お客様との
コミュニケーション

生活サービス事業における
取り組み

事業を通じた超高齢社会への貢献

日本の高齢化率は2010年に超高齢社会に突入した後も上昇を続け、2021年10月には28.9%に達し、2025年には30%を超えると推測されています。急速に進む超高齢社会への対応は、日本の最重要の社会課題の一つとなっています。また、少子高齢化に伴う人口の東京一極集中・地方の過疎化は全国的な課題となっています。住友林業はこれらの課題解決に貢献するための取り組みを推進しています。住宅事業で培った快適な住空間を創造するノウハウを活かし、高齢者に向けた安心・安全な住環境の提供を中心に、活き活きとして不安のない生活を長く続けていただくための様々なサービスを展開し、質・量両面での拡充に努めています。

※ 2022年版「高齢社会白書」より

お客様ニーズに応え、サービスを拡大

住友林業グループは、スミリンフィルケアとスミリンケアライフを通じて、高齢者向けの介護サービスを提供しています。

住友林業グループの質の高いサービスをより多くのお客様へ届けるため、中期経営計画サステナビリティ編において提供室数を拡大することを目標に掲げています。2022年度は2社合計で提供居室数1,764室でしたが、2023年の新規施設開設により提供居室数が1,842室になる予定です。

2020年度以降、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が国内外で続いていますが、感染防止に最大限注力するとともに、ご入居者への適切なケア、高品質なサービス提供を維持できるよう努めています。

スミリンフィルケアの高齢者向け介護サービス事業

スミリンフィルケアは、介護保険基準を上回る職員配置を行い、ご入居者一人ひとりにきめ細かなサービスを提供しています。2022年12月現在、介護付き有料老人ホームは6施設、提供居室数は766室です。併せて同社ではデイサービスセンター3施設の運営を行っています。

スミリンケアライフの高齢者向け介護サービス事業

スミリンケアライフは、これまで神戸市内に自立と介護の混合型の大規模介護付き有料老人ホーム3施設を展開してきました。介護保険基準の2倍以上のスタッフを配置し、24時間常駐の看護スタッフと全施設に併設された医療機関が連携し高度なサービスを提供。その質は外部機関からも高く評価されています。2020年5月には、兵庫県西宮市に総戸数309戸の住宅型有料老人ホーム(サービス付き高齢者向け住宅)「エレガーノ西宮」を開設しました。エレガーノ西宮を含む4施設の提供居室数は 998室となります。併せて同社は、訪問看護・訪問介護・通所介護など在宅ケアサービスを提供するサービスステーションを7ヵ所展開しています。

グランフォレスト学芸大学

スミリンフィルケアが運営する介護付き有料老人ホーム 「グランフォレスト学芸大学」

提供居室数
2024年度目標

1,842

提供居室数
2022年度実績

1,764

お客様目線での健康寿命の延伸に向けた取り組み
-ICTを活用した健康サポートサービスの提供-

団塊の世代が全て後期高齢者に到達する2025年以降、要介護高齢者が急増することが予想されています。そのような中、高齢者のADL(日常生活動作)の維持や健康寿命の延伸に向けた様々な取り組みが注目されています。

スミリンフィルケアでは、2016年度以降、ICTを活用したご入居者見守りシステム「ライフリズムナビ※1+Dr.」「アンシエル※2TM(ANSIELTM)」の導入を進めています。これによりベッドセンサー、人感センサー、温湿度センサーなど複数のセンサーからの情報を解析し、居室内環境や居室内のご入居者の睡眠状態、居室内での活動状況を詳細にリアルタイムに把握し、データ化が可能となりました。

これら「見える化」されたご入居者データは、転倒防止やご入居者の状況把握に役立ち、データに基づいた対応により、効果的にご入居者の健康状態の維持・改善につなげることが可能になりました。さらに、介護記録システムやナースコールと組み合わせて機能させることにより、ご入居者からの情報を職員間で情報共有・連携でき、ご入居者の変化に対して迅速に対応できるようになった他、職員の負担軽減にもつながっています。

このような取り組みにより新型コロナウイルスの影響による営業活動の制限を受けながらも、2022年度末時点で平均入居率が95.2%と高水準の入居率を維持しています。

※1「ライフリズムナビ」はエコナビスタ株式会社の登録商標

※2「アンシエル」は積水化学工業株式会社の登録商標

住友林業グループの住環境、介護ノウハウを結集
-「エレガーノ西宮」-

スミリンケアライフでは、ご入居者一人ひとりが個性的で充実した日々を送れるよう、住環境の充実を図るとともに、介護・看護スタッフや外部医療機関、専門講師や管理栄養士、ケアマネジャーなどが一体となり質の高いサービスの提供を進めています。

エレガーノ西宮では、自社運営の介護保険事業所を併設しています。自立している方から要支援、要介護状態の方まで幅広く入居可能で、介護を必要とする状態になっても安心して暮らせる体制を整えています。それぞれの方が毎日を活き活きと過ごすために、様々な工夫を凝らしています。

住環境のノウハウを活用

随所に住友林業グループの住環境ノウハウを活用しています。吹き抜けのダイニングルームには、木の温もりを感じながらご家族と食事を楽しめる和風のプライベートダイニングを設置。外構と遊歩道は住友林業緑化による設計のもと、四季を身近に感じられるデザインを取り入れました。要介護者向けケアフロアのテラスには、車いすの方でも座りながら園芸を楽しめる花壇があります。介護居室には、筑波研究所で研究開発した木と間接照明で快適な睡眠を促す床頭台を設置しています。また、全戸に緊急コールとWi-Fiを完備し、安心・安全・快適な住まい環境を整えています。

充実の医療・健康サポート

医療サポート面では、認知症の早期発見をを目的としたMRIによる脳ドックと、ガン早期発見につながる腫瘍マーカー検査を全ご入居者に用意しました。また、健康を維持するため、エクササイズルームには、水力でマッサージを行うウォーターベッドをはじめ、シニアに適した様々な予防トレーニングマシンを設置、スポーツインストラクターのレッスンも受けられます。

暮らしを彩るプログラム

囲碁、麻雀、陶芸、水彩画、書道、フラワーアレンジメントなどの文化系プログラムでは、熟練した専門家が講師となり、初心者や要介護者も技術レベルや身体状況に応じて楽しむことができます。神戸女学院大学と提携し、音楽学部の学生・大学院生による定期コンサートも行っています。

エレガーノ西宮外観

エレガーノ西宮外観

吹き抜けの「ダイニングルーム」

吹き抜けの「ダイニングルーム」

車いすの方でも気軽に緑を楽しめる「屋外テラス」

車いすの方でも気軽に緑を楽しめる「屋外テラス」