生活サービス事業における取り組み

事業を通じた超高齢社会への貢献

日本の高齢化率は2010年に超高齢社会に突入した後も上昇を続け、2019年10月には28.4%に達し、2025年には30%を超えると推測されています。急速に進む超高齢社会への対応は、日本の最重要の社会課題の一つとなっています。

当社はこの課題に対応すべく、住宅・建築事業で培った快適な住空間を創造するノウハウを活かし、高齢者に向けた安心・安全な住環境の提供を中心に、いきいきとして不安のない生活を一日も長く続けていただくための様々なサービスを展開し、質・量両面での拡充に努めています。

※ 2020年版「高齢社会白書」より

お客様ニーズに応え、サービスを拡大

提供居室数
2021年度目標
2,014

提供居室数
2020年度実績
1,764

写真:グランフォレスト学芸大学

グランフォレスト学芸大学

住友林業は、スミリンフィルケア社(本社:東京都新宿区)とスミリンケアライフ社(本社:神戸市中央区)を通じて、高齢者向けの介護サービスを提供しています。

スミリンフィルケア社は、介護保険基準を上回る職員配置を行い、ご入居者一人ひとりにきめ細かなサービスを提供しています。2016年度から2018年度には東京23区内に5施設、神戸市に1施設の介護付き有料老人ホームを新設し、現在の提供居室数は766室です。併せて同社ではデイサービスセンター3施設の運営を行っています。

スミリンケアライフ社は、これまで神戸市内に自立と介護の混合型の大規模介護付き有料老人ホーム3施設を展開してきました。介護保険基準の2倍以上のスタッフを配置し、24時間常駐の看護スタッフと全施設に併設された医療機関が連携し高度なサービスを提供。その質は外部機関からも高く評価されています。2020年5月には、兵庫県西宮市に総戸数309戸の住宅型有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)「エレガーノ西宮」を開設しました。エレガーノ西宮を合わせると提供居室数は4施設で998室となります。併せて同社は、訪問看護・訪問介護・通所介護など在宅ケアサービスを提供するサービスステーションを7ヵ所展開しています。

このように当社グループの質の高いサービスをより多くのお客様へ届けるため、近年提供室数の拡大を進めています。中期経営計画サステナビリティ編において提供居室数を2,014室に拡大することを目標として掲げており、2020年度は2社合計で提供居室数1,764室となりました。

なお、2020年度以降、新型コロナウイルスの感染拡大が国内外で続いていますが、上記2社では感染防止に最大限注力するとともに、ご入居者への適切なケア、高品質なサービス提供を維持できるよう努めています。

お客様目線での健康寿命の延伸に向けた取り組み
-ICTを活用した健康サポートサービス「フォレストライフ」の提供-

団塊の世代が全て後期高齢者に到達する2025年以降、要介護高齢者が急増することが予想されています。そのような中、高齢者のADL(日常生活動作)の維持や健康寿命の延伸に向けた様々な取り組みが注目されています。

スミリンフィルケア社では、2016年度以降、ICTを活用したご入居者見守りシステム「ライフリズムナビ※1+Dr.」の導入を進めています。これによりベッドセンサー、人感センサー、温湿度センサーなど複数のセンサーからの情報を解析し、居室内環境や居室内のご入居者の睡眠状態、居室内での活動状況を詳細にリアルタイムに把握し、データ化することができるようになりました。

これら「見える化」されたご入居者データは、転倒防止やご入居者の状況把握に役立ち、データに基づき効果的にご入居者の健康状態の維持・改善につなげることが可能になりました。さらに、介護記録システムやナースコールと組み合わせて機能させることにより、ご入居者からの情報を職員間で情報共有・連携でき、ご入居者の変化に対して迅速に対応できるようになった他、職員の負担軽減にもつながっています。

2018年度以降、同社はICTを活用した取り組みをさらに進め、ご入居者の「輝ける暮らし」を実現するために毎日の健康をサポートするサービスプログラム「フォレストライフ」を開発し、提供しています。「フォレストライフ」は健康寿命を左右する要素として、「質の高い睡眠・快適な居住環境(空気環境)・健康的な食事(えん下機能※2)・適度な運動(歩行機能)」の4要素に着目。ご入居者の4要素について、ICT技術を活用した状況の「見える化」と、見える化されたデータに基づくリハビリテーション専門職による「指導」を組み合わせて提供することにより、ご入居者の健康寿命の延伸を図るサービスです。

現在、このサービスを2016年度以降に開設した同社の介護付き有料老人ホームへ導入していますが、今後は「フォレストライフ」を発展させ、介護スタッフやリハビリテーション専門職、ケアマネジャーが一体となり、生活リハビリを含めた健康サポートサービスを展開する予定です。これにより、さらに幅広いお客様へ「フォレストライフ」を提供する計画です。

このような取り組みによるサービスの質の向上が寄与し、2019年度には16施設の平均入居率が30%上昇し、2020年度末時点で平均入居率が98%に到達しました。

※1 「ライフリズムナビ」はエコナビスタ株式会社の登録商標

※2 口の中の食物を胃にのみ下す機能

住友林業グループの住環境、介護ノウハウを結集した高齢者の住まい
-「エレガーノ西宮」が開設-

エレガーノ西宮では、自社運営の介護保険事業所を併設しています。自立している方から要支援、要介護状態の方まで幅広く入居可能で、介護を必要とする状態になっても安心して暮らせる体制を整えています。それぞれの方が毎日をいきいきと過ごすために、様々な工夫を凝らしています。

館内随所に当社グループの住環境ノウハウを活用しています。日々の食事を提供する吹き抜けのダイニングルームには、木の温もりを感じながらご家族と食事を楽しめる和風のプライベートダイニングを設置。外構とプロムナード(遊歩道)は住友林業緑化による設計協力のもと、移り行く四季を身近に感じられるデザインを取り入れました。要介護者向けケアフロアのテラスには、車いすの方でも座りながら園芸を楽しめる花壇があり、誰でも緑を楽しめます。介護居室には木と間接照明で快適な睡眠を促す床頭台(しょうとうだい)(筑波研究所で研究開発成果を活用)を設置しています。

医療サポートをさらに充実させ、認知症早期発見を目的としたMRIによる脳ドックと、ガン早期発見につながる腫瘍マーカーを全ご入居者に用意しました。また、ご入居者の健康を維持するため、エクササイズルームには、水力でマッサージを行うウォーターベッドをはじめ、シニアに適した様々な予防トレーニングマシンを設置、スポーツインストラクターのレッスンも受けられます。

文科系プログラムでは囲碁、麻雀、陶芸、水彩画、書道、フラワーアレンジメントなどの提供もしています。熟練した技術を持つ専門家が講師となり、初心者や要介護者も技術レベルや身体状況に応じて複数の時間枠から選択できます。神戸女学院大学と提携し、同大学音楽学部の学生・大学院生による定期コンサートを行います。

新たなサービスとして全戸Wi-Fi環境を整備し、独自のエレガーノ西宮チャンネルによる情報発信を実施します。要介護者向けベッドには、パラマウントベッド株式会社の睡眠センサーを設け、入眠状況をデータ化し、日々の支援につなげます。

このようにスミリンケアライフ社では、ご入居者一人ひとりが個性的で充実した日々を送れるよう、住環境の充実を図るとともに、介護・看護スタッフや外部医療機関、専門講師や管理栄養士、ケアマネジャーなどが一体となり質の高いサービスの提供を進めています。

写真:エレガーノ西宮外観

エレガーノ西宮外観

写真:吹き抜けの「ダイニングルーム」

吹き抜けの「ダイニングルーム」

写真:車いすの方でも気軽に緑を楽しめる「屋外テラス」

車いすの方でも気軽に緑を楽しめる「屋外テラス」

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