を踏まえ、取締役会において決定します。

    報酬構成割合

    取締役の固定報酬と変動報酬の構成割合は、基準利益が1,000億円の場合に、固定:変動=60:40となるよう制度設計しています。具体的には、固定報酬60%、年次業績連動賞与(変動)25%、業績連動型譲渡制限付株式報酬(変動) 15%となります。なお、社外取締役の報酬は、固定報酬のみとしています。

    報酬ガバナンス

    取締役の個人別の報酬額等役員報酬に関する事項は、委員長を社外取締役が務め、委員の過半数を社外役員(社外取締役3名、社外監査役3名)で構成する指名・報酬諮問委員会(委員総数8名)の意見を踏まえ、取締役会で決定します。

    報酬の没収等

    対象取締役による非違行為等が取締役会で確認された場合、業績連動型譲渡制限付株式報酬の支給制限又は返還を求めることができます。

    [監査役の報酬等]

    監査役の報酬は、基本報酬としての例月報酬のみで構成しています。また、役員報酬の客観性、適正性を確保する観点から、第三者による国内企業を対象とした役員報酬調査結果を活用し、適切な報酬水準の設定を行うようにしています。

政策保有株式について

住友林業コーポレートガバナンス基本方針の第5条において、以下のとおり政策保有株式について定めています。

1.当社は、取引先との長期的・安定的な取引関係の維持・強化及び関係強化による当社事業の拡大等の観点から、当社の中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合、取引先等の株式を取得及び保有する。

2.当社は、前項に基づき保有する株式(政策保有株式)に関し、定期的に、取締役会において、保有に伴う便益・リスクと資本コストとの関連性を分析するなど、当社の企業価値向上に繋がるかを検証し、これを反映した保有のねらい・合理性の確認を行うこととし、保有の合理性・必要性等を確認できないと判断した場合は、当該政策保有株式の縮減を行う。

3.政策保有株式の議決権行使にあたっては、議決権行使基準をもとに、当社の企業価値向上の観点から総合的に判断し、適切に議決権を行使する。