プロジェクト
- 設計
- 施工(車両外板)
夢を未来へ動かす、木のポテンシャル。
TOYOTA コンセプトカー SETSUNA(セツナ)
全長:3,030mm/全幅:1,480mm/全高:970mm トヨタ自動車「ミラノデザインウィーク2016」出展作品/受賞:ウッドデザイン賞2016最優秀賞 農林水産大臣賞
“人とクルマの新たなつながり”を具現化したトヨタ自動車のコンセプトカー「SETSUNA」。その車両外板(ボディ)を共同で開発しました。クルマと過ごした時間を積み重ね、愛着を持って接することで家族の新たな価値となる。このコンセプトの実現に適した素材として、年月の経過とともに味わいが増して唯一無二の存在となり、手入れをすることで世代を超えて使い続けられる「木」が選ばれました。クルマを製作するにあたり、私たちは木部の設計、加工、組み立て方法の提案のほか、各パーツの樹種の選択や木構造に関する知識の共有を行いました。すべての木材を国産にこだわり、外板には高知県にある住友林業・社有林の杉を用いています。木造建築以外の分野でも木造化・木質化を進め、まだ誰も見たことのない夢を実現したい。今回の新たな領域へのチャレンジが、その大きな一歩となりました。
ボディは86枚のパネルで構成。修理が必要になったときは、そのパーツだけを交換できる。木の接合には釘やネジを使用しない、日本古来の伝統技法である「送り蟻」「くさび」などを採用。 木材は適材適所の樹種を選択している。外板は木目の鮮やかさや趣(おもむき)、材質の柔らかさから「杉」。フレームは高い剛性を保つ「樺(かば)」。フロアは強度が高く耐久性に優れた「欅(けやき)」。