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住宅事業における廃棄物削減とリサイクル
新築現場での取り組み
新築現場から発生する産業廃棄物の削減
住友林業は2014年より新築現場の廃棄物削減のため、商品開発、資材調達、生産管理、環境部門の担当者による「廃棄物削減ワーキング」を発足させ、多くの施策を立案し、実行に移してきました。
2012年から運用を開始した広域認定産廃管理システムから得られた廃棄物発生状況に関する詳細データから、「木くず」「石膏ボード」「ダンボール類」の3品目が、全体の2/3を占めることが明らかになり、この3品目の削減に重点的に取り組んできました。
建築部材のプレカット化推進
現在、中期経営計画サステナビリティ編では、2024年度までに新築現場から発生する1棟あたりの産業廃棄物の量を2,511kg/棟にすることを目標に掲げています。2021年度に全国の支社・支店で運用開始した、きずれパネル、屋根スレートのプレカット化が進み産廃排出量削減へ効果が徐々あらわれました。2023年度は、定着したプレカット運用の中でも屋根スレートのプレカットにおいてこれまでプレカット対象外の切妻、母屋下がりの屋根形状にも対応可能となり、産業廃棄物排出量が2,467kg/棟と順調に減少し、2023年度目標の2,709kg/棟を上回る結果となりました。
きずれパネルは、1棟当たり80㎏/棟、屋根スレート材は、1棟当たり170kgの削減効果が確実に表れています。また、サイディングのプレカット化についても2023年度は運用エリアを拡大し徐々に削減効果が増加してきました。サイディングは1棟当たり550kgと重量が大きくサイディング物件も年々増えていることもあり、今後のさらなる運用拡大により、産業廃棄物排出量の削減効果がさらに期待できます。
また、建築現場では、2023年度の産廃排出量実績から2.5%を削減目標として、リユース養生材の採用促進や建設資材を適正な量を発注することで余剰材を発生させない等、産業廃棄物の抑制に取り組み、排出量削減を図ります。
新築現場から発生する産業廃棄物の削減(1棟あたり)
総排出量(kg) | 削減率(基準年度比) | |
---|---|---|
2017年度 (基準年度) |
3,325 | - |
2021年度実績 | 2,736 | ▲18% |
2022年度実績 | 2,585 | ▲22% |
2023年度実績 | 2,467 | ▲26% |
新築現場における廃棄物のリサイクルへの取り組み
住友林業は、新築現場より発生する廃棄物の分別を徹底しています。住友林業が定めた11分類に分別しやすくするため、具体的な廃棄物を記載したポスターを掲示するなど啓発を図っています。また、プレカット構造材等資材の運搬の際に使用されたリンギやパッキン材を現場で使い捨てせず再利用する取り組みも行ってきました。
2023年度は、きずれパネル、屋根スレートのプレカットの運用が進み、これまでリサイクルをしていた木くずやスレートの産業廃棄物発生が減少したことが要因で、リサイクル率低下に影響し、リサイクル率目標98%に対して、95.1%と停滞しました。
現在、中期経営計画サステナビリティ編では、2024年度までに新築現場における廃棄物のリサイクル率を98%にすることを目標に掲げています。
2024年度は、現場で更なる分別の徹底をすることで混合廃棄物を削減し、リサイクル率向上を図ります。また、リサイクル可能な処理場の新規採用拡大にも取り組みます。
新築現場における廃棄物のリサイクル率※
リサイクル率 | |
---|---|
2017年度 (基準年度) |
92.5% |
2020年度実績 | 95.2% |
2021年度実績 | 95.1% |
2022年度実績 | 94.3% |
2023年度実績 | 95.3% |
※住宅事業本部のみ
新築現場のリサイクル率推移
(住宅事業本部、建築事業部、住友林業緑化、住友林業ホームエンジニアリング)
環境省広域認定制度の認定取得
住友林業は、環境省より広域認定制度の認定を取得しています。この認定によって産業廃棄物の運搬が産業廃棄物業者以外でも可能となり、独自の産業廃棄物回収システムを構築しています。
住友林業の新築工事の産廃管理システムは、資材の現場搬入車両の帰り便等を廃棄物の回収に利用し、運送を合理化しただけでなく、廃棄物にバーコードを取り付け管理することでトレーサビリティの確保、正確な重量等発生状況データの収集を行っています。
首都圏資源化センターの稼働
住友林業は、広域認定制度の認定取得を機に、高度な分別とデータ収集のため「首都圏資源化センター」を埼玉県加須市に設置しています。首都圏資源化センターは、関東地方一都五県(東京都、神奈川県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)の新築現場から発生する廃棄物を集積し処理を行っています。
首都圏資源化センターでは、仕様、施工店、地域ごとに詳細な廃棄物発生状況、傾向のデータを収集し、商品開発、資材調達、生産管理部門へフィードバック、廃棄物削減の取り組みに活かしています。
また、首都圏以外の地域でも広域認定制度の運用を拡大し、現在、山陰エリアを除く支店で運用を開始しています。首都圏資源化センターと同様、全国の廃棄物発生状況データを収集することが可能になり、地域ごとに、建物の仕様や建築条件で排出量や排出品目の傾向があるため、それぞれ分析を行うことで、廃棄物削減につなげます。
広域認定を利用した産業廃棄物回収フロー
新築現場の廃棄物等の処理状況別内訳(2023年度)
(住宅事業本部、建築事業部、住友林業緑化、住友林業ホームエンジニアリング)
新築現場の廃棄物等排出量の内訳(2023年度)
(住宅事業本部、建築事業部、住友林業緑化、住友林業ホームエンジニアリング)
解体現場での取り組み
住友林業は、2002年の建設リサイクル法の施行以前から、住宅の新築に伴う解体に際して、分別解体の徹底や廃棄物の分別排出による資源リサイクルを推進しています。2002年の施行以降は、同法で義務付けられた品目(木くず、コンクリートなど)について、発生現場で分別した上で、リサイクルを実施しています。近年は、石綿含有建材を使用した住宅の解体工事が増加しており、2020年から石綿関連の改正法が順次施行されました。これを踏まえ、住友林業では、特に石綿含有建材の除去方法や処理の指導や管理の徹底に努めています。
2023年度、コンクリートについては前年度に引き続き、リサイクル率がほぼ100%となりました。木くずについても付着物の除去撤去などにより、高いリサイクル率を維持しています。
解体工事における廃棄物管理
携帯電話やスマートフォンを使って解体工事現場から搬出する廃棄物の品目、数量、荷姿を確認できるシステムを構築し、協力解体工事店へ導入し、管理を強化しています。
住宅解体現場における
リサイクル率
96.6%
解体廃棄物の排出量と内訳(2023年度)
産業廃棄物事務センター開設
2021年度より、産業廃棄物事務センターを全国3拠点に開設しました。産業廃棄物の管理業務に特化した担当者が、統一された精度の高い管理を行うことで全国の産廃リスクの撲滅に取り組みます。全国で排出される産業廃棄物の電子マニフェスト登録を行い、排出事業者の責務である最終処分終了までの適正処理の確認や期限管理を始め、電子マニフェストの登録内容と委託契約書の記載内容の照合、及び委託契約書内容の更新管理等の法令を厳守した管理を行います。
リフォーム事業での取り組み
リフォーム現場では、養生材を繰り返し使用できるリユース養生材にすることで、発生量の削減に取り組んでいます。住友林業ホームテックは、自社のリフォーム現場で発生する木くずのマテリアルリサイクルを実施しています。
首都圏エリアの木くずについては、2014年度よりパーティクルボードの原料とするマテリアルリサイクルルートを運用するなど、資源の有効活用にも努めています。また、リサイクル率の低い拠点に対し、重点的に指導・教育を行い、分別の強化、リサイクル能力の高い処分場への委託等を推進します。
現場の分別と処分場における選別強化の指導により、2023年度のリサイクル率は84.8%となりました
リフォーム事業のリサイクル率推移※
※住友林業ホームテックのリフォーム現場を対象とし、リサイクルが困難ながれき・アスベストは除く
リフォーム事業の廃棄物等排出量の内訳(2023年度)
(住友林業ホームテック)
施工業者と共に
住友林業では、安全や環境についての情報やトピックスを掲載した「安全・環境・検査室情報」を毎月発行し、支店や施工業者に対して繰り返し周知することにより、産業廃棄物関連のリスク回避ができるようにしています。
新築施工店及び解体業者への教育
新築施工店に対して、産業廃棄物教育と確認テストを実施しています。解体業者は産業廃棄物について、解体着工前から解体完了まで、マニュアルに沿って施工管理記録書を各支社、支店に報告しています。また、各支社、支店ではその施工管理記録書のチェックを行い、不備があれば是正するように指導をしています。
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