アパート経営の収入、手取り額を紹介。
利益の目安とは

アパートの経営を検討する際、重要となってくるのが収益性です。
アパート経営では、どのくらいの収入があるものなのでしょうか。アパート経営における収入や手取り額の相場、利益の目安について解説します。
アパート経営に重要な日本の賃料推移
アパート経営における収入の大部分は賃料収入が占めています。
そのため、アパート経営を検討しているのであれば、検討エリアの賃料推移や空室率の推移を事前に把握して、エリアの特徴を理解しておく必要があります。
東京23区と神奈川県、大阪府といった都市部の賃料推移と空室率の推移を紹介します。
東京23区の賃料推移と空室率の推移
不動産情報を提供しているアットホームが発表している2024年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向には、全国の主要都市の賃料の推移を調査し、集計しています。
東京23区におけるアパートの賃料推移は以下のグラフです。これは2015年の家賃を100としたときの賃料指数の推移を表しています。

アットホーム・2024年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向より
上記のグラフから、東京23区の家賃相場は2015年から比較すると値上がりをしていることがわかります。コロナ禍で日本経済が大きく停滞していた際であっても、アパートやマンションの賃料は高い水準を維持していました。そのため、大きく経済状況が変わらない限り、今後も賃料は値上がりしていく可能性が高いです。
空室率の推移については、不動産評価システムを提供するタスが公開している「賃貸住宅市場レポート」を見てみましょう。2022年12月のデータであるため、少し古いデータですが賃料の上昇と比例していることがわかります。

タス「賃貸住宅市場レポート首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2022年12月」より
上記のグラフからわかるとおり、東京23区は年末年始や引っ越しシーズンの影響で一時微増しましたが、その後緩やかに空室は減っていることがわかります。
このように東京23区は賃料が値上がりしても、空室率に変動はないため、アパート経営でおすすめのエリアと考えられます。
神奈川県の賃料推移と空室率の推移
神奈川県におけるアパートの賃料指数の推移は以下のグラフです。

アットホーム・2024年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向より
上記のグラフからわかるとおり、神奈川県の家賃相場は2015年から比較すると大きく上昇しています。東京都心部の住宅価格の高騰や賃料上昇、コロナ禍などによって郊外や他県に移り住む動きが活発になっており、神奈川県での賃貸需要が高まっています。また、鉄道の延伸や私鉄の乗り入れなどが進み、各主要駅や都市へアクセスしやすくなっていることも後押ししています。

タス「賃貸住宅市場レポート首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2022年12月」より
空室率に関しても、神奈川県は徐々に低下していることがわかります。
このことから、神奈川県は賃料、空室率ともに今後も下がる可能性が低いため、アパート経営でおすすめのエリアと考えられます。
大阪府大阪市の賃料推移と空室率の推移
大阪府大阪市におけるアパートの賃料指数の推移は以下でした。

アットホーム・2024年4月 全国主要都市の「賃貸マンション・アパート」募集家賃動向
上記のグラフからわかるとおり、大阪府の家賃相場は70平米以上の物件で大きく値上がりをしています。一方で、30平米以下や30〜70平米の賃料は、高い水準を維持していますが、ほぼ横ばいです。
次に、空室率の推移を見てみましょう。

タス「賃貸住宅市場レポート首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版 2022年12月」より
上記のグラフからわかるとおり、大阪府の空室率は地方で最も低い状況が続いています。
大阪府は賃料が値上がりする可能性が高く、空室率も高くなる可能性が低いため、アパート経営では、おすすめのエリアです。
アパート経営における収入の目安はいくら?

では、アパート経営における収入の目安はどのくらいなのでしょうか。収入の目安を知っておくことで、ローンの返済などの資金計画やアパートの運用計画を立てることができます。
アパート経営の収入目安は、周辺の家賃相場を把握しておくことで、ある程度わかります。
アパート経営の平均収入額
国税庁が公表している「令和4年分申告所得税標本調査−調査結果報告−」によると、2021年の国内不動産所得の平均額は542.5万円でした。
ただし、この不動産所得にはアパート経営の他にも、マンション経営やビル経営なども含まれているため、542.5万円がアパート経営のみの平均収入額ではありません。とはいえ、不動産経営の中でもアパート経営は一般的な投資方法であるため、収入の目安としては参考にできます。
また、同調査に記載されている平均不動産所得の過去10年を見てみると、直近の1年は微減しましたが、不動産所得が徐々に上昇していることがわかります。
2011年 (平成23年) |
2019年 (令和元年) |
2020年 (令和2年) |
2021年 (令和3年) |
2022年 (令和4年) |
---|---|---|---|---|
511.7万円 | 520.8万円 | 540万円 | 542.7万円 | 542.5万円 |
こういった点からも、日本全体で賃料相場が上昇しているということが考えられるのかもしれません。
ちなみに、不動産所得は「賃料収入や礼金などの収入金額から必要経費を差し引いた所得」です。そのため、不動産所得の542.7万円は手取り額に近い金額です。
アパート経営の収入源
アパート経営の収入となるものには、以下があります。
収入 | 目安 | 収入を得るタイミング |
---|---|---|
家賃 | 物件や地域によって異なる | 毎月 |
共益費 | 家賃の5%〜10%程度 | 毎月 |
駐車場代 | 物件や地域によって異なる | 毎月 |
礼金 | 家賃の1〜2カ月程度 | 入居時 |
更新料 | 家賃の1〜2カ月程度 | 更新時 |
上記の中でも家賃や駐車場代については、物件の立地や間取り、物件があるエリアによって大きく変わります。
たとえば、東京都23区の30平米以下のシングルタイプの平均家賃は88,769円、福岡市の30平米以下のシングルタイプの平均家賃は51,542円でした。(先出:「全国主要都市賃貸マンション・アパート」募集家賃動向(2023年1月)より)
建築を検討しているアパートがある周辺の相場を確認してみましょう。
アパート経営の手取り額の計算方法
以下はアパート経営の手取り額を計算する方法です。
収入金額-経費=手取り額
例えば、年間の収入金額が850万円で、経費が220万円の場合は次のとおりです。
850万円(収入金額)-220万円(経費)=630万円
上記のように手取り金額は630万円になります。
なお、上記の経費に含まれる項目は以下です。
経費 | 目安 |
---|---|
ローンの返済額 | 融資額による |
光熱費・水道費 | 1万円程度 |
火災保険などの保険料 | 1万〜10万円程度 |
管理費 | 家賃の5%〜10% |
原状回復費 | 10万〜100万円程度(修繕費内容による) |
税金 | 目安 |
---|---|
固定資産税(土地・建物) | 課税評価額の1.4%(土地・建物それぞれ) |
都市計画税(土地・建物) | 課税評価額の0.3%(土地・建物それぞれ) |
所得税 | 累進課税 |
上記の経費を抑えることで手取り収入を増やすこともできるでしょう。
アパート経営の手取り収入を維持する秘訣
では、アパート経営における、手取り収入を維持するための秘訣はあるのでしょうか。
アパート経営の収入を保つためのポイントを3つ紹介します。
空室を作らない
アパート経営で手取り収入を維持するために最も重要なのが、空室を作らないことです。
空室が増えると、収入が大きく減ってしまいます。
では、空室を作らないためにはどうすれば良いのでしょうか。
賃貸需要が高い立地にアパートを建てる
賃貸需要が高い立地にアパートを建てることで、入居者が集まりやすく、空室になるリスクを軽減できます。
自身の所有している土地の賃貸需要を調べたい場合は、周辺のアパートにおける稼働率を調べるといった方法もありますが、土地活用やアパート経営の専門家に周辺の市場分析を依頼する方法が最も簡単です。
人気設備で競合物件と差別化を図る
入居者が求める設備を設置することで、周辺の競合物件との差別化を図り、入居者に長く住んでもらうことや、仮に空室が発生したとしてもすぐに次の入居者が現れるような魅力的な物件にすることも重要です。
では、具体的にどのような設備が入居者に喜ばれるのでしょうか。不動産業界の専門紙全国賃貸住宅新聞が発表している「人気設備ランキング2022」を見てみましょう。
同調査は、部屋探しの場面で人々が賃貸住宅に求める設備に関して行ったアンケートを集計し、ランキング形式で紹介しています。

全国賃貸住宅新聞より
上記ランキングによると、単身者向け・ファミリー向けのどちらの物件でも、「インターネット無料」が1位でした。
単身者向けでは、2位がエントランスのオートロック、3位が宅配ボックスと続きます。同様に、ファミリー向けは、2位宅配ボックス、3位エントランスのオートロックという結果でした。
こういった調査などを参考にして、周辺の物件には備わっていない設備を設置することで、空室対策を行うことも重要です。
信頼できる管理会社に任せる
信頼できる管理会社にアパートの運営を任せることも非常に重要です。管理会社にアパートの募集や入居の手続き、入居者からのクレーム対応など、対応を間違えると空室になるおそれがある業務を任せているためです。
管理会社が入居募集の業務を熱心に行っていない場合、入居者がなかなか集まらず空室の期間が長くなってしまう可能性があります。
入居者からの問い合わせに対して、24時間の相談窓口を用意している会社の場合は、設備が壊れるなどの入居者トラブルがあっても迅速に対応してくれます。そのため、入居者の安心につながり入居期間が長くなる可能性が高くなります。
その他に、空室があっても一定の賃料が支払われるサブリース契約を検討してもよいでしょう。
信頼性の高い管理会社にアパートの運営を任せることで、空室になるリスクを軽減できます。



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