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アパート経営を始める際の資金目安を解説。
初期費用はいくらかかる?

アパート経営を始める際の資金目安を解説。初期費用はいくらかかる?

アパートの経営を検討するにあたり、アパート経営にかかる初期費用や維持費用がいくらかかるのかは重要なポイントです。

アパート経営には、建築費やローン諸費用などの初期費用、管理費などの維持費用がかかります。安定した経営を目指すためにも、事前に資金や費用の目安を把握しておきましょう。

アパート経営に必要な資金の目安とは

アパート経営を始めるには、まとまった資金が必要です。物件の仕様や構造、地域にもよりますが、仮に1部屋約7坪×4部屋の2階建ての場合、物件費用で3,000万円以上、諸費用で200万〜300万円以上が相場になっています。

アパート経営に必要なコストについてさらに詳しく見ていきましょう。

アパートの建築費

構造によって異なりますが、アパート建築(木造)の坪単価は80万円〜100万円前後が相場です。建築費は「坪単価×延床面積」で計算します。

以下は、坪単価80万円〜100万円で、各階30坪(1部屋約7坪×4部屋)と各階50坪(1部屋約7坪×7部屋)の建築費相場です。

  坪単価
80万円
坪単価
90万円
坪単価
100万円
2階建て
(60坪)
4,800万円 5,400万円 6,000万円
2階建て
(100坪)
8,000万円 9,000万円 1億円

建物の階数や仕様、部屋の広さ、部屋数の他に、地域や構造によっても坪単価や建築費が大きく変わることを覚えておきましょう。

設備の設置費

アパート経営の初期費用には、上下水道や電気、ガスなどの生活インフラ設備の設置費用があります。規模や立地によって異なりますが、これらライフラインの設備費用は100万円前後が相場です。周辺に建物がないエリアでは、水道管やガス管を本管から引き込む距離が長くなるため設置費用は高くなる傾向があります。

アパートローン諸費用

アパートローンを利用する際は諸費用がかかります。
以下は、主な諸費用です。

ローン取扱手数料

アパートローン利用に伴う事務手数料です。金融機関によって金額が異なります。

印紙税

印紙税は、金銭消費貸借契約に貼付して納税します。以下のように、借入金額によって税額が決まります。

  • 500万円超1,000万円以下:10,000円
  • 1,000万円超5,000万円以下:20,000円
  • 5,000万円超1億円以下:60,000円

参考:
国税庁「No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

保証料

保証会社に支払う費用です。金融機関によって、アパートローンの金利に0.2〜0.3%上乗せする場合と、別に支払う場合があります。別に支払う場合は、借入金額の2%程度が目安です。

他にも、団体信用生命保険料や火災保険料・地震保険料などがかかります。

不動産取得税

不動産を取得した際に1度だけかかる税金です。税額は「固定資産税評価額×3%※」です。不動産を取得して半年〜1年後に納付通知書が届きます。

賃貸住宅の場合、1戸あたりの面積が40㎡以上240㎡以下であれば、各戸ごとに固定資産税評価額から1,200万円が控除されます。

※原則は4%

参考:
東京都主税局「不動産取得税

登記費用

不動産が自分の所有物であると登記するための保存登記費用や、アパートローンを利用する際の抵当権設定登記費用、新築時に必要な表示登記費用などがかかります。

登記費用は「登録免許税」と「司法書士報酬」の2つに分かれています。登録免許税は登記内容によって物件価格の0.15%〜2.0%、司法書士報酬は1つの登記で2万〜10万円が相場です。これらを踏まえ、登記費用はおよそ30万〜50万円は考えていたほうがよいでしょう。

参考:
国税庁「No.7191 登録免許税の税額表

アパート経営の維持費用

アパート経営の維持費用

アパート経営中は、管理委託手数料や固定資産税、都市計画税などの費用が発生します。

安定した経営をするためにも、どのような費用・税金が発生するのか知っておくことは大切です。

ここでは、アパート経営の維持費用についてみていきましょう。

管理費

アパート経営を管理会社に委託する場合は、管理委託手数料がかかります。管理会社に委託すると、入退去手続きや清掃、家賃回収、クレーム対応などをすべてプロに任せることができます。

管理委託手数料は家賃の5%が相場といわれておりますが、なかには3%や定額5,000円などもあり、企業や地域によってさまざまです。5%の場合は、家賃が15万円の場合、管理委託手数料は月額7,500円程度です(別途消費税がかかります)。

税金

アパートなどの賃貸経営中に発生する税金は「固定資産税」「都市計画税」「住民税」「所得税」の4種類です。各税金の内容・税額は次のとおりです。

固定資産税

アパート経営に限らず、土地や建物などの固定資産を所有する場合にかかる税金です。その年の1月1日現在の所有者に課税されます。

固定資産税の税額は「固定資産税評価額×1.4%」で計算します。固定資産税評価額は、毎年送られてくる固定資産税課税明細書や各市町村の固定資産課税台帳で知ることが可能です。

参考:
東京都主税局「固定資産税(償却資産)

都市計画税

都市計画税は、所有する土地や建物が都市計画法に基づく市街化区域内にある場合に課される税金です。税額は「固定資産税評価額×0.3%」で計算します。

税率は自治体によって変わる場合があります。

参考:
総務省「都市計画税
東京都主税局「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

住民税

住民税は所得割と均等割で構成されており、所得割は「課税所得×10%」かかります。仮に課税所得が150万円の場合、所得割は15万円です。均等割は年額5,000円になります。

参考:
東京都主税局「個人住民税

所得税

所得税は「課税所得×税率−控除」で計算します。累進課税のため、所得額が多くなるほど税率は高くなります。以下は、所得金額に応じて税率と控除額です。

課税所得額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円超330万円以下 10% 97,500円
330万円超695万円以下 20% 427,500円
695万円超900万円以下 23% 636,000円
900万円超1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

引用:国税庁「No.2260 所得税の税率

課税所得とは、総所得金額から基礎控除や所得控除などを差し引いた金額です。
課税所得が300万円の場合、

300万円×10%−97,500円=202,500円

となり、所得税は202,500円です。また、所得税に2.1%を掛けた復興特別所得税もかかります。

202,500円×2.1%=4,252円

アパートローンの利息

アパートローンを利用している場合は、毎月ローン返済が必要です。ローン返済額は借入金額や金利、借入期間によって異なります。

たとえば、3年固定金利特約型(金利年3.30%)で、3,000万円を30年返済で借りた場合、毎月返済額は131,386円です。

自己資金はどれくらい準備する?

自己資金はどれくらい準備する?

自己資金なしでアパート経営を始めることも可能ですが、自己資金があればローン借入金額が減り、返済負担を少なく抑えられます。アパートローン利用にあたり、自己資金の目安についても把握しておきましょう。

自己資金の目安

アパート経営の自己資金の目安は全体の1〜2割といわれています。物件価格の1割前後の諸費用がかかることが多いからです。

ただし、アパートローンによっては物件価格の7割程度までしか借りることができない場合があります。その場合は物件価格の3割以上の自己資金が必要です。

アパートローンについて

アパートローンは金融機関によって借入金額や金利、借入期間など条件が異なります。以下は主な金融機関と条件です。

金融機関 主な条件
大手信託銀行
  • 借入金額:100万円以上3億円以内(10万円単位)
  • 借入期間:1年以上35年以内(1カ月単位)
  • 申込対象:満20歳以上
メガバンク
  • 借入金額:100万円以上3億円以内(1万円単位)
  • 借入期間:1年以上30年以内(1年単位)
  • 申込対象:満20歳以上70歳未満、最終返済時の年齢が満80歳未満
ノンバンク系銀行
  • 借入金額:1,000万円以上2億円以内(10万円単位)
  • 借入期間:1年以上35年以内(1カ月単位)
  • 申込対象:
     ・満20歳以上60歳未満で最終返済時80歳未満
     ・勤続年数3年以上
     ・年収500万円以上

※2024年4月時点。あくまでも目安となっており、詳細は各金融機関にお問い合わせください

複数のアパートローンを比較して条件に合うローンを利用するようにしましょう。

アパート経営の資金計画は、専門家に相談

アパート経営の始め方や資金計画、ローンの選び方などに疑問や不安な点がある場合は、まずは専門家に相談してみましょう。的確なアドバイスを受けられて、アパート経営に役立つノウハウも得ることができます。

アパート経営を考えている方は、早速、専門家に相談してみましょう。

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