土地なしでアパート経営は始められる?
土地ありとの資金や経営の違いとは
一般的にアパート経営というと、地主がアパートを建て、アパート経営をすることをイメージすることが多いようです。
しかし、土地を持っていなくても、しっかりした準備と資金さえあれば、アパート経営は始められます。
土地の購入から始まるため、すでに土地を持っている人と違い、土地を購入する準備や資金が必要です。土地なしでアパート経営を始めるために知っておくべきポイントを確認してみましょう。
土地なしでアパート経営はできる?
土地なしでアパート経営を始める手順や、メリット・デメリットについて解説します。
土地なしでアパート経営を始める手順
土地なしでのアパート経営は以下の手順で始めます。
- パートナー探し
- 土地探し
- 金融機関から融資を受ける
- アパート建築
パートナー探し
パートナーとなる建築会社や不動産会社を探します。
不動産の購入からアパートの建築までをサポートしてもらえる会社を見つけることができれば、アパート経営を総合的に計画できます。
おすすめのパートナーは地域に密着した不動産会社やハウスメーカーです。地域特有の情報を持っていることも多いため、貴重な情報を得ることができます。
アパートなどの建築実績が多いハウスメーカーでは、購入予定地での建築や収支の提案、金融機関との交渉などを行うこともできるので、安心して計画を進められるメリットもあります。
まずは、複数の会社に相談することで、相性の良いパートナーが見つかります。できるだけ多くの会社とコンタクトを取りましょう。
土地探し
パートナーとなる会社が見つかれば、アパートを建てる土地を探します。
土地探しは自分が経営したいアパートをイメージし、想定される入居者が生活しやすい立地を探すことがポイントです。
パートナーと相談しながら、妥協せずに探しましょう。
金融機関から融資を受ける
アパートを建てる土地が決まれば、金融機関から融資を受けます。購入を予定している土地とアパートが担保となります。資産価値が高い土地に収益性の高い建物を建築すると、審査に通る可能性が上がります。
土地と建物の金額でローンを組むことになるため、ローンの返済期間中は家賃収入の多くは返済にあてることになります。
ローンの返済が終われば家賃収入の大部分を利益にすることもでき、アパートは自身の財産となります。そのため借入については、長期的な視点で計画を立てることが大切です。
アパート建築
融資を受けることができればアパートを建築し、晴れてアパート経営を開始できます。
土地なしでアパート経営を始めるメリット
土地なしでアパート経営を始める場合の一番のメリットは、立地を選べることです。
アパートをはじめとした賃貸経営は、立地条件によって大きく左右されます。どんなに良い物件を建てても、以下のような理由で生活しにくい立地では入居者の確保は困難です。
- 駅から遠い
- 生活利便施設がない
- 治安が悪い
- 生活するのに支障がある施設がある
もし土地を持っていた場合、その土地を活かしたアパートを建てるしかないため、自分が理想とするアパートや入居者のイメージとはかけ離れたものになってしまう場合も考えられます。
土地購入からスタートできれば、入居者を確保できそうな土地や、自分が建てたいアパートに合った土地を選ぶことができます。これは、経営を長い目で見た場合、大きなメリットといえます。
土地なしでアパート経営を始めるデメリット
土地なしでアパート経営を始めるデメリットは、スタートするまでにかかる準備の労力と資金です。
立地を選べるというメリットは、裏返せば調査が必要ということです。イメージしたターゲットに合った土地は簡単には見つかりません。
自分のイメージした立地を選ぶためには、土地ありでアパート経営を始める人と比べて、さらに知識や時間が必要です。
また、資金面でのデメリットは準備資金だけではありません。自己資金に余裕がない場合、土地の購入にかけた分、家賃を下げることが困難です。そのため、競合となる物件が近くにあった場合、価格競争が発生するリスクがあります。
土地なしでアパート経営を始めるための資金
土地なしでアパート経営を始めるためには、建物だけでなく、土地の購入費用も必要です。そのため、自己資金とあわせて、金融機関の融資を受ける必要があります。
土地なしでアパート経営を始めるときの、自己資金とローンについて解説します。
自己資金について
昨今ではローン審査が厳しくなっているため、自己資金が最低でも必要資金の20%程度なければ審査が通りにくくなっています。
場合によっては、必要資金の20%の自己資金がなくても、金融資産があれば審査に通るケースもあります。
持ち家を担保にすることや株、債券などの、経営者であれば事業の融資といった金融資産があれば、金融機関に評価の対象として見てもらえます。
また、手数料や登記費用、手付金といった諸経費は、購入金額の7%程度は必要ですので、必要資金として覚えておきましょう。
ローンについて
ローン審査では、以下のような項目が審査のポイントです。
- 個人年収(資産状況)
- 年齢(家族状況)
- 建築会社(物件の収益性)
年収(資産状況)
以前は年収600万円程度の年収でも審査が下りていたという話もあります。過去の条件ではメガバンクでも年収200万円以上といった記載があったこともあります。しかし、最近では、2,000万円以上が条件になっている銀行もあるようで、審査は厳しくなっていることは間違いありません。
年収が基準に満たない場合は、一定以上の金融資産があれば、審査に通りやすくなります。それ以下であっても、金融資産を持っていることは審査にプラスになります。
年齢(家族状況)
建築会社も審査の対象です。経営状態が悪い建築会社の場合、倒産によりアパートを建築できないといった事態が発生します。そのようなリスクがない会社かどうかが、審査基準のひとつです。
また、建築会社が作成する事業計画書が融資を判断する際の重要な資料となるため、金融機関から信頼されている建築会社をパートナーにすると安心です。
土地なしでアパート経営を始める前に知っておくべきポイント
土地なしでアパート経営を始めるには、最低限の条件があります。また、土地の選び方やアパートの管理方法といったポイントを押さえておくことも大切です。
土地なしでアパート経営を始めるのに向いている人
金融機関が求める年収条件である600万円の年収は最低でも必要といえるでしょう。ただし、年収が600万円に満たない場合でも、十分な自己資金や金融資産が準備できれば問題ありません。
自己資金に余裕があれば、競合への対策資金も出せるため、アパート経営における空室リスクに備えられます。
また「資産を作りたい」や「生活にゆとりがもてるだけの収益を得たい」といった明確な意志を持っているかどうかが、ポイントです。
アパート経営には以下のようなリスクが存在します。
- 空室リスク
- 家賃滞納・下落リスク
- 入居者トラブル
明確な意志を持ち、さまざまなリスクへの対策を打てる人は、アパート経営を始める資質を持っているといえます。
土地の選び方
土地を選ぶ前に、どのようなアパートを経営するかを考えましょう。入居者や間取りを決めることで、どのような土地が必要なのかが決まります。周辺の商業施設も入居者にとって大きなポイントです。自分で足を運んで確認しましょう。
都市部であれば、駅から10分以内のエリアが好まれますが、駅から近ければ土地の価格も高いため、空室リスクとのバランスを考えて選びましょう。
車が主な移動手段となる郊外では、駐車場も大きなポイントです。家族向けであれば1戸につき1台分の駐車場は確保したほうがよいでしょう。
立地が決まれば、不動産会社を通して土地を探します。土地の調査から購入までサポートしてもらえる不動産会社に依頼しましょう。不動産会社ならではの情報を持っているため、良好な関係を築けば、有力な情報が手に入る可能性があります。
アパート管理の方法
アパートの管理にはさまざまなリスクが潜んでいます。特に、空室リスク対策や入居者トラブルといったリスクは大家だけで対応することは非常に困難です。
空室リスク対策となる入居者の募集も含めたアパートの管理は、管理会社に依頼しましょう。優秀な管理会社をしっかりと見極めて選ぶことで、アパート経営がスムーズになります。
専門家に相談して始めよう
土地なしからのアパート経営は、ひとりの力では始めることが困難です。土地の相談から物件管理を依頼する不動産会社や管理会社のほかにも、金融機関や税理士といった専門家の力を借りることも必要です。
専門家の力を借りることで、理想とするアパート経営を始められます。ひとりで考え込まずに、専門家に相談し、土地探しから始めましょう。
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