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流通・製造事業における
サプライチェーンマネジメント
基本的な考え方
住友林業グループは、再生可能な資源である「木」を活かした事業活動を通じて持続可能で豊かな社会の実現に貢献するために、2005年に「木材調達基準」、2007年に「木材調達理念・方針」を定め、責任ある木材調達活動を実施してきました。合法かつ持続可能な木材をお届けするために、責任ある木材調達を行っています。
2015年には、木材以外の金属及び窯業建材、樹脂製品など建材資材を含むあらゆる調達物品に対象範囲を広げ「住友林業グループ調達方針」に改訂し、現在はこの方針に基づき経済・社会・環境に配慮した調達活動を行っています。
住友林業グループの持続可能な木材調達への取り組みは気候変動要因として「森林減少」への懸念が高まっていることを受け、独自に導入した「木材調達デューディリジェンス」で対応してきました。2019年5月にアクションプランを新たに策定、強化した持続可能性の評価基準の運用を開始しました。
持続可能な木材及び木材製品の定義
住友林業グループでは、合法性の担保を前提に以下のいずれかに該当するものを、「持続可能な木材及び木材製品」と定義します。
持続可能 =
環境面:森林減少に寄与しないこと
社会面:労働安全・強制労働・先住民の権利など人権側面での侵害が認められないこと
持続可能 =
環境面:森林減少に寄与しないこと
社会面:労働安全・強制労働・先住民の権利など人権側面での侵害が認められないこと
- 森林認証材及び認証過程材:FSC、PEFC、SGEC
(CoC連鎖に関わらず出材時の認証を重視した材で認証材への移行を促す) - 植林木材
-
天然林材で、その森林の施業、流通が「持続可能である」と認められるもの
(転換林由来の材=森林をオイルパーム農園等に転換する際に伐採される天然林材は、これに含まれない) - リサイクル材
- 関連情報はこちら
木材調達マネジメントの推進体制
住友林業グループは、住友林業コーポレート本部長を委員長とし、木材を調達している各調達部門の管理責任者で構成する「木材調達委員会」を設置。木材の調達基準や違法伐採のリスク評価など、グループ全体の木材調達に関する重要な事項を審議しています。
2025年度は、計画どおり4回の木材調達委員会を開催し、審査対象となる全290社の直輸入調達先及び海外グループ会社(流通・製造)が取引する調達先社について合法性・持続可能性の確認と「サステナビリティ調達調査」を実施しました。審査については新規取引先・継続取引先に関わらず、国別リスクに応じて定期的に(年1回、もしくは2年に1回)合法性・持続可能性の確認を行っています。
木材調達委員会
持続可能な木材及び木材製品の調達
木材調達におけるデューディリジェンス
木材調達のデューディリジェンスでは、木材建材事業本部、住宅事業本部、グループ会社の各木材調達部門において、調達先で合法的に伐採された木材、または合法的に伐採された木材のみを原料とする木材製品を供給できることを確認します。
木材調達の合法性の確認
各調達担当が木材調達デューディリジェンスマニュアルに従い、右記の情報を収集し、地域・樹種ごとに定められた関連書類を照合して、伐採地までのトレーサビリティを確認します。サステナビリティ調達調査の内容については、森林認証で確認されている項目や、取引先からのサプライヤー調査、クロスセクターでの持続可能性を確認する項目など参照して52項目を定めています。
| 項目名称 | |
|---|---|
| 1 | サプライヤー名称 |
| 2 | サプライヤー所在地 |
| 3 | 木材の種類 |
| 4 | 木材製品を構成する樹種 |
| 5 | 木材製品を構成する樹木が伐採された国または地域 |
| 6 | 年間の調達量(重量、面積、体積または数量) |
| 7 | 販売先が法人の場合、その名称と所在地 |
| 8 | サプライヤーアンケート等の結果、訪問記録等 |
| 9 | 伐採国の法令に適合して伐採されたことを証明する書類 |
リスク評価
これらの情報を元に、国や地域、樹種や木材の種類ごとに、「木材調達委員会」で定めた木材調達に関わる違法伐採リスクの評価基準に照らして、リスク評価を行います。リスク区分は、国際NGO:トランスペアレンシー・インターナショナルの腐敗認識指数(CPI)や、FSCの国別リスクアセスメント、国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP/WCMC)、環境NGOによるレポートの情報などを参照し、A(低リスク)、B(中リスク)、C(高リスク)としています。A(低リスク)とされている場合でも、「木」を中心にビジネスを行う当社にとっては、契約数量及び契約期間に関わらず重要なサプライヤーであり、審査は必ず実施します。またB(中リスク)、C(高リスク)と評価された木材及び木材製品については、伐採国の法令に適合して伐採されたことを証明する書類の確認だけに頼るのではなく、必要に応じて住友林業の木材調達担当による現地調査を行い、伐採地までのトレーサビリティの確認を実施しています。2025年度はリスク区分A 53社、リスク区分B 46社、リスク区分C 191社について審査を実施しました。
地域別木材及び木材製品輸入状況(2025年度)
木材調達の持続可能性の確認
生物多様性保全、労働慣行及び人権、地域社会への配慮
調達する木材及び木材製品について、調達先への「サステナビリティ調達調査」の実施や現地踏査、ヒアリングなどで以下の事項を確認しています。
- 供給品やその原材料の調達地域に労働者及び地域住民の権利侵害が存在しないかどうか。また、労働者及び地域住民の権利に配慮した伐採が行われているかどうか。
- 供給品やその原材料の調達地域に保護価値の高い森林が含まれていないかどうか。また、保護価値の高い森林に配慮した伐採が行われているかどうか。
- 森林がオイルパーム農園等に転換される際に出材される木材を使用していないかどうか。
輸入木材製品仕入先における
サステナビリティ調達
調査実施率※
100%
※ 木材調達委員会における当年度の木材調達デューディリジェンス対象サプライヤー数におけるサステナビリティ調査実施サプライヤー数の占める割合
持続可能な木材調達に向けた取り組み
住友林業では、合法性が担保できた場合であっても、「持続可能な木材及び木材製品」の定義に沿わないものについては、代替材(天然林択伐材や植林木)への移行を進め段階的に取り扱いを停止する計画を立てました。
調達基準に適合していない取引先との対話等を重ね、持続可能性の確認ができないサプライヤーは2021年9月に契約を停止。例えば、インドネシア、マレーシア、ロシアで伐採された一部の原材料の取り扱いを停止しました。その結果、契約ベースで持続可能な木材及び木材製品の取扱比率100%を達成しました。今後も引き続き100%を維持し、持続可能な木材調達を徹底していきます。
持続可能な木材及び
木材製品の取扱比率
2025年度実績※
100%
※ 森林認証材・認証過程材、植林木材、天然林材でその森林の施業・流通が持続可能であると認められるもの(転換林由来材を除く)、リサイクル材を「持続可能な木材及び木材製品」と定義
木材調達委員会での合法性・持続可能性の審査
各調達部門はこれらの取り組み進捗状況を「木材調達委員会」に報告し、合法性・持続可能性において問題がないと判断された調達先からのみ取引することが可能になります。今後もサプライチェーンにおけるリスク低減に向けた継続的改善を進めています。
木材調達デューディリジェンスの流れ
持続可能な木材の利用
製造事業による取り組み
インドネシアの製造子会社シナール・リンバ・パシフィック(SRP)は、環境に配慮した持続可能な木材を使用しながら、良質で意匠を統一した木質内装材(床、階段、カウンター等)の製造を行い、「住友林業の家」を中心に商品を供給しています。主原材料である木材においては、持続可能な木材のみを調達し、植林木利用を促進しています。
使用する木材全体の約70%を北米から輸入しており、北米からの輸入材は全て、持続可能な森林経営を推進するAHEC(アメリカ広葉樹輸出協会)、QWEB(ケベック木材製品輸出振興会)の加入企業からの合法材となっています。
さらに、ヨーロッパ(フランス)から、PEFC認証森林を主な調達源とする合法材を購入しており、調達地域の拡大と持続可能性の強化を図っています。
その他、インドネシア国内の森林公社(プルフタニ)などから植林木、SVLK(インドネシア合法証明制度)を受けた材料のみを調達しています。
今後も、責任ある木材調達に徹し、合法性・持続可能性が確認された木材を使用した付加価値の高い製品の製造・販売に努めます。
木材保管倉庫
「きこりんプライウッド」の販売促進
住友林業グループでは、合板など、木質ボードの輸入商品の調達のうち、森林認証材・植林木を使用した製品の割合を目標設定し、その拡販に努めてきました。中でもFSC認証またはPEFC認証を受けた森林の木材や、持続生産可能な植林木を製品の50%以上使用しているJAS合板は、「きこりんプライウッド」として販売し、その売上の一部は、インドネシアで実施している植林事業に投入してきました。2021年度からは「きこりんプライウッド」の定義を住友林業グループの木材調達基準にあわせ「持続可能性が確認された木材を100%利用した合板」とし、さらなる拡販に取り組んでいます。新定義での2025年度の販売実績は306,410m3となりました。
きこりんプライウッド
木材調達担当者教育
住友林業グループでは、木材調達担当者の理解を深めるため、年に1度、木材調達委員会の中で外部の専門家を迎えて勉強会を開催し、世の中の潮流や最新情報を学んでいます。
木材における持続可能性について
住友林業グループでは、2025年12月に、日本森林管理協議会(FSCジャパン)のご協力をいただき、「FSC認証とその活用方法」と題する勉強会を開催しました。
勉強会では、FSC認証の仕組み、認証の広がりと認知度、FSCの新たなサービスについてお話しいただき、今後、企業に求められる取り組みについて学びました。
これまでに開催した勉強会
| テーマ | 内容 | 講師 | |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | ESG投資の最近の動向とその本質 | 「ESG投資をなぜするのか」についてその背景にある大きな流れ | 高崎経済大学 教授 水口剛氏 |
| 2021年度 | 金融からみる持続可能な木材調達 | COP26の主な成果、金融機関のESG投融資方針における森林の考え方、金融の視点からみる森林認証、TNFDなど | WWFジャパン 金融グループ長 橋本務太氏 |
| 2022年度 | サプライチェーンと人権 | ビジネスと人権が課題になっている背景や国際行動規範、国際基準の強化、各国の人権及びデューディリジェンスに関する法制化の動きなど国内外の潮流 | LRQAサステナビリティ株式会社 代表取締役 冨田秀実氏 |
| 2023年度 | 生物多様性、ネイチャーポジティブと木材調達 | 生物多様性の現状や世界の潮流、求められる取組みが気候変動からネイチャーへと変化している国際動向 | WWFジャパン 自然保護室長 川江心一氏 |
| 2024年度 | 木材における持続可能性について | 2025年4月1日から新たに施工される改正クリーンウッド法の概要、木質バイオマス燃料の持続可能性、建築物への木材利用に係る評価ガイダンス、森林の生物多様性を高めるための林業経営の指針 | 林野庁林政部木材利用課 監査官 齋藤綾氏 |
木材調達における現地調査
インドネシアの木材調達について
住友林業は、2025年6月に関係会社であるPT. Kutai Timber Indonesia(KTI)と持分法適用会社であるPT. Biomasa Lestari Nusantara(BLN)の現地調査を実施しました。インドネシアでは、SVLK(木材合法性保証システム)と呼ばれる仕組みがあり、木材製品輸出業者は国家認定委員会が承認した独立評価認定機関が発行するSVLK事業者認証を取得し登録する必要があります。そのうえで、上記の独立評価認定機関が原木の伐採から工場での木材加工、輸出に至るサプライチェーンの合法性を確認した旨を明記した木材合法性証明文書(V-Legal Document)を取得します。KTIが調達している木材において、SVLKに登録している伐採業者から調達する場合はV-Legal Documentにより合法性が確認できました。一方でSVLKに登録していない近隣農家から植林木を調達する際は、伐採後、農家が新たに苗木を購入し再植林を実施しており、合法性・持続可能性ともに問題がないことを確認しました。
同様にBLNにおいても、ペレット製造に使用する木材は近隣農家から集材した果樹などの廃材を利用しており、合法性・持続可能性ともに問題がないことを確認しました。
V-Legal Documentにて木材の合法性を確認
近隣の製材工場からBLNに集材される廃材
取引先とのコミュニケーション
木材建材流通事業では、地域産業であるという事業特性を踏まえて、各地域で木材・建材の調達先・販売先と緊密なコミュニケーションを図っています。
木材建材事業本部の取引先との主なコミュニケーション活動
| 名称・規模 | 内容 |
|---|---|
| スミリン会 会員数:890社(2025年7月現在) |
木材建材流通事業の取引先とのコミュニケーションの場として、全国各地に設立しています。研修会や情報交換会を各地で年2回~3回実施し、会員相互の親睦を深めるとともに、商品の研究開発と生産流通の発展、業界全体の向上などを目指しています。 |
| 「建材マンスリー」の発行 発行部数:毎月約4,100部 |
半世紀以上の歴史を持つ月刊誌で、木材・建材、住宅業界などに関する様々な情報やトピックスを、独自の視点でタイムリーに発信しています。 |
電納言(納品書・請求書電子送信サービス)
木材建材事業本部では、2016年10月に、従来の紙で送付していた納品書・請求書をWEBサイトにアクセスし電子的に受領していただく「電納言」のサービスを開始しました。
電納言を活用することの利点として以下があげられます。
- 週に数回、何時に届くか分からなかった納品書・請求書が、当社が発行した翌日朝には受領可能となり、販売先様のペースで作業を行い、納品書処理業務が平準化。
- 納品データをExcelで販売先様がみやすいように並び替えることで、納品内容の照合作業が効率化。
- 納品書は電納言で10年間保存し、様々な検索が可能となるため、保管業務が不要となり、販売先様の業務効率化・コスト削減に貢献。
そのほかテレワークなど事務所にいなくても当社納品データを確認することが可能であり、2025年度時点で1,100社以上の取引先が利用しています。
責任ある資材調達
住友林業グループは2022年度より木材建材事業(国内)でも建材・住宅設備の取引先に対しても「サステナビリティ調達調査」を実施しています。
調査を実施する主な目的は、①住友林業グループが提供する商品及びサービスは、サプライチェーン全体で、環境面・社会面での各法令が遵守されるものを提供すること、②住友林業グループでは、「調達方針」「人権方針」等を共有、より良好なパートナーシップの構築を目指すことです。
従来のサプライチェーンの管理項目は品質、コスト、納品といった項目でしたが、それらに加えて労働者の人権や労働安全、環境問題などに関するリスクについても認識して、管理していくことが必要です。
サステナビリティ調達調査のアンケート内容は、国際規範や住友林業グループの各方針などを元にし「ガバナンス」「人権」「労働安全衛生」「環境」「倫理」「情報セキュリティ」「サプライチェーン」「社会貢献」の内容についての質問で構成しています。
2025年度はアンケートを昨年と同数の78社から回収しました。回収率は売上比90.9%となり、昨年の87.0%を上回る結果となりました。
WEBによるアンケートを実施 (イメージ)
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